井村屋『大豆ミートまん』は肉まんと何が違うのか?言われなければ分からん…

  by 古川 智規  Tags :  

井村屋が発売している冷凍中華まんである『大豆ミートまん』について、同社ではもっと楽しんでもらおうとホームページでアレンジレシピを公開している。
これを作るのは少々面倒なので、今回は大豆ミートまんが従来の肉まんとどのように違うのかを中心に食べ比べてみたのでレポートする。

冷凍状態での肉まん(写真上)と、大豆ミートまん(写真下)とはパッケージの中身から違う。
肉まんは小ぶりのものが4つ入っているが、大豆ミートまんは大ぶりのものが2つ入っている。質量は大豆ミートまんが2個で200グラムなのに対し、肉まんは4個で288グラムと個数のわりに大きくは変わらない。

電子レンジで解凍調理した状態の写真がこれだ。大きさ以外に違いは感じられないが、大豆ミートまんは個包装されているので、そのまま電子レンジで調理しても密封された袋の中で水分が逃げずに水蒸気で蒸しあがるので別途専用の容器やラップを用意する必要がないのはありがたい。

調理したものを割ってみたが、色も香りも肉まんと変わりはない。言われなければどちらが豚肉でどちらが大豆由来なのかわからない。ちなみに左が大豆ミートまんだ。

食べてみた。密封袋の中で蒸しあげたので、食べた瞬間は若干のアルコール臭と風味がするが、これは原材料に清酒が使用されているのと、イースト発酵がちゃんとされている証拠であり、開封して少し蒸らせば消えるので問題はない。
味、食感、具材どれをとっても肉まんとほとんど変わりはないのにはおどろいた。大豆ミートを使用した食材は、たいてい豆腐のような大豆由来の風味がどうしても残ってしまうものだが、これにはそうした味も風味も残っていない。肉まんと変わらない。

もしかして少しは豚肉を使っているのではないかと疑い、成分表示を確認してみたが豚肉はおろか、動物性油脂すら使用していない。
大豆ミートはビーガン食やベジタリアンメニューと思われがちだが、実は食糧問題やエネルギー問題に対する一つの解決策でもある。すなわち精肉を作るのに使用する水や飼料、エネルギーや動物が呼吸で吐き出す二酸化炭素やメタンガス等の温室効果ガスを考えると、大豆を収穫するために必要なエネルギーははるかに少なくて済む。
あと数十億年もすると地球がなくなる前に生物は生存できなくなるので、人類は世代を重ねて宇宙機やスペースコロニーでどこか遠くの惑星に移住しなければならなくなる。その時には肉食は絶望的で、植物を育ててタンパク質を得るしかなくなると考えられている。そんないつのことかわからない遠い未来の話でなくても、地球の人口増加に食糧生産が追い付かなくなる時代はすぐに到来することを見越して代替肉という考え方が出てきたのである。
しかし美味しくなければ今の状況ではだれも食べないし、普及しないと肉よりも大豆ミートの方が価格が高いのも事実だが、これだけ完成度が高いとなると、たまに食べる肉まんを大豆ミートまんに置き換えてみるのも良い選択だろう。高タンパク低カロリーで自身の健康に、また地球環境の改善に寄与できることを頭の片隅においてスーパーで見かけた時には手に取ってみてはいかがだろうか。

※写真はすべて記者撮影

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