栂尾山高山寺 鳥獣人物戯画を生んだ紅葉の名所

  by 飯島麻夫  Tags :  

< 国宝石水院内部 鎌倉時代創立当時から残る建築物 「石水院」の看板にシロアリに食われた跡(京都、右京区、栂尾町 著者撮影/NikonD750)>

< 後鳥羽上皇(1180-1239)直筆の勅額「ひいでてまづこうざんをてらすのてら」(京都、右京区、栂尾町 著者撮影/NikonD750)>

< 海洋堂の「鳥獣人物戯画」のフィギュア こういうのには弱い(千葉、著者宅 著者撮影/iPhone)>

高山寺といえばなんと言っても国宝「鳥獣人物戯画」が有名で、世界に名高い宝となってしまった今、原本は東京と京都の国立博物館で厳密な空調管理のもと大事に大事に保管されており、本家本元の高山寺にさえコピーしか置いてない。

「京都の片隅」という印象の御室仁和寺からさらに10kmは離れた紅葉の名所として名高い山奥、とはいえ後鳥羽上皇から明恵上人が土地を賜ったのが始まりという由緒正しい静かな古寺で、暇を持て余した僧侶たちに描かれたのが鳥獣人物戯画なのだろうと想像する。同じ山奥でも比叡山延暦寺のような騒がしい寺ではこういうものは生まれなかっただろう。

肝心なのは、確かな技量を持ったいい大人の僧侶が面白がって楽しげな絵巻物を描き、それを面白がった別の僧侶が続けて描き、それらに芸術的な価値を認めた僧侶がいて代々寺の宝物として保存してきた…ということだ。これらは柔軟な頭脳の持ち主だったという明恵上人の志を受け継ぎ、心ならずも仏教の本流から外れてしまった高山寺だからこそできたことじゃなかろうか?

今度来るのは紅葉の時期だろうか?お茶会にも参加したいがそんな時間があるんだろうか?

「人の10倍考える」を信条に色々とやってます。 元銀行員で現在も金融系のIT開発等に携わるフリーランス。JICA国際協力ボランティア(パプアニューギニア)

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