関西の私立名門校として知られる関西学院大学で、運営サイドと学生サイドとの間に亀裂が走っている。23日未明にTwitter上で、学生に対する運営サイドの一方的な処罰をくつがえすためとして、署名が呼びかけられたのだ。内容は「1月24日、正門前で署名活動を行います!!関学法学部の英語の試験で、要項に「辞書持込み可、辞書への書き込み可」と書かれていたにも関わらず、事務側が要項を充分に理解せず試験監督をおこなった為、三人の学生が辞書への書き込みを不正と見なされ、今期の全単位を剥奪される処分をうけることになりました。しかしゼミの先生の図らいで、署名を集めれば異議申し立てを行うことが出来るようになりました。テスト期間中ではありますが、事務室側の責任を押し付けられた三人のために署名活動にご協力お願いします!!」(原文ママ)。このツイートは関西学院関係者以外にも広く拡散され、運営サイドへの批判、なぜ抗議するのに署名活動が必要なのかという疑問、この事件が実際にあったのかを疑う声まで様々な反応が見られた。
そして25日早朝、事件は学生サイドの意外なほど腰砕けなツイートで急激にトーンダウンする。内容は「先たツイートにおいて一部誤りがあった(中略)試験に際しての説明が明確になされなかったことにより、当該学生たちは学部が意図する試験に際しての許可範囲を十分に把握せず試験に臨みました。本試験中に当該学生各々が許容範囲であると自己判断に基づいて行った行為が常識的に許されるものとは言えず、学部によって不正行為であると判断され…(後略)」というもので、抗議活動の継続はうたっているものの「空気が読めなかった、常識はずれの認識をした学生の甘さ」を認めるものだったのだ。
筆者が関西学院に問い合わせたところ、広報担当者からは「昨夜こういうインターネット上の動きがあることを聞いたが、学校としては関知しない。」「不正があることは珍しくないが、個別の事案について公開はできない」という反応。また、現在関西学院に教員として籍を置いている友人にも聞いたが「何かやってるらしいけど、現時点で正式な抗議があるわけじゃないので学校としては無視」とのことだった。学生サイドにも聞き込みしようとインターネット上でコンタクトをはかってみたが、「ゴミが寄ってきた」などと言われるだけで明確な回答は得られていない。この事件が今後どのような動きを見せるかはわからないが、関西学院法学部のホームページを開くと目に飛び込んでくるコピーは『論理的に問題を解決する力を育成』というもの。運営サイドも学生サイドもその目標に従い、論理的に事件の解決にあたってほしいものだ。中退はしたものの、関西学院大学を愛するOB・筆者の祈りである。
※画像は関西学院大学ホームページ、NAVERまとめから引用しました。