23日夜に中継された『東京オリンピック開会式』(NHK)の裏で、第7世代を代表する天才エリートと、屈折した雑草芸人が火花を散らしていた。それは、TBS系のお笑い特番『ザ・ベストワン』。トップバッターに立ったマヂカルラブリーの野田クリスタルが、霜降り明星に敵意ムキ出しで挑発。両者ともに言い合いとなったのだ。
2組はともに、『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)王者。マヂラブは昨年の覇者、霜降りは2018年、第14回を制している。しかも野田は『R-1ぐらんぷり2020』(フジテレビ系、現『R-1グランプリ』)で優勝し、片や粗品はその前年の同大会の頂点に立っている。
つまりどちらも『M-1』と『R-1』の2冠を獲得しているのだ。残る大きな賞レースはコント日本一を決める『キングオブコント』(TBS系)のみというわけだ。
これについて同『ベストワン』のステージで、司会の今田耕司が「『キングオブコント』を獲ると3冠ですけど、どうです? 意識してたり?」と2組に質問。すると野田は霜降りに向かって、「(彼らは)エントリーの締め切りギリギリまで『キングオブコント』出るって言わなかったんですよ」と暴露。続けて「マジ、ださくないですか? ダサ坊! ダサ坊!」と、あおりまくった。
ただ、霜降りが『キングオブコント』のエントリーが遅くなったことについて、今田は「いろいろ迷って、霜降り明星で会議して、よし行くわって、勝負かけたんや」と、熟考したのではとフォロー。だが野田にとっては、この躊躇していることこそ「ダサい」と考えたよう。
野田は「しかも(『キングオブコント』に出るという)発表のしかたも、ダッサい! しれっとラジオでとか」、「聞いてますよ俺、こっそりコント単独ライブやってるって。コソ練してるらしんです」と、こそこそコントの練習をしていると告発。そして、「“あんまコントやってないのにキングオブコント獲っちゃいました”って言いたいんだろ?」と、責め立てた。
これに粗品は苦笑いを浮かべるばかりだったが、あまりにも執拗な攻撃に、せいやは「この人、言い過ぎなんですよ!」「つまみ出してくれ!」「2回戦で落ちろ!」と反撃。野田は「お前らこそ落ちろ!」と返していた。
野田といえばかつて相方が初舞台の日に失踪したり、ピン芸人として活動するも客から全く売れ受け入れられずアンケートでボロクソに叩かれたり、2017年、マヂラブとして初めて決勝進出した『M-1』では上沼恵美子に酷評されて10位に終わるなど辛酸をなめまくってきた。
一方、後輩の霜降りは第7世代の旗手としてレギュラー番組も多数。長らく下積みを経てきた野田が、エリートとして活躍する霜降りに対して嫉妬心を爆発させるのも無理はないだろう。野田が秘める、怒りにも似た激しいモチベーション。この後の活躍、さらに霜降りとの『キングオブコント』対決の行方も楽しみだ。