比村奇石さんのマンガ『月曜日のたわわ』(『週刊ヤングマガジン』連載)の広告が2022年4月4日の日本経済新聞朝刊に掲載されたことによる賛否がネットで渦巻く中、女優の裕木奈江さん(@nae_auth)がTwitterで以下のように言及して、波紋を広げていました。
ちなみに私は色々と30年間経験した後に、「現実社会で違法とされている事はエンタメでも基本表現を制限・禁止するべき」と思っています。
自由な娯楽を嗜むには一定以上の知性が必要で、そうでない人には自制が難しく作品に影響され自分勝手で感情的な行動をとりやすくなってしまう。
このツイートは削除されていますが、「それではどんな創作もできなくなってしまう」という趣旨の意見が続出していました。
裕木さんは、更に次のようにツイート。
ニューヨークタイムズに未成年の身体をフェチ的にしつこくしつこく愛玩描写する娯楽作品の広告が出たら、普通に抗議デモや不買運動が起こりそう。
表現の自由は大事だけれど、お堅くあって欲しいブランドイメージの新聞でわざわざ見せなくてもって思うよね。
— 裕木奈江 🧅 NAE YUUKI (@nae_auth) April 18, 2022
ニューヨークタイムズに未成年の身体をフェチ的にしつこくしつこく愛玩描写する娯楽作品の広告が出たら、普通に抗議デモや不買運動が起こりそう。
表現の自由は大事だけれど、お堅くあって欲しいブランドイメージの新聞でわざわざ見せなくてもって思うよね。
「表現の自由」は政治や差別に対し「弱者が強者に異議を唱えても投獄や毒殺されないため」にとても大切なので、立場が上の人が卑俗に他者を表現していいとか、未成年の性商品化を守ってあげるためのものではなかった筈。
— 裕木奈江 🧅 NAE YUUKI (@nae_auth) April 18, 2022
「表現の自由」は政治や差別に対し「弱者が強者に異議を唱えても投獄や毒殺されないため」にとても大切なので、立場が上の人が卑俗に他者を表現していいとか、未成年の性商品化を守ってあげるためのものではなかった筈。
これには、「(広告を出稿する)場所をわきまえてほしい」という意見が上がっていた一方で、「表現の自由は誰もが持つ権利」「日本には日本人が決めたルールがある」「線引きは誰が決めるのか」といった批判や疑問が多数寄せられています。
日本国憲法において、「表現の自由」は第二十一条に以下のように定められています。
第二十一条
1、集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
2、検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
1970年生まれの裕木さんは、映画『曖・昧・Me』(1990)で主演に抜擢され、『北の国から’92巣立ち』『ポケベルが鳴らなくて』などさまざまなドラマに出演して一世を風靡しました。『ウーマンドリーム』の挿入歌で秋元康氏作詞の「泣いてないってば」で本格的な歌手活動をスタートし、写真集がヒットするなどアイドル的人気を博しました。
2004年より一年間のギリシャへの留学を経て、2006年に映画『硫黄島からの手紙』に出演。現在はアメリカ・ロサンゼルスに在住で、2017年にはドラマ『ツイン・ピークス The Return』に内道役に脚本・監督のデヴィッド・リンチ氏から直接キャスティングされています。
2013年より続くブラック・ライヴズ・マター運動(BLM)や、非白人の役を白人が配役されることが「ホワイト・ウォッシュ」として人種問題化したことを間近で見ていたであろう裕木さん。現在の日本映画業界で渦巻くスキャンダルに対して思うところがあるのかもしれませんが、日本におけるエンタメとファンの受容のあり方とは、ギャップがあることが示されたといえそうです。
※画像はTwitterより(現在は削除)
https://twitter.com/nae_auth [リンク]