噂で怖いと聞いているけど……「闇金」による手口や取り立ての実態とは?

  by 丸野裕行  Tags :  

どうも特殊犯罪アナリストの丸野裕行です。

『ミナミの帝王』や『闇金ウシジマくん』など闇金融を舞台にした漫画が非常に多くあります。しかし、本当の闇金融業者がどのような手口でどのように取り立てをするのかを、あなたは知っていますか?

闇金業者というのは、貸金規制法に定められた額以外にとても高い金利で貸付を行って、返済が遅れると執拗な取り立てを行ったり、時には精神的に追い詰めるための嫌がらせを行うなど、かなり悪質な業者です。

その金利はトイチ(10日で1割)、トサン(10日で3割)ともいわれ、非常な暴利のために返済額は膨れあがるわけです。

今回は、悪質で大胆な取り立てを行っている闇金業者の実態と、それと知らずに利用してしまったときの対処法を解説していきます。

刑事罰の対象になる闇金融

貸金業法では、借主に対する悪質な取り立て、嫌がらせをするような行為は禁止されていて、違反者には刑事罰を科す法律があるわけです。

ですから、登録している消費者金融は、恐ろしい取り立てをすることはありません。ですが、正規で登録をしないで違法営業を行う闇金業者は、貸金業法を無視し、相手の生活を脅かすような取り立て、嫌がらせを行うことがあるわけです。

闇金被害に遭ってしまわないために、その手口について確認しましょう。

闇金の種類とは?

闇金融というのは、あなたが知らないうちに忍び寄っているもの。様々なアイデアを用い、変化しながら営業をしています。いろいろな業態があるということですね。

ネットなどでよく見られる金貸し商法も、「実は闇金でした!」ということが非常に多いわけです。日々時代の流れを見据えて変化している闇金の主な手口を紹介したいと思います。

・090金融

090闇金というのは、街の貼り紙などで携帯電話番号だけ書かれいる少額融資の貸し付けを行っている闇金業者です。「審査なし」「ブラックOK」などという誘い文句が並び、貸金規制法を上回る法外な金利で貸付を行います。

事務所など持たないので、実態が非常に掴みにくく、業者自体が貸し付けにリスクを感じてしまうとすぐさま連絡を取ることができないといった特徴があります。

・質屋金融

質屋の金利というものは、貸金規制法とはまったく違い法外です。ですから、100円均一で買ってきたようなものを質草にしての貸し付けが可能。返済時には恐ろしい額の返済金を渡さなければなりません。

偽装質屋ともいわれ、年金生活者などは年金手帳と年金が振り込まれる銀行の通帳、キャッシュカードなどを預けろと言われることもあります。

クレカ金融や給与ファクタリングなどその手口は様々

・クレジットカード現金化

自分が保有するクレジットカードでブランド品や新幹線の切符、定期券など換金しやすい商品を購入させ、その代金を買い取るシステムで債務者に数割天引きした現金を渡すという闇金です。

買取ってもらう金額は購入金額よりも少ないため、現金受け取り後に待っているのは割高となったカード支払いです。

・ソフト闇金

親身に話を聞いてくれて、声を荒げるような恐ろしい督促なども行いません。それを「ソフト闇金」と呼びます。しかし、これは間違いなく無登録の闇金融業者。

法定外の高金利で貸付けるので実態としては闇金業者と同じ。返済が遅れたとしても、穏やかな対応なので継続して多重債務者が利用してしまうという危険をはらんでいます。

・後払い現金化(給与ファクタリング)
https://getnews.jp/archives/2942546

個人間融資になると刑事罰を逃れられる

・紹介屋

一見貸金業者のようですが、融資相談にやってきた債務者に「うちでは難しいけど金を貸してもらえる場所がありますよ」と他の金融業者を紹介して「紹介料」を2割~3割取るという闇金業者のことです。

紹介屋が紹介する貸金業者はほとんどが闇金融業者なので、その情報だけ網羅しておけばいいだけです。元手もなく紹介料を稼げるわけです。

・個人間融資

SNSなどで「融資をいたします」と書き込んで、融資の希望者に違法な高額金利で貸付けを行うという手口です。

個人間融資であれば、刑事ではなく、民事になるので法をかわせるわけですね。しかし、実のところ裏には闇金業者が絡むケースも多いといいます。

そのほかにも押し貸し、車リース金融、LINE金融などがあります。

・LINE金融

「LINE IDで借り入れのご相談に乗ります」といったWEBサイトなどを用いて、LINE経由でやりとりをする闇融資です。実態がつかみにくいのも特徴。

・LINE金融
https://getnews.jp/archives/2967103

上記の取材では強い取り立てをしない業者でしたが、返済に遅延が生じると常軌を逸した取り立てを行うケースもあるため注意をしなければいけません。

貸し付け自体が違法の場合も……

ブラック状態などどこからも借りられない人にとっては、話を聞いてくれるだけでも救われた気持ちになってしまう人も多いようです。

クレカ現金化や後払い現金化の業者は、ホームページに大企業のような爽やかなコールセンターで働く笑顔の女性の画像が掲載されていることが多いようです。一見して安心安全に利用できるというイメージを植えつけるという意図があります。

しかし、貸金業法によって、利息制限法の年15%~20%の上限金利超の貸し付けでは、超過分が無効・行政処分の対象となります。出資法の年20%の上限金利を超えた場合は刑事罰対象になります。

返済が遅れた場合の闇金融業者の取り立て

ここでは、闇金融業者の取り立てについて触れていきたいと思います。

1.時間関係なく執拗に督促の電話が入る

闇金の業者は、債務者の都合を考えずに様々な時間帯に督促電話をかけるといわれています。早朝、深夜など就寝時間でも関係なく督促電話をかけてきて、非常識な回数の電話をかける業者もあるんです。

2.会社や実家、関係者宅にまで督促電話をかける

闇金業者は、携帯電話に督促電話をかけるだけでなく、債務者の勤務先や実家、関係者宅にまで電話をかける場合があります。勤務先や実家に電話がかかると、自分が働いている職場に闇金でお金を借りているということがバレる、実家の家族に余計な心労をかけてしまうという事態に陥ってしまいます。

3.時間に関係なく会社・自宅にまで取り立て

闇金業者は督促の電話だけでなく、自宅に取り立てにくることもあります。

さらに、勝手にUber Eatsなどのデリバリーを頼まれる、救急車や消防車を呼ばれる、ご近所のポストに「金を返してもらえません」などの嫌がらせの紙を入れるなどなど悪質な嫌がらせを受ける場合もあります。

ひどい場合は、早めに警察などの機関に相談することをおすすめします。

闇金業者から借入をした場合、≪返済は不要≫です。これは、2008年の最高裁での判決も出ているほどですので、闇金融業者は利用者へ元本の返還請求をすることができないわけなんですね。利用者も元本返済する必要がないので、闇金に引っかかってしまったときには安心してください。
しかしながら、闇金業者からお金を借りないのが一番なのは、言うまでもありません……。

(C)写真AC

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』や『AsageiPlus』『日刊SPA』その他有名週刊誌、Web媒体で執筆。 『丸野裕行の裏ネタJournal』の公式ポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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