中国人マフィアってどんなシノギをしているの?「元蛇頭関係者」に話を聞いてみた

  by 丸野裕行  Tags :  

どうも特殊犯罪アナリスト&裏社会ライターの丸野裕行です。

あなたは日本国内にいるチャイニーズマフィアがどのようなことを生業にしているのかを知っていますか?

そんな中国人マフィアの中でも『蛇頭』という組織の名前を一度でも耳にしたことがあると思います。彼らは、どんなことをシノギにして、どのような風に稼いで活動しているのでしょうか?

今回は、『蛇頭』のことに詳しい元関係者のC氏(40歳)にお話を聞き、それらの組織は日本の中でどのように暗躍しているのかのお話をお聞きしたいと思います。

一番のシノギは〇〇

丸野(以下、丸)「『蛇頭』という組織、名前だけは聞いたことがありますし、イメージとしては、殺しを仕事にしている組織というものがあるのですが……

C氏「違う違う、それは違う。『蛇頭』の基本的な仕事としては、密入国者の斡旋。中国本土での密航者の勧誘、密航船への引率、日本への搬送までを請け負うわけね。船舶と偽造旅券なんかの調達までやってるよ。日本で外国人登録している中国人は、81万3千人。でもね、これは登録者数だからね。実際でいえば、もっと多くの密入国の中国人が日本国内で息をひそめているよ

丸「そんな密航者を『蛇頭』が手数料を取って、手引きしていると?

C氏「そういうこと。『蛇頭』は福建省発のチャイニーズマフィアで、昔から各国への密入国を請け負ってきたわけ。中でも多いのは日本でね。未だに同郷の在日中国人が受け皿になっていて、日本での密航者の受入れや入居できる部屋、仕事の斡旋なんてのをやってるよ。結構広域にね」

丸「住居と仕事の斡旋ですか?」

C氏「こっち(日本)で実業家になって、不動産業なんかを手広くやっている中国人も多いから。密航者だから、割高だけどね。出稼ぎ先の仕事を世話してやって、給料のほとんどをこっちで押さえてしまう。言うことを聞かなければ、ほっぽり出して、警察に通報すれば強制送還になっちゃうわけなんでね。ほとんど籠の中の鳥状態だから

丸「なるほど。福建省で莫大な手数料で出稼ぎ密航者を募って、日本に着いたら飼い殺しにすると言うわけですか

C氏「そういうのは女が多いかな。やっぱり稼ぐからね」

密航ビジネスの儲けは大きい

丸「密航するときの費用というのはいくらくらいかかるんですか?」

C氏「だいたい1人当たり、250万~300万円。密航前に現金で用意して、前払いするのが鉄則ね」

丸「密航前にそんな大金用意できない人はどうするんですか?」

C氏「家族や親族からしっかり取り立てるよ。みんな、日本に渡る家族に密航してもらって、中国の給金では稼ぎきれないくらいの日本円を送ってもらいたいわけだから、少しぐらいのムリはする

丸「貧しい一族の代表として日本へ渡るわけですか」

C氏「そう中国の貧富の格差っていうのは凄まじいから。中国という国は、とにかく富裕層に手厚い。貧乏人は虐げられて、搾取されるだけ。一発逆転するためには、日本で一旗揚げるくらいしかないわけ。でも、時々だけど密航費用の取立てをめぐって、誘拐や殺人につながったことあったね。なんの得にもならないのに、逆上してすぐ殺しちゃうから

丸「ああ……そ、そうなんですか……

C氏「大陸のやり方ってそんな感じだから」

丸「かなりの儲けじゃないですか?」

C氏「そりゃ、昔であれば数千万から1億そこそこね

暴力団と手を組むと成功率がUP

C氏「日本の暴力団と手を組むようになってから、そのシノギの儲けは格段に上がったね。一度の密航で、約3億円くらい。もちろん暴力団と折半になるけど、儲けはデカいね」

丸「なぜ手を組むようになってから、そんなに儲かるシノギになったんですか?

C氏「船。今までは中国船で密航していたけど、海上保安庁や法務省入国管理局等関係機関、沿岸地域の漁師なんかがうるさくて、全国的に水際対策しているのよ。でも、暴力団が用意した日本船籍に海上で乗り換えると、まったくチェックなし。そうなると、いろいろとある密航業者の中でも、確実性が高いからウチを選んでくれるようになる。福建省にはたくさん、そんな業者がいるから」

暴力団が職にあぶれた密航者を犯罪者に仕立てあげる

丸「日本に密航してきた中国人たちは、具体的にどんな仕事に就いているんですか?

C氏「主には飲食業。男は中国料理店の厨房のコックや西成や寿町なんかで肉体労働、女は中国人パブのホステス、中国エステのマッサージ嬢、売春かな。新宿の中国人街では職業の募集も行ってるしね。ほとんど犯罪まがいのものもあって、最近では大麻や合成麻薬を作る工場、偽造パスポートを作る工場での仕事も紹介してる。それは日本の暴力団からの口利きでね

丸「犯罪をやらせているということですか?

C氏「そうね。暴力団と連携した『蛇頭』はどんどん狂暴化してきたとは思う。在日中国人とか日本人のところに押し入って、刃物を使って現金強奪や傷害なんかに手を染めたりする密航者も多いよね。白昼堂々、強盗に入るのも辞さない連中だし、その家の住人に顔を見られればすぐ殺すし、恐ろしいよね

C氏は最後に『蛇頭』が手配する密航についてこう締めくくった。

C氏「まだ、無事に日本に着けばいいけど、死んでいる場合もある。ウチで請け負った密航では、最高で30人くらいが冷凍コンテナの中で凍えて死んでたよ。それに、伝染病が出て数日のうちに数十人単位で死んでいる場合もある。それでも、家族のために日本の地を踏みたがるんだから、切ないよね

(C)写真AC

※写真はイメージです
※こちらの内容は密入国などが行われていたとされる、当時の状況を元に構成されています。現状の社会情勢とは異なる場合があります。

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』や『AsageiPlus』『日刊SPA』その他有名週刊誌、Web媒体で執筆。 『丸野裕行の裏ネタJournal』の公式ポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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