『ケアソク』という日本製の機能性ソックスで角質が1日でなくなった!嘘のようなホントの話

  by 古川 智規  Tags :  

季節がら新年度で少しずつではあるが外出機会が増える傾向にあり、今まで巣ごもりで裸足で家にいたのとは足の環境も少しは変わってくることだろう。学業や経済活動、1年以上にもわたる巣ごもりから来るストレス等々理由はさまざまだろうが、いずれにせよ新生活の季節なので自己の意思にかかわらず、そうせざるを得ない状況もあるだろう。

そんな足の環境が変わる今の時期に試していただきたい、新潟県加茂市の株式会社山忠が開発販売する『ケアソク』というシリーズのソックスを取り上げる。
同社では足の専門家と共同研究を重ね科学的根拠に基づいて靴下ブランドの機能設計を行っている。そのコンセプトは「予防科学」である。「足が疲れやすい」「かかとがカサつく」など日常的な悩みの解決だけでなく、足本来の機能を引き出すことで身体の不調を未然に防ぐ靴下を目指すという。同社ではこのブランドを従来の靴下の概念を超えた「FOOT HEALTH WARE(フットヘルスウェア)」と位置づけて開発を行っている。
このシリーズの中から2種を試してみたのでレポートする。なお、試用レポートの内容は記者個人が実際に使用した感想であり、万人がそのようになるわけではなく、個人差があることはあらかじめお断りしておく。

ケアソク「ととのえる」

ケアソク「ととのえる」は、足の指を正しい位置に導くことにより正しい接地面を確保し、もって足裏を効果的に接地させた理想的なバランスでの歩行を目指す。
写真はその接地面だが、立体構造になっているのは一目瞭然。さらにソックスの中はさらに複雑に作られており、5本の指が入る位置が中で指定されている5本指ソックスである。無論、外からはわからない。これにより足指全体を固めつつ、1本1本は適切な位置で動くような構造になっている。
かかとの部分の立体構造は、ハニカム構造になっている。ハニカムとは多面体の集合で、構造材を節約しつつ強度を持たせる構造のことで、正六角形が最も効率が良いとされる。わかりやすく言えばハチの巣の網目がこの構造であり、柔らかい蜜ろうを原料に強固な巣を作る。この構造は航空機や新幹線のような強度と軽量化が必要な一見矛盾する特性を実現するために採用されるが、金属板を厚く重ねるよりも溶接部分が多くなりそれだけ高度な技術を要しコストがかさむ。その構造を繊維とはいえソックスに惜しげもなく使用しているのだから利点は享受できるが、作りは複雑になっている。

同社が出願し登録された特許庁の登録実用新案公報によると、要旨「外側面部のみを膨らませ、内側面部は縮むように六角形状編み部を複数連接する踵保護部をハニカム構造にし、歩行時の人体の衝撃力を均一に吸収しクッション性を高め、踵保護部の損傷を減じた靴下を提供する」となっている。
要するに、体重が掛かるかかとの部分をハニカム構造にして衝撃をこのクッションで吸収して保護する靴下だということである。

実際にこのソックスをはいて1日活動してみたところ、体重の移動に伴って足指から外反部からかかとに接地面も移動しているのが伝わる。しかも最も体重が掛かるであろうかかと部はこのハニカム構造のクッションのおかげで、快適に歩くことができるので立ち仕事や歩く距離が長い方には最適だと感じた。記者が試用したのはベーシックという普通のソックスタイプだがカラーは6色あるのでシーンに合わせて選ぶことができる。また丈がくるぶしまでのウォーキングタイプは5色ある。

ケアソク「うるおす」

ケアソク「うるおす」は、その名のとおり足をうるおす目的で開発されたソックスだ。特に乾燥したかかと部分の皮膚は体重が掛かるとともに突き固められて、ご存じの頑固な角質に変わる。記者もご多聞に漏れず角質によるがさつきには悩まされている。もちろん医師の処方により尿素クリームを塗布すればいいのだが、クリームはべた付くので寝る前にしか使いにくいという面もある。
そこで本品をはいていれば解決ということなのだが、そんなことができるのだろうか。
よく見ると二重構造になっており、その中には保湿シートが入っているようだ。このシートが直接肌に触れることはなく、洗濯しても保湿力は変わらないという。原理は簡単で、足が持つ水分をかかとの部分だけ逃さずに保湿するというもの。

さて、記者の足裏で恐縮だが、本品をはく前のかかとをマイクロスコープで撮影した写真である。
左側が通常のLEDライトによる露出で、右側が紫外線を照射して撮影したものである。紫外線を照射すると角質がうろこ状になっており、かつ重なって層になっているのが見える。
これがどうなるのか。

概ね本品をはいて10時間経過後に同じ部位を撮影したのがこの写真だ。左右の条件は同様で白色LEDと紫外線照射である。
明らかに普通の皮膚に戻っているのがわかる。紫外線照射写真でも白い部分がほとんどなく、角質が皮膚と一体になっているような感じがする。最も、根本的な治療をしているわけではないので脱いだまま放置して乾燥すると元に戻るのだろうが、少なくとも脱いで半日くらいはこのままだった。また頑固なかかとの側部はまだ角質が残っているような感じがあるので、継続して使用することにより、そこも改善していくだろう。
たった1回しか使用していないのにこの威力にはおどろいた。角質でお悩みの方はクリームや角質除去アイテムと併用しても良いだろうし、ドクターフィッシュに角質を食わせてもいいだろうが、いずれにせよ継続使用で潤いを保つことができるのは確かなようだ。本品は靴下タイプの「うるおす リラックス」でユニセックス、カラーは全5色。かかと部分だけを保湿する指の部分がフリーな「かかとカバー」タイプもある。

足のケアは医学的に重要だという話は以前に別の取材の折に医師に聞いたことがあるが、お悩みの方にはもちろんのこと、健康な方でも予防の観点から手に取ってみる価値はありそうだ。

※写真はすべて記者撮影

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