6日から始まった『ブギウギ』第6週が終わった。梅丸楽劇団(UGD)にスカウトされたスズ子(趣里)の苦悩の日々、そして覚醒の瞬間が描かれた。
UGDの旗揚げ公演に向けての顔合わせの日。作曲家の羽鳥善一(草彅剛)は、出会ったばかりのスズ子に、いきなりレッスンをつけさせようとする。スズ子は、そんな羽鳥が、茨田りつ子(菊地凛子)の『別れのブルース』を手掛けた人物だと知り感激する。
そんな羽鳥は、『ラッパと娘』の出だしを、スズ子に500回以上歌わせる。しかも何がダメなのか分からず、袋小路に入るスズ子に「バドジズすればいい」とだけ指示。スズ子はレッスン終わりに羽鳥の家に押しかけ、思いのままに歌う。すると羽鳥の表情が変わる。開眼したスズ子は、旗揚げ公演で『ラッパと娘』をステージ狭しと動いて熱唱。観客を大いに沸かせたのだった。
ネットの評判はどうだろうか?
・羽鳥先生はニコニコしてはるけど掴み所の無いお人やわ 楽しむって何?大和礼子は2人要らない?どないしたらええの…
・スズ子と羽鳥先生の掛け合いが楽しい。スズ子の歌の成長に驚く羽鳥先生の表情も凄く良かった
・「ブギウギ」の歌唱シーンは、本当に見事だった。 スズ子が、エンターテイナーとして覚醒した瞬間を見られた気がしたし、同時に、演じる趣里ちゃんの成長も見届けられた気持ち。
「笑う鬼」というアダ名を拝命している羽鳥。その穏やかながらも厳しすぎるキャラに視聴者は戸惑っているようだ。だが、そうしたモヤモヤが晴れるように、旗揚げ公演でスズ子が観客を熱狂させていることへの感動の声も多かった。
それにしてもなぜ羽鳥は、スズ子をそこまで追い込んでいたのか? 彼女に才能を感じていることが前提だが、ここでも様々な考察がなされる。
・歌劇団の歌い方は「こういう風に歌いなさい」と授業の様に強制的に習った歌い方。それを空っぽにして自分だけの歌い方を自分で探せという意味なのかも。
・徹底的に追い込んで一度スズ子の歌を壊すことによって、ジャズの即興性をスズ子の才能から引き出そうとしているのかな。
旗揚げ公演でのスズ子は、かつて実家の銭湯“はな湯”で、お客さん相手に歌っていた鈴子と重なって見えた。梅丸少女歌劇団(USK)に入団後、トップスター大和礼子(蒼井優)に憧れを抱くようになるが、ステージのスズ子は、そんな大和に出会う前の鈴子そのものだった。
羽鳥はレッスンの際、「福来君は福来スズ子を作らなきゃいけない」と言っていたが、それはまさに、歌い方も何も分からず歌っていた頃に原点回帰させる大事な言葉だったのかもしれない。
さてヒロインに欠かせないのが“ライバル”の存在である。旗揚げ公演のステージを見に来ていた茨田りつ子(菊地)は、スズ子の歌う姿を見て「どうしようもなく下品ね」と言い捨てていた。それが嫉妬なのか何なのかは、この後の展開で明らかになるだろう。
スズ子が「陽」だとすれば、りつ子は「陰」。その対照的な性格が、どうぶつかり、さらにどのようにお互いを成長させるのか楽しみだ。