※2013年3月16日記事を訂正しました。主な原因は「アルゴリズムのミス」でした。
我がスーパーコンピュータに出来んことはないィィィ
スーパーコンピュータ(以下“スパコン”)、それは人類の夢です。2013年現在、我が国の最強“スパコン”は『京』で、構築に1120億円、電気代だけで年に30億弱円かかるという規格外ぷり。そのせいか、事業仕分けの対象になってしまった過去を覚えている方も少なくないはず。
そんな“スパコン”が作った数独が、人間の手によって簡単に解けてしまうというニュースがありました。
「世界で一番難しい数独」の難しい問題(財経新聞)
http://www.zaikei.co.jp/article/20130313/126834.html
数独って何?
数独とは、9×9の正方形の枠内に1~9までの数字を入れるペンシルパズルの一種で、いわゆる“高度な知的遊戯”です。各列・各行・太線内には1~9の重ならない数字が入ることになっています。
そんな知的遊戯を、意地だけで数十億かかる“スパコン”を使って作るってんだから、そりゃあもう、時間とお金をかけた粋な話ですねぇ。
その“スパコン”によってはじき出された最強の数独が1枚目の画像。
うーん、なんといいますか。確かに数独です。けど、どのへんにお金がかかっているのでしょうか。
あたくしには分からないだけで、中身はすごいに違いないのでしょうか!?
と、思いきや。
解いてみると、意外と簡単。左下の3×3をみると、右列には1が入らないし、1・2行目には1は入らない。一番左下には既に6がある。つまり、左下の「6」の右に「1」が入る理由が説明できました。
ここを足がかりにして解き始めると、意外とするする解けます。
『難易度』の定義は難しい
どうして、億単位のお金をかけて作った数独が意外と簡単に解きはじめられるのか。
理由は「アルゴリズムのミス」とのことですが、あたくしは「このコンピュータの“難易度”の定義が、まだ人間的ではないから」だと思います。
誤解を恐れずにいえば、コンピュータによる数独の“難易度”は、「解が解答手法からどれくらい遠いか」で決まります。「確立された解答手法によって、どれだけ解きにくいか」と言ってもいいかもしれません。
つまり、“解答方法”には考えうる限り全ての解き方をデータ化して入力しなけれなければならないのですが、これがスパコンにすら、まだ難しいのです。人間の直感や瞬発力をコード化して組み込むことは、まだまだSFの世界の話なんですね。
直感こそハイテクだ!
このスパコンのつくる数独は、確立された解読方法からは最も遠いものだったのですが、直感的に解くと意外と解けた、という話でした。
断っておきますが、これは「だからパソコンは、デジタルは、ダメなんだ」という話ではありません。
むしろ、人間的で直感的なものこそ、最もハイテクでデジタル化しづらいものなのだと、思うのです。だからこそ、筆者は何歳になっても女心が分からないのです。
意外と、最強の難問は“難問を作ること”なのかもしれませんね。うーん、禅問答的!