小学校時代、すべての授業が終わって下校する前に、「帰りの会」なる時間が設けられていたことを覚えているだろうか。
「これから、帰りの会を始めます」という挨拶から始まり、クラスによっては挙手制でその日あった印象的なできごとを児童が教師に報告するあの儀式。
本来は生徒と教師がコミュニケーションし、情報を共有するための大切な取り組みのはずなのだが、筆者が通っていた学校の場合、チクリやでっちあげが延々と報告される人民裁判のようになり、些細なことや双方に言い分のあることでも教師の判断次第で被告側が一方的にお叱りをうけてしまうことがままあった。
同様の経験をもつ人は一定数いるようで、Twitter上では11月2日に公開されたうさぎのみみちゃんさんの描いた4コマ漫画が大きな注目を集めている。
https://twitter.com/usagitoseino/status/1190422928166281216
【うさぎ】このクラスは私以外にもたくさんの人がいじめに遭ったんだけど、考えてみると悪意を育む機会は数多く用意されていたような気がする。 pic.twitter.com/rTtPhzR4gM
— うさぎのみみちゃん『戦うみみちゃんと不条理な世界』発売中 (@usagitoseino) November 2, 2019
「【うさぎ】このクラスは私以外にもたくさんの人がいじめに遭ったんだけど、考えてみると悪意を育む機会は数多く用意されていたような気がする。」
漫画は、帰りの会で他人の些細な落ち度や集団への非同調をさも大ごとかのように教師へ報告するクラスメートを見た主人公が、これは帰りの会にかこつけた「ボク・アタシの気に入らないこと発表システム」であり、同時に教師にとって都合のいい「相互監視システム」として機能していることに気が付くというストーリー。
その懐かしくもおぞましい内容に、読者からは数多のコメントが寄せられている。
「あったあった・・・
うちの小学校時代も同じようなシステムがありました。
帰りの会の、さらに名指しされた人に対して質問を投げかけれるシステムで『なんでそんなことをしたのですか!教えてください』ってクラスのみんなから糾弾される恐ろしいシステムでした。」「小学校の時は皆一緒が正しいという風潮があって、うちもマラソンは自由参加だったのに、参加しなかったら『皆がするのにしていません』と言われ、先生が、皆がするならしないといけませんと謝罪させられたので、私は今でも団体が苦手。発表した子もなんか正義感を履き違えるので良くないですね。」
「生徒同士が潰しあって先生は楽チン
システムですね」「これとは少し違いますが、保育園の先生に『今日お行儀が悪かった子ワースト3』を帰りの会で発表する先生がいました。先生に怒られ、みんなの前で辱められる2度イヤな思いをさせられるシステムでした。先生に怒られるのはわかりますが、みんなの前で辱める必要はないでしょうに。私は軽くトラウマです」
「似た様な経験はありますけどここまで酷くは無かったな。こうやって見るとコレ教師が第三者の評価者としてクラスを支配するための制度ですね。」
「『今日頑張っていた人』みたいに、プラス面のみを発表して評価するシステムではダメだったのだろうか。」
子ども時代の嫌な記憶というものは大人になってもなかなか完全には消えないものだ。すべての学校で帰りの会がこのような運営をされているわけではないだろうが、繊細な子どもたちにとってどのような意見や感情の引きだし方がベストなのか、教師含め大人たちはよくよく考えたほうが良いだろう。
※画像提供:うさぎのみみちゃん(@usagitoseino)さん