まもなく開戦から3ヶ月が経とうとしているロシアによるウクライナ侵攻。ウクライナ軍の頑強な抵抗や西側諸国からの武器供与などにより、ロシア軍が各地で苦戦。前線での士気低下が指摘されている中、ロシア軍元大佐で軍事アナリストのミハイル・キョーダリョノク氏が、2022年5月16日に国営テレビ局ロシア1の番組『60ミニッツ』に出演。「事実上、全世界が我々に反対している」と国際社会での孤立に言及した上で、ウクライナ軍の士気が低下しつつあるという報道を否定し、状況が「率直に言って悪化するだろう」と発言して波紋を広げました。
しかし、キョーダリョノク氏は2日後の18日に同じ番組に出演。アメリカがウクライナに供与したM777榴弾砲の攻撃に成功したとされるロシア国防省の動画について、「最も優先している標的」と述べるとともに、攻撃が「達成されるだろう」と断言。ウクライナ側の反撃が「成功している」「準備ができている」といった情報を「根拠がない」と切って捨てています。
Today retired colonel Mikhail Khodaryonok made another appearance on Russian state TV, just two days after he gave a damning assessment of Russia's war in Ukraine and its growing international isolation
It appears that someone's given him a bit of a talking to
(with subtitles) pic.twitter.com/M1u2q8L2Tn
— Francis Scarr (@francis_scarr) May 18, 2022
この番組の模様をTwitterで紹介したBBCモニタリングのフランシス・スカー氏は「誰かから小言を言われたようだ」とツイート。動画は約86万回再生を記録しており、番組の内容について「2日前に彼は”私は”と言っていたが、今回は“私たちは”と言っている」という分析や、「尻を蹴られたんだろう」「”フィードバック”があったのか」といった反応も寄せられています。
キョーダリョノク氏は、2021年12月の段階でウクライナへの侵攻に失敗すると分析。ロシアの拡張主義に対する懸念を述べていました。それだけに、「彼は頭が良すぎるから」といった声も上がっていた今回のテレビ出演。番組に今後も出演し続けるのかどうかも含めて動向が気になるところです。
※画像はTwitterより
https://twitter.com/francis_scarr/status/1526998913986842624 [リンク]