イスラエルMorel社の『Hogtalare』というスピーカーで視聴してみた!

  by 古川 智規  Tags :  

イスラエルのスピーカーブランドであるMorel(モレル)社によって開発されたBluetooth対応のHiFiスピーカー「Hogtalare(ホーグタラレ)」が日本上陸に向けたクラウドファンディングによるプロジェクトを実施中だ。このスピーカーを記者の耳で視聴してみたのでレビューをする。

本品は有線で接続するよりもBluetoothで接続することに重点を置いた現代的な製品で、有線接続もできなくはないがスマートフォンやMP3プレーヤー等との無線接続を想定した製品である。
表面のカバーは物理的にゴムを挿入する方式ではなく、マグネットで固定する方式でワンタッチで取り外すことができる。カラーは4色が用意されている。

電源や音量等の物理的なスイッチはカバーを取り外して行う。カバーを付けていてもインジケーターは見えるのでイルミネーション的なアクセントでもある。ドライバーは6インチマグネットウーファーが1、3/4インチソフトドームツイーターが2という構成だ。内臓アンプは各ドライバーが50Wで総合出力は150Wということになる。重量は7.8kg。

電源はAC110-240Vのマルチボルテージ対応。背面は意外にもシンプルで外部入力のための3.5mmステレオジャックとUSBによるDC5V出力端子がある。最大1Aを取り出すことができるのでスマホの充電はもちろんだが、Chromecast等を接続して音声信号を飛ばすことも可能だ。

本機は1台売りだが、2台購入すればBluetooth接続時に限りワイヤレスステレオペアリング機能が使用できステレオスピーカーにもなるが、今回は1台で視聴した。ダイナミックレンジは36-20000Hz。Bluetoothのバージョンは4.2で音声圧縮コーデックはaptXに対応しているので、Androidでは高音質低遅延での音楽再生が可能だろう。iPhoneの場合はAACになると思われる。もっとも遅延は人間が聞いても大して違いはわからないレベルだが、ゲーム等の映像との同期が必修の場合はWindows10やAndroidの方が快適かもしれない。
記者の可聴域では低音は50Hz付近から、高音は17000Hz付近までは問題なく聞こえた。

非常に簡易的な測定だが、測定器では測定範囲外の予測を含めてほぼスペック通りだと思われる。ただし専用の測定機器ではなく、収音側のマイクや送出側の機器の能力の問題で、あくまでも簡易的なものであることはお断りしておく。なお、双方の機器の周波数誤差は1-5Hz程度に較正している。
また筐体は天面をたたいてみたが、かなり頑丈なもので不正振動や共振とは無縁な造りのように感じた。
機械での測定よりも重要なのは実際の耳による感覚だろう。ほぼスペック通りのダイナミックレンジでの再生を実現しているように思われるが、本機が得意とする周波数域は記者の耳では100-1000Hzあたりだと感じた。これは簡易測定のスペクトラムとも符合する。これはすなわち一般的なヒトが発声する際の周波数帯域を意味する。そう考えると、音楽では特に広い周波数帯をカバーする(低音と高音の範囲が広い)ピアノであっても問題なく、かつまんべんなく強い音圧で迫力のあるストレスのない再生ができるが、テレビやラジオあるいは映画の音声を再生させると人物の音声が特によく聞こえるのでおススメの分野だ。

これほどのスピーカーであれば店舗や会議室等に設置する業務用スピーカーとして使用しても差し支えはないだろう。業務用スピーカーの観点から考えると実売価格3万円前後は激安と言える。一方、家庭用と考えた場合には置き場所や重量も含めてのコストパフォーマンスは個人の価値観によると思われる。大画面のテレビやモニターで映画やゲームを楽しむ方には大迫力の音声が手に入るスピーカーの価格としては安いだろう。
家で過ごす機会が多くなった今の時代には意外にも音の環境というのは大切なものなのかもしれないので、ちょっとぜい沢な音環境を手に入れることを検討してみてはいかがだろうか。

※写真はすべて記者撮影

乗り物大好き。好奇心旺盛。いいことも悪いこともあるさ。どうせなら知らないことを知って、違う価値観を覗いて、上も下も右も左もそれぞれの立ち位置で一緒に見聞を広げましょう。

Twitter: jj6tje

Facebook: jj6tje