裏社会インタビュー:コロナ禍で活況だけど…「パパ活」を使って金を騙し取る男に話を聞いてみた

どうも特殊犯罪アナリストの丸野裕行です。

コロナの影響で、バイトに行けない、会社をクビになった、出勤日数が減ったなどの理由で、《パパ活》を行っている学生や社会人が多くいるようです。

では、《パパ活》とはどういうものをいうのでしょうか? 《パパ活》についての厳密な定義というものはありませんが、一般的には、年上の男性との食事やボーリング・カラオケ・旅行・キャンプをするレジャー、夜一緒に飲みに行くことで、女性がお小遣いをもらえるという割り切った交際のことをいいます。

もちろん、肉体関係というものは含まず、ただ遊ぶだけというもの。場合によっては、手をつないだり、腕を組んだりする体の接触もあるかもしれませんが、夜にベッドを共にするということは無いようです。

しかしこの《パパ活》、金を騙し取る男たちがかなり多く、先日も1千万円という被害総額になったパパ活詐欺師が逮捕されました。

今回は、このコロナ禍で困っている女性を騙すパパ活詐欺師のひとり、K氏(47歳)にその手口について話を聞きました。

《パパ活》するのはリスクが高い

丸野(以下、丸)「若い女性に、パパ活が流行っているようですが……

K氏「こんなものリスクしかないですよ。女性だけじゃなくって、男性側もとにかくリスクが高い。女の子はレイプされたり、金を持ち逃げされたり、騙されて金を取られたりね。男性は、“盗撮された”と脅されたり、美人局に遭ったりして、損しかしない。なんでこんなものが流行するのかが不思議ですね」

丸「いいことなしですね

K氏「パパ活を促す出会い系サイトも、男も女もサクラだらけだから、会えた試しがない。その分ポイントを買わされて、それもムダになるでしょ? “私、今月ピンチなの”って携帯電話料金を気にしないで長話しているのと同じですよ」

丸「Kさんは、ターゲットの女性をどこで見つけるんですか?

K氏「Twitterですね。不特定多数の人間が匿名で投稿している場所が一番です。一番本性が見える。“パパ活してみたい”と書きこんでいる女がいたら、見っけもんですよ。そのまま、ダイレクトメッセージで勧誘します」

周到なその手口とは

丸「どんな手口を使うんですか?」

K氏「ダミーの登録サイトを作っておいて、“パパ活応援サイト『〇〇〇』です。身元がしっかりとしたセレブ男性しか登録していない当サイト! 行き届いたサービスで安全安心です! 当サイトで安定したパパ活をはじめませんか?”というメッセージと登録サイトのURLを送るわけです」

丸「なるほど」

K氏「それで電話番号などを登録させて、データを取ります。LINE登録もさせて、パパ活仲介業者を装って質問を受けつけ、電話で直接話します。パパ活に対する不安や疑問、質問をじっくりと聞いて答えてやるわけです。そうすると、女の子は安心するので、それでこんな話を持ちかけます」

丸「どんな話ですか?」

K氏「“当サイトに登録している男性は富裕層が多く、紹介料が高いので、あなたへの報酬も高額になります。しかし、あなたが何らかの用事でキャンセルしてしまった場合は、当サイトは男性にキャンセル補償金を支払わなければなりません。ですから、キャンセル時の罰金の前払いをお願いいたします。さもないと、ご紹介しかねます”と。すると、女性はお金が欲しくてパパ活しようとしているので、罰金前払いという条件をのんでしまうわけです」

実際に会って返金の含みを持たせる

丸「1人当たり、どのくらい騙し取るわけですか?」

K氏「多いときで100万円程度。平均でその半分ほどでしょうか」

丸「かなり高額ですね」

K氏「若い女の子でも結構貯め込んでますし、実家の仕送りを当てにして生活していれば、その程度は工面できます」

丸「それからは?」

K氏「それから、ウチのグループのメンバーが会って、まずはご飯をごちそうします。それで本当にパパ活の仲介業者が存在するんだ、と信頼させるわけですね。そのときは電車賃程度渡すだけなので、腹は痛みません。それにそのときにフォローを入れておきます。“もし都合が悪くなってキャンセルになっても、僕に入るキャンセル補償金を君に……わかるよね?”と」

丸「なるほど」

さらに騙される《パパ活》詐欺

K氏「《パパ活》をはじめて間もない女の子はとにかく、こちらの言うがままです。簡単なのは、クレカ詐欺。富裕層のセレブ男性を演じるグループメンバーが、“クレジットカードって持ってる? ウチの会社を引き落とし先にして、経費扱いにしておくから、それをちょッと預けてくれれば使い放題にさせてあげられるよ”という甘い言葉を囁きます。信じ切っている女の子は“そんなことができるんだ! すごい!”とうっかり渡してしまうわけですね」

丸「そんなバカな……」

K氏「本当にちょろいもんなんですよ、若い子って。自分が知らぬ間に、限度額までカードを使いこまれて、後日数十万円という請求書が送られてくると。ウチのメンバーは芝居がうまいから、女の子が信じ込んでしまう。上手いんですよ。他にも、預けるだけで年利が十数%付く投資話やネットワークビジネスなど、キナ臭い儲け話を持ちかけて、高額の情報商材や手数料を払わせて、金を騙し取ります

丸「お金が欲しいと困っている相手から毟り取る……若い子相手にヒドいですね」

ほかにもK氏は、その女の子の好みの芸能人などをリサーチした上で「俳優やタレント、アーティストがよく来店するバーがある」と同じ詐欺グループのメンバーが待っている飲食店に誘い出す手口についても語っていました。
首尾よく誘い出せた場合には、詐欺ビジネスの勧誘を行い、支払いローンを組むまで帰らせないそうです。これは、まだ社会経験が豊富ではない学生によく使われるとか……。

既にパパ活をした女性が詐欺に遭う、犯罪に巻き込まれるというケースは数多く発生しています。犯罪の温床にもなりつつあるパパ活に、安易に手を出すのは非常に危うい行為ではないでしょうか?

(C)写真AC
※写真はイメージです。実際の事件とは関係ありません。

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』や『AsageiPlus』『日刊SPA』その他有名週刊誌、Web媒体で執筆。 『丸野裕行の裏ネタJournal』の公式ポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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