気が滅入る日々にちょっといいモノを集めてゆったり「フルーツティー」はいかが?

  by 古川 智規  Tags :  

巣ごもり、緊急事態宣言、まん延防止等重点措置等々、この1年でイヤというほど聞いた単語だが、誰のせいでもなく仕方のないことではある。そうはいっても気が滅入るのは確かで、もしかしてゆっくりとお茶を味わうことすらも忘れ去っているのではないだろうか。
お茶を飲むといってもお茶にもさまざまな種類があり、入れるものも茶器もそれこそ選べばキリがない。そこで記者がちょっといいモノを集めて勝手にコラボさせて、楽しくゆったりとした心を取り戻す「フルーツティー」を作ってみたのでお好みの物があれば参考にしていただきたい。

神戸紅茶

まずはお茶がなければ始まらない。今回は紅茶にした。数あるブランドの中で日本有数の歴史を誇る「神戸紅茶」を採用した。創業は大正14年。90年以上の歴史に裏付けられた日本ブレンドの銘茶は、決して高級すぎて買えないという値段ではないのでご安心いただきたい。
同社にフルーツティーにしたいのでおススメはと取材して得た回答は「アールグレイ」と「NO.27 オリエンタルアフタヌーン」だ。
アールグレイはベルガモット独特のアロマとフレーバーがある、紅茶に詳しくない方でも知っているおなじみのブレンドだ。一方、オリエンタルアフタヌーンはインドのダージリンと中国のキーマン(祁門)のブレンドで、いかにも東洋的で日本人好みのクセのないすっきりした紅茶だ。

石塚硝子

茶葉が決まれば次はお茶を抽出するティーポットとティーカップだ。やはり中が見えるようなガラス製品が見た目にも美しく良いと考えて、石塚硝子の製品を採用した。数がありすぎて選ぶのに苦労したが、値段が手ごろで見た目も機能性もという欲張り要求で同社に取材したところ、いくつか良さそうな製品を見せてくれた。同社のルーツは文政2年で時の将軍は11代徳川家斉の治世だ。
総ガラス製のティーポット(写真中央奥)はフィルターまでガラス製なので、その気になれば電子レンジに入れることも可能で、見た目にも茶葉からお茶が抽出される様子を目にすることができる。カップ&ソーサーはカップがガラス製で皿がステンレス製の珍しい組み合わせ。そして一人暮らしやリモートワークの場で活躍しそうな、「ポットもカップも全部兼用!」というフィルター付きの二重グラス(写真右手前)など面白そうな製品があった。

日仏貿易・マテルネ コンポート

フルーツティーなのでフルーツを入れなければならないが、フレッシュフルーツを用意するのは面倒だし値段も気になる。かといってジャムではフルーツとは言いにくい。そこで日仏貿易が輸入販売するベルギー産の「マテルネ コンポート」を採用した。
コンポートとは果実を煮て作るがジャムとは違い糖度は低く、フルーツがそのまま入っているので食べ応えがある。それほど甘くないジャム代わりにも使えるが、ヨーグルトやお菓子の材料にも最適だ。意識の高い主婦に取材したところ「ヨーグルトにもいいですが、私はそのままスプーンですくって食べますよ。炭酸水に入れてもいいです」と活用方法を教えてくれた。マテルネ社は欧州のフルーツ加工プロフェッショナルメーカーで、日仏貿易が日本での販売を担当している。こちらも種類により異なるが概ね500円前後で購入でき、12種類もあるので複数のフルーツをそろえてフルーツティーを楽しみたい。同社にフルーツティーに使いたい旨を告げて取材したところ、4種類のコンポートを見せてくれた。

ののじ・ティースプーン

最後はティースプーンだ。ののじブランドのカトラリーは何度も取り上げているが、今回は幼児用の離乳食スプーンにした。写真の2本のスプーンは同規格のものでまったく同じ形である。ステンレス製は高品位の18-8ステンレスを使用している普及品である。上のピンクの物はセラミックス製の「離乳食セラミックスプーン・ECO Baby」で、こちらは生涯使える高級品。セラミックスとはいえその辺の陶器とは違い、2階から落としても割れたり欠けたりはしないジルコニアセラミックス製。耐熱性も抜群で素材単体での耐熱は摂氏2700度にも及ぶ。まったく同じものではないせよ、宇宙船の外壁に使用されているのもセラミックスといえばお分かりだろうか。本来の目的は赤ちゃんが離乳食を食べやすいような小さなものだが、自分が離乳食で使用したスプーンを大人になってからティースプーンとして使用し、生まれた子供にまた離乳食スプーンとして使用するといった、代を重ねての使用に耐えうるものなのでプレゼントや自分用として持っておいて損はない。ちなみに純金製や純銀製もあるのだが、貴金属価格は高いので記者の財布事情ではおいそれと手は出せず、どちらかというと赤ちゃんへの財産贈与の域なのかもしれない。参考までに純金製は88万円。

フルーツティーをいれる

神戸紅茶2種類をティーポット2種類に入れてお湯を注ぐ。
写真左側はお湯を注いでフィルターを外せば、そのままグラスになり、二重ガラスなので持っても熱くなく熱も逃げにくいので長い時間熱いお茶が楽しめる。
茶葉は前述のとおり、それぞれのブレンド特有の香りがこの段階でするので、抽出する前に茶葉の香りも楽しんでいただきたい。

右側のポットはフィルターを含めて総ガラス製なので、完全シースルーだ。ガラスにスリットを入れてフィルターにしているので、茶葉の様子がよく見える。
左側のグラスのフィルターはフタをひっくり返せばフィルター置台になっているので、その場に置いておいても邪魔にならない。

コンポートはパイナップルとカシスを選択した。ゴロっとフルーツが入っているのでお茶の最後は底に沈んだフルーツを食べるという楽しみ方だ。適度な糖度とフルーツの酸味が楽しめる。ジャムをなめながら紅茶を飲むとロシアンティーになるが、今回はフルーツをコンポートにして一緒に混ぜるフルーツティーだ。つまり紅茶にはコンポートしか入れない。砂糖も入れないが、甘めが好きな方はコンポートの瓶にたまっているシロップを少し多めに入れればいいだろう。

離乳食スプーンをティースプーンとして紅茶を混ぜて、あるいは底のフルーツをすくって食べるのに使用する。フルーツを入れるので多少は濁るが、フレッシュな酸味とフルーツの甘味だけで紅茶のフレーバーを作り上げるので、フルーツの色として楽しむことにする。カシスコンポートを入れた紅茶は赤紫色に染まり、紅茶の持つフレーバーとカシスの酸味と香りがマッチする。ちなみにカシスとはフランス語で、日本語ではクロスグリ。この色は抗酸化物質のアントシアニン由来の物でブルーベリーでもおなじみだ。またビタミンCが豊富なことでも知られる。

どのようなスタイルでも紅茶を入れること自体は難しくないので、見た目と簡単さと美味しさで勝負といった感じだ。
現在のような心すさむ我慢の日々を過ごすには見た目も重要だ。目で鮮やかな紅茶の色や茶器やカトラリーのデザインを、鼻で茶葉やフルーツの香りを、舌でフルーツティーの味をそれぞれ楽しみながら過ごしていただきたい。

ここ数年でいつしか「癒し」という言葉がトレンドのキーワードになったような気がするが、今のような時期こそ「癒し」を自分で作り出さなければならないのだろう。
今回は記者が勝手にコラボしたが、これらの製品を参考にして自分だけのセンスやライフスタイルに合わせて、あえてゆったりしたお茶の時間をとり、ひと時の非日常で心を静めてみてはいかがだろうか。

※写真はすべて記者撮影

乗り物大好き。好奇心旺盛。いいことも悪いこともあるさ。どうせなら知らないことを知って、違う価値観を覗いて、上も下も右も左もそれぞれの立ち位置で一緒に見聞を広げましょう。

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