台風対策で窓ガラスに米の字状にテープを貼る行為はかえって危険と注意を呼びかけるツイートが話題になっている。
台風19号が日本列島に迫る中、窓ガラスの補強、飛散防止のためにと各地の家庭では窓ガラスに米の字状にテープを貼る作業がおこなわれているようだ。
しかし10月11日、デザイナーの江宇(Ko Sakai)さんは自身のTwitter上でこの作業が何の意味もないばかりか、かえってガラスの強度を低くし、飛び散る破片もテープによって大型化するので危険であると警鐘を鳴らした。
江宇さんによると5ミリのガラスは元々5400パスカルの圧力に耐えられるのに対し、米の字状にテープ貼った場合、耐えられる圧力は3800パスカルまで下がってしまうということ。またアメリカ合衆国国土安全保障省が発表した災害対策ガイドライン(リンク)にもテープによる窓ガラス補強はまったく意味がないと記されているという。
「僕は絶対貼らないです。
論文が出ており、
5ミリのガラスが耐えられる圧力は5400パスカルに対し、
米文字みたいにテープ貼った場合、耐えられる圧力は3800パスカルまで下がります。
アメリカ海洋大気庁もハリケーンが来た際絶対窓にテープ貼らないよう公告をしています。
誰信じるかは自己責任で!」
「5ミリのガラスが耐えられる風圧
・何も貼らない:5400パスカル
・米みたいに貼る:3800パスカル
・井みたいに貼る:4000パスカル
・全面積貼る:4200パスカル
テープを窓ガラスに貼ると強度が下がるほか、飛び散るガラス破片もテープによって大型化するので、危険度が増します。」
https://twitter.com/sakai_web/status/1182322821373939712
5ミリのガラスが耐えられる風圧
・何も貼らない:5400パスカル
・米みたいに貼る:3800パスカル
・井みたいに貼る:4000パスカル
・全面積貼る:4200パスカル
テープを窓ガラスに貼ると強度が下がるほか、飛び散るガラス破片もテープによって大型化するので、危険度が増します。#拡散希望 pic.twitter.com/6pR2LK4ILj— Sakai 🌐📲 Web系おかま (@sakai_web) October 10, 2019
窓ガラスへのテープ貼りは昔から台風対策として続けられてきたことで、なんの疑いもなく善かれと思って取り組んでいた人が多いだろう。
江宇さんのショッキングな一連のツイートに対しTwitter上では大きな反響が起こっている。
「逆に強度がさがるのか!とてもためになりました。
なお、30年前?のいわゆるリンゴ台風と呼ばれた19号のときは、風圧で窓ガラス割れました。
暴風のなか、窓を段ボールで塞ぐのてんやわんや。」「最近の住宅事情はこの情報でも大丈夫ですけど、築30年とかになると、ちょっと不安になります。ガラスも昔のままだと風圧で割れたりするんで。最悪内側にカーテンやダンボールを立てかけるとかなら防止になりそうですよ。」
「こゆドラスティックな提言は有難いです( ̄^ ̄)ゞ養生テープ何たらかんたらテレビで喚いてるの喧騒ばかりで怪しんでました d(^_^o)ガラスの応力均等分散はストンと納得」
「戦時中のガラス戸と今時分のじゃあ、材質ちがうだろうと。自分は学生時代、まだ校舎が旧陸軍のものだったからその違いとテープ貼る意義がわかるが、今になって何でこんなネタ…」
「これ翻訳したわ。
・窓ガラスにテープを張るのは労力と時間の無駄である。
・テープはガラス強度にわずかしか影響せず、飛んでくる破片に対して防護できない。
・ドアと窓の保護にはシャッターを締めろ。
つまりこれ、この前のリプの「テープを張ったらガラスが弱くなる」とは相反する内容なの。」「誤解されるのが怖くなったので、工場で実際にガラス割ってきました!
米テープを貼ると割れないわけではありません。割れた後、振動や風で飛びにくくなるんです。二次災害の予防に効果があると認識していただければと思います。」
ためになったという感想も多かったが、他の実験結果や資料をあげて反論する意見も見られた。
なお、江宇さんは台風になにか対策するのであれば、窓ガラスと同じ大きさのダンボールや木板、もしくは布やタオルをガラス部分と接触しないように、窓ガラスの枠と固定すればガラスの強度は下がらず飛散防止にもなり理想的であると紹介している。