「きをつけの姿勢で弾きなさい」 世界的音楽プロデューサーが感じた日本の音楽教育への違和感

日本の音楽教育のありかたについて危機感を覚えたという音楽プロデューサーのstarRoさんのツイートが注目を集めている。

11月16日に投稿されたstarRoさんのツイートによると、starRoさんの小学3年生の息子さんが小学校の音楽発表会で「アフリカンシンフォニー」をリズムにあわせて体が動かしながら演奏したところ、先生から「きをつけの姿勢で弾きなさい」と注意を受けてしまったという。

https://twitter.com/starRo75/status/1195526391401287680?s=19

「小3の息子が小学校の音楽発表会でアフリカンシンフォニーをやったんだけど、リズムにどうしても体が動いてしまう息子を先生が注意する。きをつけの姿勢で弾きなさいという。狂ってる。日本人の生活から音楽が消えてるって何回か言ったけど、原因はこれかと思うと気が遠くなる。」

「アフリカンシンフォニー」は日本では高校野球の応援曲や吹奏楽の発表曲としておなじみだが、そもそもは1974年にヴァン・マッコイ&ザ・ソウル・シティ・シンフォニーによって発表された躍動感あふれる楽曲。

「Van McCoy – The Hustle And Best Of – African Symphony 」
https://youtu.be/no3hT37YnmY

ディスコナンバーとしてヒットした経緯があり、音楽的な内容や出自を考えれば“きをつけの姿勢”で演奏するのは不自然だという指摘もわかる。

starRoさんのツイートに対し、Twitter上では数多くの賛同、共感が寄せられている。

「え・・・そんな人がまだいるなんて化石ですか
音楽は音を楽しむ物と教えなくてどうする!ですよね」

「自分、昭和生まれ40代おばちゃんですが、小学校(普通の名もない公立)では
『リズムにノって体動かしていい。むしろ遠慮なく動かして。リズムを掴んで。そして楽しんで』
って音楽の先生から言われました。
個々の差もあるかもですが、昔の方が理解あったのかも…。」

「おそらく日本ブラバン文化全体としてそうですね。ノッテル人がいるとアンケートで厳しく注意してきたりする人もいました。」

「ボクはアマチュアですが、オーケストラプレーヤーです。
楽器の演奏において、姿勢は重要なファクターです。
最高の演奏をするには、最適な姿勢を要求されます。
ただし、きをつけの姿勢で演奏できる楽器は、ありません。」

「アフリカンを直立不動って無理でしょ~。コンガやボンゴを直立不動で演奏してたら笑うわ。自然なリズムを否定するなぁ~!!って思います。」

音楽が学校教育のカリキュラムに取り入れられているのは子どもの情操を高めるためのはず。そこに日本の学校教育にありがちな、形ありきの画一的な指導を持ち込むのはいかがなものなのだろうか。

中将タカノリ

■シンガーソングライター、音楽・芸能評論家 ■奈良県奈良市出身 ■1984年3月8日生まれ ■関西学院大学文学部日本文学科中退 2005年、加賀テツヤ(ザ・リンド&リンダース)の薦めで芸能活動をスタート。 歌謡曲をフィーチャーした音楽性が注目され数々の楽曲提供、音楽プロデュースを手がける。代表曲に「雨にうたれて」、「女ごころ」(小林真に提供)など。 2012年からは音楽評論家としても活動。さまざまなメディアを通じて音楽、芸能について紹介、解説している。

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