ドイツ生まれの「クリエイティブバッグ」ブランド『SALZEN』が日本初上陸!一番小さいデイパックを使ってみた

  by 古川 智規  Tags :  

ウエニ貿易はドイツ生まれの「クリエイティブバッグ」ブランドである『SALZEN(サルゼン)』の正規輸入取り扱いを開始した。
用途に応じて各種大きさのものを取りそろえているが、今回レビューするのは最も小さく普段使いのバッグとして重宝しそうなデイパックカテゴリーに入る「SAVVY」だ。
価格はデザインやカラーにより異なるが、記者が使用したのはPhantom Blackで税込み27500円と少し値は張る。しかし価格に見合った使い勝手と技術が盛り込まれた本品の魅力を実際に記者が体感したのでレポートする。
使用形態は3パターンと言えるだろう。まずは上部の取っ手をもつハンドバッグとして、腕を通して背負う背嚢(リュックサックやデイパック)として、背の部分に引き通し用の素材が付いているのでキャリーバッグ等のハンドルに本品を通してサブバッグとしてとさまざまなパターンで使用可能だ。
大きさは縦47cm×横29cm×マチ幅14cmで、容量は15リットルとデイパックとしてはかなり大きい。本体質量は845グラムだ。欧米サイズのこの大きさならば、日常での使用はもちろんのこと1泊程度の出張や旅行には十分だろう。どれくらいの物が入るのかは後述する。当然だが航空機利用の際の機内持ち込み手荷物としては許容範囲内である。ただし中に入れる荷物はかなりの重量まで耐えられる設計なので、国内線LCCの利用であれば概ね7kgが無料で機内持ち込みできる上限のキャリアが多いので詰め込みすぎには要注意だ。
今回は記者が取材に行く際の機材を全部詰め込んで検証してみた。例えば芸能取材のような写真が命の取材の場合は、カメラ本体はもちろんのことレンズも2本、動画収録用に外部マイクやラップトップ(ノートPC)も入れるのでかなりの重量になる。入れることはできてもカバンや体が持たなければ実用にならない。若干厳しい条件だが、記者仕様の視点で使ってみたのでそれぞれのライフスタイルに重ね合わせてご覧いただきたい。

では本体外側から見ていく。
外ぶたに当たる部分にはポケットがあり。ここにはA4サイズの書類が横にちょうど入る大きさだ。ポケットのファスナーは横いっぱいまで開きA4サイズの書類や薄いマガジン程度なら横向きに入るが、閉めると両端がカバンの形に沿って湾曲するので厚みのある書類や雑誌では無理がある。クリアファイル数枚程度なら問題ないので、よく取り出す書類やスクラップしておく薄手の紙片を入れておくのにちょうどよい。
旅行目的であれば旅程表やボーディングパス(搭乗券)、乗車券類、レシートや領収証、ペンフレット等、旅の思い出になるものを含めて入れておくのに便利そうだ。

外側下部には外部からアクセスできる横に細長いスペースが確保されている。このスペースは内部とは完全に分離されており外部のこのファスナーからのみアクセス可能だ。しかし容量は内部スペースとの共有になるので、ここに詰めた分は内部の容量を消費する関係である。メーカーとしての想定は靴を入れるスペースだろうと思われる。特に女性の場合はヒールやパンプスあるいはスニーカーを同時に持ち歩くことにより行動範囲を広げることができるだろう。
記者の場合は分離されたスペースを活用して、折り畳み傘とノートPCの予備バッテリー、マウスとケーブルを詰めた。仮に傘を使用した場合には濡れているので、ここは使用済み傘だけのスペースになる。バッテリーやマウスは内部スペースにお引越しとなるだろう。

本体を横から見てみると、左上から右下にかけて斜めに開いているのがわかる。これは上部は大きく開口し物の出し入れがしやすいような設計で、かつ全開しても開ききって垂れ下がらないようにマチが付けられているのが親切だ。大容量バッグは概してガバッと全部開いてしまうケースが多いが、それだと旅行の際にホテルで荷造りをするにはいいが空港で必要なものを取り出すのに公衆の面前で荷物を全部さらすことになり、特に女性はいい気がしないだろう。その点でも親切設計と言える。
また荷物の重心を下にもってきて安定性のあるものを入れれば写真のように自立させることも可能だ。

開いた本体の背に当たる部分である。ここにはA4サイズのノートPCがすっぽり収まっている。その内側にもポケットがあるが、タブレット端末でもケーブルでも必要なものをしまい込むことが可能だ。このPCが入るポケットは16インチサイズまで収納可能なので、たいていのノートPCは持ち運ぶことができるということになろう。

開口部内部の外側にも小さなポケットがあり、記者はここにパワーバンク(モバイルバッテリー)、VRカメラ、ケーブル、ペン類等を詰めてみた。
ファスナーが付いたポケットと伸縮性のある絞りが付いたポケットの両方があるので、用途に合わせて入れるものを区分すると良い。

そういえば外側にはもう一つシークレットポケット(隠しポケット)がある。
底部にファスナーがあり、底に小さなものを入れておくことが可能だ。ここには特にセキュリティーを考慮して海外旅行中の旅券や航空券等の取り出すべき場所がほぼ決まっていて大事なものや、旅行中は使わない家の鍵等をしまっておくと良いだろう。いくばくかの現金をここに忍ばせておくのもOKだ。最近はあまり使用されないがT/C(トラベラーズチェック)を収納しておくのにもちょうどいい大きさだ。
普段使いでは外部からのアクセス性の良さを逆手に取り、ICカード乗車券や名刺入れを入れておけばカバンを開かなくてもさっと取り出すことができる。ICカード乗車券の場合はカバンを改札機にかざせば取り出す必要すらない。

さて、本品の素材は撥水仕様になっているので雨に降られても問題はない。もちろん外側は濡れはするがタオルでひと拭きすれば生地に水分がしみ込むことはなく元通りになる。
しかし問題はファスナー部分だ。素材は撥水で大丈夫でもファスナー部分から水が浸入し内部が濡れ、あるいは水シミができてしまったという経験をお持ちではないだろうか。

本品のファスナーは防水仕様なので内部に水が浸入することはない。ファスナーを開く前にタオルで拭いて水気を切れば安心して開くことができる。

本品に詰め込んだものを全部取り出してみたのがこの写真だ。
これでも容量としては、まだ入るだけの余裕はある。しかしカメラボディ、レンズ2本、ノートPCですでに重量は5kgをゆうに超えており、手に持つとかなり重く感じる。カメラバッグでストラップをたすき掛けにしてもかなりの負担を感じるほどの重量だ。

身長163cmの女性に背負ってもらった写真だが、見た目にはデイパックというよりも日本ではリュックサックのカテゴリーに近い。この重量で背負ってもらった感想を聞いてみた。
「背あての部分がしっかりしていて固いので背中にも重量が分散されてさほど重くは感じないですね。私が使っているデイパックはショルダーストラップと背中の部分にクッションが付いていますので良いように思いましたが、クッションの部分だけに重量がかかるのでかえって肩に重点的に負担がかかり、夏はそこから汗をかくので困ったところです。これはクッションが付いていない代わりに素材が体にフィットするのでストラップも含めて体に触れている部分全体で重量を受け止めている感じがして楽で良さそうです」とのことだった。
確かにストラップは幅はあるが厚さはあまりなく体にフィットする素材なので、掛かった重量による衣類のシワは付きにくい。また肩からわき、横腹までピッタリとくっついて重量を分散している。このストラップは15kgまでの耐荷重を持っているが、5㎏の米袋3つ分を常時持ち歩くことはないので必要十分すぎる設計だ。背当てもクッションではなく若干硬い板状になっているので背中にも重量がきちんとかかり、肩だけで重量を受け持つことがないように考慮されている。

余計なものは極力省いてシンプルなデザインにすることにより、飽きのこない長く使える機能性重視のバッグになっている。その点ではドイツ生まれらしい実用性とデザインをうまく両立させたどんなシーンにも使えるデイパックだ。
SALZENブランドには旅行用のバックパックもるので、航空機に搭乗して出張する機会があれば別途レビューをしたい。
安心して旅行に行ける日はまだしばらく来そうにないが、普段使いのバッグを新調し来る旅行に備えておくのもストレス解消になるだろう。体験型店舗「b8ta」の新宿・有楽町の両店で実物を手に取ることができるので、通勤・通学で通りかかる際には立ち寄って試していただきたい。

※写真はすべて記者撮影

乗り物大好き。好奇心旺盛。いいことも悪いこともあるさ。どうせなら知らないことを知って、違う価値観を覗いて、上も下も右も左もそれぞれの立ち位置で一緒に見聞を広げましょう。

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