< 奥入瀬渓流 まさに理想郷!(青森、奥瀬 著者撮影/NikonD200)>
< 高千穂峡 これはこれで凄いが…(宮崎、高千穂 著者撮影/iPhone)>
十和田湖の主な水源である奥入瀬(おいらせ)渓流。
透き通った川の水、地面や岩、倒木を覆い尽くす苔、そして原生林のブナ林(黄色に紅葉)林…完璧な条件が揃ってこの上なく美しい川。いや本当にケチのつけようもないぐらいに美しい。
景色の写真を集めたカレンダーにもし緑色の美しい川の写真が載っていたら、九割がた奥入瀬渓流の写真だと思って良い。写真を撮るためにあるようなところなので、14km続く渓流のあちらこちらで重そうなカメラを持った人たちがウロウロしている。「インスタ映え」大好きな人(私は嫌い)なら、ここに来ないなんてモグリだろう。
こんな光景日本にならどこにでもあるだろう…と思うのだろうが、実はここにしかない。十和田湖はカルデラ湖なので地盤は概ね火山岩で、つまり侵食されやすい。通常は地盤が侵食されて、例えば宮崎県の阿蘇山系の高千穂峡のような深い谷になってしまう。
一方、奥入瀬渓流はもともと奥入瀬渓流近辺は十和田湖よりも水位が高い湖だったが、ごく最近(一万五千年前)十和田湖との境界部分が決壊した結果湖底が地表に現れて現在に至っているとのこと。要するに深い谷を形成するまで侵食が進んでいないレアケースというわけだ。
ということは今は美しい奥入瀬渓谷も何万年か経つと高千穂峡みたいになってしまうということなんだろう。行くなら今のうち。
了