「いじり」という名の「いじめ」は時代遅れ? 「大人の笑いが求められる」というぜんじろうさんの見解が話題に

近年、SNSの普及で世論が可視化されるようになり、テレビのバラエティー番組でもハラスメントの抑制やマイノリティへの配慮が浸透してきている。

そんな中Twitterでは、今後は大人の笑いが求められる時代になると予想するお笑いタレントぜんじろうさんのツイートが話題になっている。

https://twitter.com/zenzenjiro/status/1272834030593957889?s=19

「最近、世間が差別やパワハラにうるさくなって、芸人が『面白い事できない時代になったな〜』って言うのをよく聞きます。僕はむしろ逆で、ようやく「いじり」という名の「いじめ」でも、内輪のじゃれ合いでもない、大人の笑いが求められる時代になると思ってます。ま、僕の時代でもないんですけど(笑)」

ぜんじろうさんの言うとおり、お笑い界における「いじり」とはそもそも弱いものいじめとは異なり、対象の魅力を引き出す洗練された芸当だった。それがいつの間にか対象をこきおろすことで笑いを取ろうという、安易なものに堕してしまっていたのかもしれない。これからのお笑い界はあるべき本来の姿に戻るはず……。そんなぜんじろうさんの見解に対し、Twitter上では大きな反響が起こっている。

「本当に『イジリ・嘲笑芸』は、芸に非ず。
神戸市東須磨小暴行傷害教員事件でも、周囲は『“イジリ”が酷い』との言い方をしていた旨、記事で読みました。
人をバカにすることでしか『笑い』を取れない、でもそれで『人気者』を気取る風潮は素人にも広まっているので、撲滅されればいいと思います。」

「ようやく“元に戻りつつある”んじゃないかと感じています
差別やパワハラやいじめみたいなものが『過激』等と称して笑いのネタにされたのはざっくり1980年代からだった様な…
それより前の笑いは概ね“自分を落とす”ものであって他者を攻撃するものではなかった気がします
元に戻るのならば歓迎ですね」

「私も『いじり』という『いじめ』を芸にするのが見ていられませんでした
ここからが正念場だと思います
芸人さんの腕の見せどころだと思います」

「『いじり』という名の『いじめ』
その通りです。
子どもたちにも悪影響を与えてきました。
誰をも傷つけない、暖かく品のある笑いを!
権力を揶揄する風刺はより鋭く!」

筆者としては1980年代、1990年代流の過激なバラエティー番組が廃れてゆくことに一抹の寂しさも感じてしまうのだが、これも時代の流れ。今後のお笑い界がどのような形に進化してゆくのか楽しみにしたい。

※画像はTwitter(@zenzenjiro)から引用しました

中将タカノリ

■シンガーソングライター、音楽・芸能評論家 ■奈良県奈良市出身 ■1984年3月8日生まれ ■関西学院大学文学部日本文学科中退 2005年、加賀テツヤ(ザ・リンド&リンダース)の薦めで芸能活動をスタート。 歌謡曲をフィーチャーした音楽性が注目され数々の楽曲提供、音楽プロデュースを手がける。代表曲に「雨にうたれて」、「女ごころ」(小林真に提供)など。 2012年からは音楽評論家としても活動。さまざまなメディアを通じて音楽、芸能について紹介、解説している。

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