Ginza Sony Park (銀座ソニーパーク)では、地下3階で全国各地から直送される無添加の物産品や野菜、パンを販売する「かまパン&フレンズ <ナチュラル物産館>」による『銀座フレンズ青空市』が3月28日(日)に開催されたので取材した。このイベントは毎月最終日曜日に開催するので出店店舗も販売物産も同じものではないが毎月行われるので訪ねてみていただきたい。
開催日当日はあいにくの雨模様。しかし、通りがかる人が足を止めたり、わざわざ狙ってきただろうお客さんがそれなりにいて天候に関係なく注目を集めていたことは容易に理解できた。
「銀座フレンズ青空市」は、かまパン&フレンズ <ナチュラル物産館>と交流のあるつくり手や料理人がGinza Sony Parkに集合して、食の「安心・安全」にこだわり大切に作り育てた産地直送の食材や料理を販売する。
要するに、作る人と食べる人をつなぐイベントだともいえる。こだわりの食材を料理人がフードトラックで調理・提供するのだが、その場に集合した素材の魅力を引き出してくれる。
フードトラックで販売するものが会場のメインとなるが、今回販売されたのがこの2品だ。
左のバーガーは「幸福豚のスパイスバーガー」だ。バンズ、パティ、野菜すべてにおいてこだわりの素材が使われている。
写真右のスイーツは「文旦とはちみつリコッタクリームのタルト」だ。後述するハチミツを使い、文旦や他の柑橘類の果汁の方がタルトよりも主張する極めてフレッシュな仕上がりのスイーツだった。
長野県は軽井沢のbocco(ぼっこ)から出店の焼き菓子のみを販売する少し珍しいお店だ。パイやクッキーという本当に焼き菓子だけを売っていたので、逆に目についてしまった。
悩みながらパイとクッキーを選んだ。どちらも甘さはほとんど感じないので、お茶請けにピッタリなものばかりだ。クッキーにはコショウが使われているので、ピリリと辛くしかしぎっしりと詰まったクッキー生地がすべてを受け止めてくれるので、コーヒーでも紅茶でも日本茶でも合う不思議で美味しいお菓子だった。洋菓子でこういう甘くないものをあまり食べたことがないので、男性にもおススメしたい。
かまパン&フレンズ<ナチュラル物産館>では、自慢の食パンを選んだ。この食パンは1斤が妙に重く市販の食パンの1.5倍から2倍はあろうか。しかし大きさは同じだ。ずいぶんと詰まっているのだろう。食べた感想は後述する。
Ome Farmの「生はちみつ」はこのイベントのいたるところで使用されているなくてはならない素材だ。それを売ってるのだから目につかないわけがない。
名称のとおり、東京都青梅市で野菜やハチミツを生産している。よってこのハチミツはすべて東京都で生産されたものである。しかも生なので加熱処理されていない。ハチミツに含まれる酵素はそのままというわけだ。
青梅市とはいえ東京駅からダイレクトで電車が結ぶ地だ。東京都産のハチミツなんて大丈夫なのかと思うかもしれない。その点を尋ねてみると、東京都全体として農薬の使用に厳しい制限があるのでミツバチが集めてくるハチミツは農薬が散布されていない花の蜜になるので、むしろ安心して生の状態で提供できるとのこと。なるほど、東京都は都会だとは言え農業をしている場所は多くあり、人が多く密集する都市なので農薬には厳しい制限があるのは理解できる。それを逆手に安全な場所でミツバチたちに蜜を集めてもらおうというわけだ。
これらのハチミツは人気が高いためすぐに売り切れてしまうという。そのために本イベントのために販売する分を取り分けて売るものがなくなることがないように苦慮したとのこと。
舐めてみると、ハチミツの強烈な甘さ…はなく、じんわりと舌に浸透するような柔らかな甘みと、フレーバーが付いているのではないだろうかと思えるほどのさわやかな柑橘系の味がして、だんだんとハチミツらしい甘味へと変化していく。当然ながら柑橘系の花の蜜を集めているのでそういう味がするのだが、何とも不思議なハチミツだ。
そのハチミツを前述の食パンに塗って焼かずに食べてみた。ずっしりと詰まっているので普通の包丁でも簡単に切ることができる。
ふんわりパンというよりも、モチモチ感が強くパンが重いと感じた通り、中身がぎっちりと詰まっている。よって同じ厚さでカットしても一般的な食パン2枚分はあるのではないだろうか。
生ハチミツの甘さと柑橘系のさわやかさが、ずっしり詰まった食パンにしみ込んで焼かずとも1枚で1食分になった。
そして東銀座にある「bar cacoi」が出張出店だ。ここでは本イベントで出ている素材を使用して各種のオリジナルジントニックを提供していた。
記者は文旦を使用したジントニックを注文したが、文旦のピールがとても良いアクセントで甘くもあり苦くもあり飲みやすいことこの上ない。昼間からこんな飲みやすいジントニックをプラコップいっぱいに飲んでしまうと…と思ったのだが気が付いた時には飲み干していた。
このイベントの最大のおトクな情報はここ、フードトラックの裏手。なんと獲れたての徳島県産のにんじんを直送して無料で配っていたのだ。不揃いや割れているモノ等、市場に出せないにんじんを無料で配っているのだが、形が悪くても味は同じ。しかも徳島の産地から東京直行便で届いたばかりのモノだ。
雨にもかかわらず傘をさして銀座のど真ん中でお買い物を楽しむ姿はスーパーにはない昔の商店街の「市場(いちば)」を連想させる。本イベントの最大の魅力は、生産者や料理人の話を直接聞くことができることだ。よって私たち消費者が不思議に思うことや、知らない情報を得ることができるのが楽しくもあり、わざわざ足を運ぶ価値があると言えるのだろう。
月に1回のイベントだが、銀座、有楽町を通る際には立ち寄ってみてはいかがだろうか。4月の最終日曜日は25日だ。長期予報によると気温は例年より高めだが、変わりやすい春らしい天気になるとのこと。晴れるのを願ってカレンダーに印を打っておこう。
※写真はすべて記者撮影
(4月2日記事訂正 野菜プレゼントについて取材時には来月以降もプレゼント予定でしたが、その後未定になりましたので当該箇所を削除しました。お詫びして訂正いたします。)