ツッコミどころ満載!『an・an』SEX特集号を読んだ&観た

  by ふじいりょう  Tags :  

定期的にSEX特集を組んでくる『an・an』(マガジンハウス)。今回は「恋愛禁止」のはずのAKB48からこじはること小嶋陽菜が表紙、さらに「女性のためのDVD」が付いているということで読み込んでみた。

しかし、正直なところ肩透かし感が否めない内容。
こじはるのグラビアは、「無意識のエロティシズム」とあったがそんなにエロくない。2011年の関ジャニ∞大倉忠義や、2009年の向井理はオトコの色気と上気した肌が写真から伝わってくるようで、女性にとっては眼福だったと思われるのだが、今回彼らと比較すると微妙といわざるをえないだろう。

付録DVDは、女子向けアダルトレーベル『SILK LABO』製作という『Love Switch』と題されたもの。 「彼の官能スイッチがどこでON」になるか、がテーマとしているものの、男性視点では「?」がつくポイントばかり。「積極的に手をつなぎにきてドキドキする」という男性の欲求が語られるのだが、デートでは常時キスしたりホテルに行くタイミングを見計っている(はず)。 バーにふたりきりで入るシチュエーションもあるのだが、その時点でお持ち帰りする気される気があるんだから、わざと肌を見せたり触れたりしないでもいいんじゃないか、とツッコミを入れるのに忙しかった
「In the Room」編では、実際にセックスシーンがある。しかし、Hに至るまでの過程が長い! お風呂入っている時点でやる気あるはずなのにじれったいし、ようやくベットいちゃつきはじめたと思ったらそこから裸になるまでの時間のまどろっこしさといったら! 女子向けなら男優さんの細マッチョな肉体をさっさと披露すべきなのに、なかなか脱がない。さらに、行為中も「気持ちいい」しかいわない女優さん。こんなんじゃとてもとても絶頂に達せるとは思えなかった。
総じて、「ムード作り」というところに重点が置かれているのは理解したのだが、「男子に頼らず女子がムードを作れ」というのが透けて見えた。しかし、多くの場合はそういったことをする必要性はなく、合意さえあれば本能のまましたいようにすればいいのではないだろうか?

読んでみて感じたのが、夏目ナナ出演のDVDが話題になった2006年と比較して、SEXをお仕事にしている女性が格段に増えた、ということだろうか。
『女医が教える本当に気持ちいいセックス』著者の宋美玄さんや、『心と体を満足させるセックス』著者の精神科医の高木希奈さん、『女医から学ぶあなたの魅力が10倍増すセックス』の山下真理子さん、ロマンスライターのピンク先生、ラブリーポップ店長の渡辺ゆきこさんといったところが記事に登場してアドバイスをしている。
官能系マンガ&小説ガイドでは、『負け美女』の犬山紙子さんが登場している上、ライターの甲斐みのりさん、AVライターの雨宮まみさん、さらに小説家の山崎ナオコーラさんも名も連ねている。また、グッズ紹介にはあやまんJAPANの3人が登場という具合だ。
「お話をうかがった」相手のほぼ8割というのは、この業界への女性の進出している様子が如実に出ている。これから入り込もうとしている人も数多く、さながら“SEXアドバイザー戦国時代”と呼んでも差し支えない状況だ。

このように、なかなか笑わせてくれる2012年のSEX特集だったのだが、中にはオーガズムに至るまでのステップやレッスン、セックスに関する疑問に対するQ&Aなど、勉強になる点も多々あるので、セックスでお悩みの方は一読の価値はあるかもしれない。多くの書店では、かなりの数を入荷して平積みにしていたので、手にしてみてはいかがだろうか。

マガジンワールド | アンアン – ANAN | 1819
http://magazineworld.jp/anan/1819/

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営。ネット、メディア、カルチャー情報を中心に各媒体にいろいろ書いています。好物はホットケーキとプリンと女性ファッション誌。

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