インターネットテレビ『超人大陸』で配信されている“ヤンキー先生”こと義家弘介参議院議員(自民党)の番組『日教組と戦うヤンキー先生の情熱授業』8月27日配信分で、化粧品メーカー・花王が小学校に配布している性教育用副教材『からだのノート』を義家議員が“児童ポルノ教材”と呼んで非難していることに対して、インターネット上で次々にツッコミが入っています。
義家議員は「保護者から事務所に“児童ポルノ教材”が持ち込まれた」として「日教組の圧力で『心のノート』が事業仕分けで廃止され、代わりに学校現場へこのような教材が持ち込まれて過激な性教育が行われている」と非難し「ある市では70%の小学校でこのような“児童ポルノ教材”が使われている」として保護者から教育委員会に抗議したところ「内容に不適切な部分があった」として使用を中止したという事例を紹介しているのですが、番組の視聴者からは「そもそも“児童ポルノ”という用語の使い方がおかしいのではないか」との指摘が相次いでいます。現行の児童ポルノ禁止法における“児童ポルノ”の定義は被写体が「実在の被害者」であることが大前提とされており、昨今では専門家からこの用語自体が認識をゆがめているとして“child sexual abuse management”、つまり「児童の性的虐待記録物」に改めるべきだとの指摘も為されています。純潔教育を是とする立場から問題の教材の内容を「否」として「過激な性教育」と主張するのは一つの政治的立場としては有りとしても、それをあたかも違法なものであるかのようにミスリードする目的で“児童ポルノ教材”と連呼するのはフェアな手法ではないと言えるでしょう。
また、この番組の冒頭で義家議員が竹島の領有権問題を巡って野田首相が韓国に親書を送り、受け取りを拒否された問題を取り上げ「親書を送った。“親しい書”を送ったってことですよ?」と逆上していたことに対しても「本当に元教師なの?」というツッコミが大量に入っています。ちなみに「親書」とは、三省堂『大辞林』第三版によれば「(1)自筆の手紙・(2)天皇の署名のある手紙」のことで、義家議員が言うような「親しい書」という意味ではありません。
花王 ロリエ からだのノート
http://www.kao.co.jp/laurier/karada/[リンク]
画像:『ヤンキー先生の情熱授業』第35回より(配信元:『超人大陸』)