脊髄損傷は、主として脊柱に強い外力が加えられることにより脊椎を損壊し、脊髄に損傷をうける病態である。脊髄を含む中枢神経系は末梢神経と異なり、一度損傷すると修復・再生されることは無い。現代の医学でも、これを回復させる決定的治療法は未だ存在しない。
毎年5000人以上があらたに脊髄損傷を負っている。これまでの統計によると交通事故や高所からの落下事故などが多い。治療としては破壊された脊髄を再生し、再び機能を取り戻すことは全世界の脊損者の願いであり、様々な分野で研究が進められている。
現在最も有望視されているのが、iPS細胞や骨髄や神経の幹細胞を用いた神経再生の試みである。動物実験では部分的な効果が報告されているが、人体に応用し治療に役立つには未だ基礎研究の段階であり、研究の強力な推進が望まれている。
今回、脊髄の損傷部位を迂回して大脳からの電気信号を筋肉に伝える神経バイパス技術を開発し、麻痺したサルの手を再び元のように動かすことに成功した。自然科学研究機構と、米国ワシントン大学のグループが発表した。
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参考HP マイナビニュース:脳から直接電気信号を引き出し麻痺した手を動かすことに成功