19日、尖閣諸島の魚釣島に日本人が上陸したというニュースは日本のメディアで大きく報道された。それと同時に尖閣の領有権を主張する中国や台湾の反発も伝えられている。反日デモがもはや珍しくなくなっている中国とは違い、親日とされている台湾のメディアは今回の出来事をどう伝えたのだろうか。
台湾の英字紙Taiwan Newsのウェブ版は日本人が上陸したその日に記事を配信している。内容は、楊進添(Timothy Yang)外交部長が日本側の担当者を呼び出して、日本人活動家の尖閣諸島(台湾ではTiaoyutai Islandsと呼んでいる)・魚釣島上陸に対し、抗議を行なったというところから始まる。領有権を主張している点は中国と変わりはない。
上陸と併せて、戦時中に島の近くで命を落とした人々を追悼するために、日本人の国会議員らが洋上慰霊祭を執り行ったことも言及している。その周辺の領有権争いが、日本、台湾、中国の間で「ここ数年」の間に取り沙汰されるようになったともある。「ここ数年」という言い回しは、この後の内容とリンクしているように思えてならない。
続いて紹介されていたのは馬英九総統の言葉。8月初旬に彼が発表した「東シナ海平和イニシアチブ」は既に日本でも報じられている通り。台湾として日本に自制を求め、領有権に関する主張の違いはいったん棚上げし、平和的手段で問題の解決を探るとある。最後に「海洋資源の探査・開発で協力を」と記されていた。ここが台湾の本音なのかもしれない。
画像: 中華民国(台湾)総督府のトップページより
http://www.president.gov.tw/