< 写真を撮ろうと追いかけると自動車の下に隠れてしまう野犬(ポートモレスビー、パプアニューギニア 著者撮影 RICOH Caplio)>
< これは豚 大丈夫まだ生きてる(プクプク村、パプアニューギニア 著者撮影 RICOH Caplio)>
最近NHKで知床半島はヒグマの野生生息域で漁をする漁師のドキュメンタリー番組(再放送)を観た。漁を始めて約半世紀もの間熊に襲われたことが一度もないという彼がいうには熊との共存のために自分たちに貸しているルールは…
①決して餌を与えないこと
②熊を見たら睨みつけながら大声で追い払うこと
…なのだそうだ。常日頃から怒鳴りつけることによって人とクマとの力関係を教育していく…ということらしい。
その話を聞いて思い出したのがわがパプアニューギニアの首都ポートモレスビーの街を彷徨く野犬たちのことだ。現地の人たちは誰もが野犬を見かけるとかなり強く蹴っとばす。男性に限らず女性や子供までもが。思うに「野犬を見たら蹴っ飛ばせ」という躾を受けて育ってきたに違いない。当時は「ひどいことをするもんだなぁ」ぐらいにしか思わなかったが…。
知床における野生のヒグマとの共存例を踏まえて考えると、あれって極めて合理的な行動じゃなかったか…と思えてくる。人が彼らにとって危険な存在であることを常日頃から思い知らせておけば、野犬としても安易に人を襲うこともない…というわけだ。言い方を変えれば、パプアニューギニアの人たちは野犬を蹴りながら「生存は許してやるがルールは守れよ」と優しく語りかけているのではなかったか?
というわけで、野犬を見かけたら愛を込めて蹴っ飛ばしてあげよう!今じゃ日本にゃほとんどいないけど。
了