どうよ?最近のITっツーもんは。蓋を開けたらITベンチャー

  by rado  Tags :  

ライブドア事件発覚が2006年だとすると、今年でもう7年も経過してることになりますが、それから以後IT革命ナンちゃらで時は過ぎ、結局ITってなんだったのよ?とこの頃は個人的に感じます。
 
クラウド(注1)とかいってもマスコミですら「それは雲のようなネットワークに・・」というように、具体的な説明というよりは、「基本ソフト」(注2)と同じような曖昧な表現でしか表せないことからも、なんだか一般的には自然と利用してはいるものの、これがIT!という手触りはないんではないか?と。
 
 
ライブドアもそうですし、かつては覇者だったGoogleもちょっと影が薄いのは、結局のところWEB広告スポンサー、つまりはアフェリエイトでの収入が最大の収益だったことに由来するんではないか?と思います。アイデア的にはシステムソフトウェアを作ったり、デバイスやデバイスドライバを作ったり、CPUやマザーボードの設計などのアーキテクチャ開発の方が、よっぽど基本中の基本的分野ですからその開発で世に出れば、インテルXeonやcore i7やクアルコムのSnapdragon のように、「それがなくちゃなんにもなんない」状態を作り出せるわけで、生産量は落ちても開発ライセンスと更新でまだまだ飯を食っていけるわけです。

 
そもそもデジタルデーターだけでご飯を食べていくには、コンテンツこそ重要なんですが、状況は結局検索で上位にくればいい時代は終焉を迎えたわけで、ブログでリンクを貼りまくり、太字キーワードで宣伝しようがTwitterでつぶやこうが、エンドユーザーにとっての邪魔なコンテンツはブロックされまくりなんですね。見てくれるどころか、いっそ削除したい気分になるわけです。大手企業までもがビジネスモデルとしてもてはやしたのは、現在ではもう過去のバブルになろうとしています。その典型がソフトウェア開発でして、2011年からスゴスゴ後ずさりしてきたのが受託ソフトウェア開発ですよね。
 
つまりは、大手ITゼネコン各社がコストとか、エンジニアへの高額な支払いを削るためにはアウトソーシング、つまり外注で自社の要求に応える小さなソフトウェア開発会社に任せればOK的な風潮。これがどんどん加速して、ドンドン海外に比べ、本来の開発では遅れを取ってしまったわけで。例えば企業がデーターを集約し、クライアント側でWEBを表現するようなWEBアプリケーション開発を外注だしにすれば、確かに技術者を雇う必要よりも、営業や製造に力を入れられますが、その先は優秀な技術者の流失とか、行き場のないプログラマーが路上に放たれる結果に?と考えてしまうわけです。本来の技術より目先にあるお金を素早く回収する方向へと、より安価でヘビィローテーションな多種類コンテンツ製作に終始していくわけで。まあ優秀な技術者が、そうした状況で国内にいるのもどうかとも考えられますし、かといって辞めて30過ぎのエンジニアとかプログラマーが行く場所というのは、踏ん張っても結局、その大手の”下請け”か、周辺企業からお下がりとかそれほど選択肢もないような気がします。
 
しかしながら、そういう若い人たちが、何故かITベンチャーをよく立ち上げるのがこの頃。というか、正確にはでっちあげてる・・あえて私はそう考えます。「若い社員が時代をリードする最先端なニーズを」ってスローガンは立派ですが、やってることは開発と呼べるものではなく、例えればデバイスソフトウェアをツールで作ってAppleアプリで売り飛ばしてるってイメージですね。それが悪いのではなくて、カラクリが単純で頼りないということ。シンプルなのは趣向としては格好良くても、ビジネスでは短命ではないかと思えるのです。
 
偉いのは結局いつまで経ってもデバイスのプラットフォーム、スマホでいえばAndroidやiOSやデバイスを動作できる環境、もっとわかりやすく言えば、アンテナやケーブルのようなインフラをコントロールする技術の成果であるはずです。ツールではなく、ソフトウェアにおける基礎開発こそ重要。永続的な収益なら、ソフトウェアの更新とメンテナンスではなく、刷新した新しい技術を市場に提供すること。マイクロソフト社はいち早くその事に気がつき、システムソフトウェアでの方向はデバイスとの親和性さえ確保すればいいということで、クラウドビジネスへと数年前からシフトしました。彼らの基礎であるクライアント環境、システムソフトウェアであるWindowsは、もう麻薬患者のように世界中にばら撒きましたから。
 
ソフトウェアを作るといっても、受託ソフトウェア開発では、めまぐるしく変わるエンドユーザーの要求に対し、技術者を資産とは見ずにコストとして解雇した企業側にとっては、「プログラムのメカニズムなど眼中にない」連中が営業を取ってくる行動は予想できるわけで、いつかは自滅するのは自明の理。無茶というより無謀なユーザー注文でも「ハイOK」あとは根性でなんとかするんでしょうかね?安易な開発の方向性によって、ソフトウェア不具合が、ツールそのものの不具合によるものか、それともソースコードなのかとは不明瞭と知りながら、学生でもすぐ出来そうなオーサリング・ツール(注6)を利用し誤魔化した製品を「自社開発ツール」とか堂々と言わなくてはやっていけない。API(注3)すら独自で作れないのに、基礎的なソフトウェア開発も何もあるわけないんですが、需要に答えてさえいれば儲かるはずと、”永続的”かそれに続く継続性をそこに期待できるというのが、私にはちょっと信じられないんです。ビジネスは一発屋芸人とはいかないですからね。
 
事業としてはまだ成熟はしていませんが、国内ではインタープリタ言語でのAPIを開発してるところもありますが、スマートな統合開発環境を提供しているほど成長も普及もしていません。
 
固定機でのゲーム業界がかなり冷え切ってから、調子を出したのがWEBゲームなんですが、ここでもZinga(注4)に代表的なように、この”法則”が見事に当てはまり、スマホ向けコンテンツにウサギとカメのように抜かれました。
 
今現在では、大流行のスマホ向けゲーム。これもまた、利用者~万人とか数字ばかり踊ってますが、どれもこれも”機能”ではなく、単なるコンテンツの一つですからいつまで状態を維持できるのか?という感じがします。ソーシャルサービスというビジネスモデルは元来存在しないんですけどね。大量のつぶやきや赤の他人と友達をいくら増やそうが、別にクレジットカード登録をこぞってしてくれるわけではありません。問題はユーザーの量ではなく、まさしく金銭を出してくれる”カモ”が目当てのはずです。他のユーザーはエキストラの役割なんですね。
 
つまり理想のWEBサービスは常に”無料”であることが条件であり、これを当てはめるとデーターでしかない画像に「レアカード」とか、無駄な付加価値をつけるか、コンテンツの集客から広告効果を吹聴してスポンサーを募るしか他に方法がないんですが、このモデル、どこかで見たことありませんか?
 
そうです。テレビ。
 
使い古された最古参のメディアが結局いまでも通用しているだけ。ちなみにテレビの視聴率は、あくまでも登録してる視聴者というモニターの人たちやある企業の無作為リサーチ、それも信ぴょう性には?な数字であって、私たちが見てる現象を常に指すのではありません。従い、自分たちで考えた話題作りで「今話題の」というコンテンツを作り出しているといえますね。
 
魅惑的な無料ゲーム、アイテムを欲しいと思わせる麻薬的なコンテンツを提供し続けないと、収益が自然と上がらない状況は、コンテンツの閲覧の中身よりも接続の量だけを見ていた、Googleの広告収益モデル(注5)となんら変わるところがありません。ここがハードウェア一丁開発と基礎開発で生きている真のエンジニアリングとコンテンツエンジニアリングの差なんですね。いつかはオワコン。そういうことに収束していくのがテレビと全く同じ運命なんでしょうか?カラクリがわかればバカバカしくて・・とならないんでしょうか?今はバレなくても、飽きてしまうということは、ごく普通の反応です。
 
 
※オワコン・・・・終了したコンテンツのこと。アイドルや個人を指すこともある。
 
すべてがそうではないけど、ほとんどがコンテンツビジネスであり、それがITベンチャーと呼ばれる。これは非常に悲しい現実ですね。それも多勢に無勢で、悲しいかなデバイス提供側の売上や営業にとって、コンテンツ製作者が生きようが死のうがお構いなしだというのに、特に影響がない頼りない”コンテンツ”という細糸にしがみついて、延々と大量生産で凌いでいかなくてはならないんですから。プログラマーが辛いだけだというのは当然です。果てしなくゴールのないマラソンそのもの。しかも対象としてるユーザーは飽きっぽい。そもそも最初から広告収入がメインという出来レースに無理やり乗せられて、スポンサーの言うことしか耳を持たないようにやらされますから、似たようなコンテンツで生きていくしか方法がないんですね。
 
まあある意味、冒険(ベンチャー)していますが・・。

 
_______________________________

注1:|||クラウドコンピューティング|||

データーを置くサー バーマシンを、それぞれの役割を持つサーバーセンターごとに振り分け、企業側では負荷の軽いシステムだけを管理する方法。データーやファイルのサーバーは 別の企業が管理するため、利用する企業はインターフェースだけ用意すれば事足りるので、企業側ネットワーク負荷とシステム維持費が軽減できる。しかしサー バーセンターに障害があると、そのまま利用する企業側の影響が甚大になるため、現在ネットワーク設計が課題とされている。ちなみに日本は真逆のメインフレーム(冷蔵庫のお化けみ たいな大きなサーバーをつなげてひとつの企業基幹システムにしていること)天国なので、本来の意味ではまだ普及していない。
 
注2:|||基本ソフト|||

マスコミで取り上げられるこの言葉は誤用の典型。WindowsやMacは、システムソフトウェアであり、正確にはOS(オペレーションシステム)ではない。従いOS=基本ソフトは誤り。有名なこの2つのシステムソフトウェアは、使用開始時点から既に時計やメモ帳などアプリケーションが使えるようになっているが、本来のオペレーションシステムはアプリケーションを一切提供せず、”機能”以外提供しない。(シェルエディタという”機能”ぐらいしかない)代表的なものにはアプリケーションを排除したUNIX系OSなどがある。
※WindowsのコマンドプロンプトやMacのターミナルが全画面になってる状態で、すべてをコントロールするとイメージしてもらえれば、わかりやすいかも。

従い真面目なアナウンサーが言うなら「パソコンのOS、つまり基本ソフトですが・・」ではなく、「パソコンのシステムソフトウェア、いわゆる基本ソフトですが・・・」が正しい。

 
注3:|||API(エー・ピー・アイ)|||

アプリケーション・プログラムインターフェースのこと。アプリのボタンやそれに機能を与えるものだが、日本におけるコレを表現している意味は、どれもライブラリ(プログラムを動作させるためのさらに細分化した小さなプログラム)を 利用している意味に過ぎず、そのためアプリ開発用アプリケーション独自開発といったことではなく、それを使ってアプリ開発をするので、結果他社追随は極めて容易である。つまり他人が開発してくれた恩恵にあずかってるだけ。(開発用ソフトウェアAPIの方がある意味偉い)またデバイスの仕様変更に常に振り回されるため、継続的収益を目指すには多種類、多機能を持たせるしかなく、結果一時的な成長しか望めない といわれる。

 
注4:|||Zinga(ジンガ)|||

CityVilleのようなブラウザベースのマウスクリック主体のPC向けWEBゲーム。FLASHで作られており、Facebookアプリとして大ブレイク。かつてはSNS関連ビジネスモデルとしてもてはやされた。現在はスマートフォンやタブレット向けコンテンツの影響で赤字転落。収益回復が難しくなってきている。

 

注5:|||Googleのビジネスモデル|||

自社で開発したコンテンツ解析プログラムによって、回線に送信されたテキストデーターからキーワードを所得し、クライアント側でGoogleのサーバーにある検索フォームから入力された言葉や文章の”量”で結果をランキングのように見せ、その上位を目指すスポンサーからの広告収入で収益を上げる方法。物質的生産をしないので理想のビジネスモデルと言われた。その後、HTMLの扱い方が企業側で多様化、従来のSEOが通用しなくなり、広告収入が停滞。新しいSNSやOS開発に乗り出すも打開策がなく、未だ迷走中。

 

注6:|||オーサリング・ツール|||
プログラムコードを一から書かずにソフトウェアなどを開発するツール。あまりプログラム言語に精通していなくても開発が容易なため、日本では依存度が非常に高い。ツールの提供と開発が終了した時点で作られたソフトウェアのメンテナンスも終了というパターンに陥りやすい。

会社員やってましたが、自宅にてIDSネットワークを組むことにしたので自宅ワーカーに転じました。ブログ記事(1記事5000字で10記事程度)の”仕事”として2004年から単発的にやってましたが、腰を据えて力試しにやってみようかとエントリーしてみました。テーマなくても自由に書けでもなんでもやります。趣味はスパマーの実態調査です。

ウェブサイト: http://blog.livedoor.jp/stonefree3-anchoku/ http://rado.slmame.com/ http://blogs.yahoo.co.jp/konno3309950 (依頼記事) http://ameblo.jp/sougikannkei/(依頼記事)

Twitter: Rado Arado

Facebook: 100002423825185