調理時間
炊く前10分、炊けたら2分
材料 2人分
米 1合
大根 好きな量。今回は、5センチぶんぐらいの大根をサイコロ状に切りました。
蒲焼のたれ スプーンなみなみ3杯分ぐらい
作り方
【1】
米をとぎます。お塩をふたつまみ、おまじない程度入れていください。
【2】
大根をお米の上に載せ、蒲焼のたれをまわしかけて、炊きます。
【3】
炊けたら混ぜます。
【ワンポイント】
梅干しを乗っけて食べるのが好きです。
味が足りなかったらお塩で調整を。
●大根めしのお話。
「お料理上手なのに、そんなことも知らなかったの?」
その言葉を聞いたわたしは、微笑みが顔に張り付いたまま、しばらく空気と時間が止まったような気持ちになりました。
彼は、わたしの様子の変化を気にしない様子で、こう続けました。
「うちの母親はいつもこうしてるよ」
そして彼は、火をかけたばかりの大根がはいった鍋に、生のお米をパラパラと放り込みました。
「こうすると大根、すぐ柔らかくなるよ」
彼とはお別れしてしまったのですが
大根を煮るときは今も、袋からお米をかるくひとつかみして、お鍋に入れることは忘れません。
そして、彼の言葉と、会ったこともない彼のお母さんのことまで、思い出します。
「下茹で」のために、米のとぎ汁を使う、ということも当時は知らなかったのです。
母親が作らない料理の食材は、おとなになっても扱い方を知らないものだな、と思いました。
「いまさら」と思って手を付けなかった、基本の料理書を読み始めたのはそれからのことです。
大根を煮るとき、生のお米をパラパラと入れると、
その糠の成分のおかげで確かにすぐに柔らかく煮えてくれます。
「下茹で」の工程が省けるわけですね。
でも、古い大根だとほんのパラパラのお米では、歯が立ちません。
「じゃあ、コメの量を大量にして煮たらいいんじゃない?」と思いついてやってみたら大成功。
ごはんと一緒に炊き込めば、古い大根も、間違いなく美味しく柔らかい大根になってくれます。
大根は、一緒に煮るものの味をなんでもうけとめてくれます。
ドラマ「おしん」の大根めしは、油揚げとお醤油で炊いていました。
作ってみると、えもいわれぬおこげの匂い。匂いがもはやごちそうの素朴で深いごはんでした。
今回は、土用の丑の日で余った鰻のタレを使いました。
タレご飯、大好きなんです。
焼肉のタレごはんもおいしいのですが、鰻のタレごはんもまたいけます。
いろんなうまみが煮詰まったタレをじっくり大根に染み込ませます。
炊きあがると、うなぎは入っていないのになんとなくうなぎの存在を感じさせる豊かなお味です。
おしんのおうちに鰻のタレが余っていたら、これで大根めしを作ってみて! と、ぜひおすすめしたいです。
●おまけ「大根のスープ」
ずっとハマっている「生ハムの切り落とし+具材をお水から煮るだけスープ」。
材料はたったこれだけ↓
じつは、大根を買ったのは、スープにするためでした。
とてもさっぱり、すっきりしたお味で大満足。
生ハム+具材=具材の味によってスープの味が変わるんだなぁ。と毎回感動。
スープも余したので、翌日はお味噌を少し溶いてお味噌汁にしました。洋風豚汁なのかなぁ?
そして、大根を使い切れず、大根めしにしたのでした。
●ごちそうさまでした。