最近は外国為替の変動で輸入品が高くなり生活にも支障をきたすようになっている。昔は円安でも国産品が多数を占めていたために「内需拡大」の旗印の下でどうとでもなった。しかし現在では国産品であっても特に工業製品は原材料にかかわる部分は輸入品が大半を占めるようになっており、数十年の間に構造そのものが変わってきたと言っても過言ではないだろう。
食品についても高くなっているので、なるべく食品ロスは抑えつつ安心安全なモノを求める消費者は多い。しかしながらコロナによる生活様式の変化により、外に出なくてもよい状況が多くなったのも事実だ。よって自宅で簡単に美味しいて安全なものを志向する。
これらの消費者の変化に対する提案として冷凍パンを紹介する。
スタイルブレッドの「Pan&(パンド)」というブランドを試してみた。焼き上がりの状態で-45度で急速冷凍しているので、そのまま放置して自然解凍させたものでも十分美味しいし、リベイクとしてトースターで焼いても美味しい。
しかし時間がないときにおススメなのは電子レンジだ。袋のまま15秒程度で、内側が水蒸気で曇ってくればもう食べごろだ。忙しいときには良い。電子レンジは水の分子を激しく動かすことにより加熱する仕組みなので、温め過ぎは水分が蒸発してパサパサになってしまうので禁物だ。
1袋に2個程度しか入っていないので、食品が無駄になることもなく冷凍しておけばカビることもない。そして温めたそれぞれのパンは、基本的にはふっくら焼き立てで、バターはトロリと溶けていて、クロワッサンはサクサク、メロンパンのクッキー部分もサクサクの焼き立て状態だ。
パンの基本的な材料は小麦粉と酵母と塩。発酵の工程は違うがビールメーカーが大麦や酵母にこだわるのと同じで、パン作りでも材料にこだわると美味しいものができる。同社では国産小麦を使用し、群馬県桐生で育てられたオリジナル酵母を使用し、塩は高知県室戸沖の海水由来のもので、単に美味しいというよりも「味わい深いパン」と表現するのがピッタリなグルメパンだ。
ちなみに、これらのパンは総菜パンではないが食パンでもない。それでも何もつけずにパンだけで十分に食事として食べられる品質だ。これはパン本来の味わいなのかもしれないし、手間はかかるが昔ながらの製法を踏襲した結果なのかもしれない。しかし冷凍技術は最新のモノを導入しており、昔と今の良いとこ取りをして作ったパンだということが分かる。
食品ロスをなくしながら、いいものを短時間で美味しく必要な時に必要な分だけ用意できるのは、現代の生活様式に合致するちょっと意識の高い食生活になるのではないだろうか。
※写真はすべて記者撮影