宝酒造は「タカラ本みりん」と「タカラ『 料理のための清酒 』」を使用した日本一のレシピを決定する「タカラレシピコンテスト 2021」を開催しているが、その記者発表会を取材したのでレポートする。
本発表会ではぐっち夫婦考案の「タカラ本みりん」と「タカラ『料理のための清酒 』」を使用した「よい夫婦の日」にちなんだ 夫婦で一緒に作れるレシピをギャル曽根さんが実際に調理した。
最初に登壇した同社の清水隆広・商品第三部長は、同コンテストの開催により「みりん」のことを知ってもらい外に出る機会が減っている中で自宅で料理をする人が増えている現状にかんがみ、料理に生かしてほしいとの願いを語った。
服部学園の服部幸應理事長は、江戸時代における「みりん」の立ち位置に触れながら「本来は飲むものだった」と語り、まったく時間が足らない様子で、持ち時間1分前で巻きが入って(予定時間を過ぎているので急いでくださいの意)も熱くみりんの使いようについて語った。
和食割烹「 祇園さゝ木」の佐々木浩さんは、饒舌な服部氏の後ということもあり、口下手なのでと断りを入れるもなかなかどうして楽しい口調でプロでもこうしたコンテストから学ぶことは多いと語った。
そして、ギャル曽根さんとともに全員で参考メニューの試食が行われた。
彼女はテレビでもおなじみのとおり大食いというイメージがあるが、このイベントで見せた所作には感心した。通常は限られた時間の中で複数の試食をする場合は一口だけ食べて、あとは下げられるというのが当たり前のことだ。
しかし彼女は皿が下げられるギリギリまで食べ続け、もちろん感想は言うものの、その後も食べ続け完食していた。これは大食いだからとか、お腹がすいているからということではなく、あくまでも記者の想像ではあるが「出されたものは全部食べる」というポリシーではないかとさえ思った。仮に普通の人が全部食べてもそれほどの量ではないのだが、一生懸命に食べる姿は彼女の料理に対する考え方なのだろうと思い、それゆえに審査員としてふさわしい同社の人選は正しいものだと感じた。
ぐっち夫妻は試食の感想は言いつつも、ギャル曽根と共同で調理をする際に、傍らにプロ2名がいることに恐縮しまくっていた。
さまざまレシピについては同社の特設ページに多数掲載があるので参考にしていただきたい。
砂糖を使わず照りを生かした鍋を作ってみた
さて、記者も応募するわけではないが何か特徴のあるものを作ってみようと考えて、テーマをほとんどの食材をスーパーの「見切り品」にしてみた。よって材料を選んで買うのではなく割引になっているものを買うという手順だ。
味付けされた鶏肉、塩鮭の切り身、イカゲソ揚げ、鹿児島直送のさつま揚げ、からし蓮根、焼きそば用のもやしとキャベツ。寺領は以上だ。
塩鮭はあらかじめ「タカラ『料理のための清酒』」を振りかけてしばらく置いておき、電気グリル鍋を熱して「タカラ本みりん」を掛けながら焼く。これで照りが付く。
続いて味付けされた鶏肉にも「タカラ本みりん」を振りかけながら焼いていき、そのソースが残っているところにさつま揚げとイカゲソを入れて少し熱する。
そこに粉末の昆布だし、水、九州産の甘口の醤油を少し、「タカラ本みりん」と「タカラ『料理のための清酒』」を入れて沸騰させる。
ちなみに「本みりん」とはもち米に米麹を混ぜて、焼酎や醸造アルコールに漬けて熟成させたものだ。よって糖化はするが最初から高アルコールに浸してあるのでアルコール発酵はしない。この糖化で得たお米の甘さが本みりんの秘密だ。一口舐めても甘くて非常に美味しい。この点は服部理事長が語った通りだ。正月のお屠蘇も桃の節句の白酒も本来はみりんから作るのが正式だ。よって最終的なアルコール濃度は14%程度になる本みりんには酒税が課税されているのだが、その威力は計り知れない。
さらに野菜を投入して後は鍋料理の要領だ。この状態で食べて、残った出汁にご飯を入れて沸騰させ、火を止める間際にからし蓮根を入れて少し温めれば雑炊の出来上がりだ。あまり熱しすぎるとからし蓮根からカラシが出てしまうので温めるだけにしたい。
1000円くらいで2人前はたっぷりできる。その気になれば翌日に具材を追加してもう1回鍋ができるので経済的だ。
何よりも、見切り品の鮭の生臭さを料理酒が消し、みりんで付けた照りと少し焦げた糖分で味が出るので、色は真っ黒で見栄えはよくないが辛くはない。砂糖を使っていないがキャベツやさつま揚げの甘味や、みりんのおかげで少し甘めに仕上がる。
こんな料理をコンテストに出すことはしないが、毎日作る方はもちろんのこと、一人暮らしの方でも簡単に一工夫で持続できる自炊にチャレンジしてみてはいかがだろうか。
※写真はすべて記者撮影