秋の夜長に「UVレジン」昼間は窓際に放置でOK!帰ったら出来上がり

  by 古川 智規  Tags :  

夏休みも終わり、残暑は残るものの暦の上では季節はもう秋。子供の自由研究は終わったが、それを見てものづくりに目覚めた大人もそれなりにいるのではないだろうか。そこで今回は秋の夜長に気長に創作活動!そんな思いで記者が作ってみたのでレポートする。

クラフトハートトーカイをはじめとするクラフトグループの店舗では、夏休み向けに多くの手芸やハンドメイド商品を多く取りそろえていたが、その中から作るのは簡単だが創作者のセンスがダイレクトに出るので意外と難しい「ガラクタロボ バッグチャームキット」を作ってみた。

本品は必要な部品がそろったレディメイドキットだが、部品の配置に設計図はなく完全に自由。それゆえに作り手の想像力が要求される。いい加減に作っても完成するが、丁寧に作り込めばそれだけアクセサリーとしての完成度が高まるので、油断はできない。

レジンキットに欠かせないのがレジン液だ。UVレジンとはUV(紫外線)を照射することにより硬化する樹脂のことである。
このレジン液は別売りで、同社のオリジナルレジン液「プレミアム UV/LED レジン液」はガラスのような透明感と硬化する際の収縮を極力抑えた使いやすいレジン液だ。今回はこれを使用した。

本体のキットは、ほぼすべてが金属でそれなりの重量がある。完成が楽しみである。

本品とレジン液の他にそろえるもので必修なものはエポキシ樹脂系の接着剤とマスキングテープだが、これは100円ショップで手に入る。あると便利なものは部品をなくさないように入れておくバット、レジン液や接着剤を細かい場所に流す爪楊枝、部品を配置するピンセット、付属の部品をかしめるラジオペンチ等である。UVライトは必修ではないので太陽の恵みを利用することも可能だ。LEDブラックライトがあればそれで代用することもできる。写真の緑色の筒はレイメイ藤井のハンディ顕微鏡DXで、持ち運びができる優れもの顕微鏡だが、ブラックライトがついているので記者はこれで代用した。

早速本体の制作に取り掛かる。袋から出すと台紙がそのまま説明書になっているので、部品を取り出す前によく読んでおく。

まずはロボットの体の部分になる金属製の枠の片方をマスキングテープで覆う。覆った側が裏になる。マスキングテープをきっちり貼っておかないと、隙間からレジン液が漏れて大変なことになるのでピンと張ってから丁寧に隙間なく貼り付ける。

レジン液の中に沈める部品の配置を考える。何をどれだけ沈めてもいいのだが、かなり余計に入っているのですべてを配置するのは難しいだろう。余っても構わないのでできるだけ立体的なイメージを持つと面白いものができる。レジン液はかなり厚く盛ることができるので、部品の重なりがあっても配置可能である。それゆえに二次元配置ではなく三次元つまり重なりや高さの配置を考える必要がある。ある程度であれば部品がレジン液からはみ出しても構わない。あえてそういう配置にするのも一考だ。

まずは土台となる部分を作るために、レジン液だけを注ぎ込む。隙間は爪楊枝で埋めればよい。多少の気泡は手作り感が出るのであっても構わないと思うが、完ぺきを狙う方は丁寧に気泡をつぶしていけばよい。

土台のレジン液が硬化したら、部品を配置してさらにレジン液を盛っていく。立体的に作る場合は階層を何度かに分けて流し込む必要がある。この工程が最も根気を要す。
ちなみに、UVライトは専用のものも発売されているが、記者は持っていないので前述の通りハンディ顕微鏡に付いていたブラックライトで代用した。要は紫外線の成分があればよいので太陽光でも一向にかまわない。太陽光の場合は多少時間がかかるのでホコリが入らないように覆いをかぶせて窓際にでも放置しておけばそのうち硬化している。
コツとしては立体的に作らない場合でも、何度かに分けてレジン液を流し込み硬化を繰り返すことである。こうすることによりかなり厚く盛ったレジン液が均一に硬化するので結果的に美しい仕上がりになる。大人の創作品なので、ブラックライトがあれば話は別だが太陽光でじっくりと「焼き上げる」のであれば、手間を惜しまず何日もかけて仕上げていく感覚の方がうまくいく。

沈んだ部品も宙にとどまり、全体の硬化が確認できるまではいじくりまわさないように根気よく仕上がりを待つ。
本体が完成したら今度は頭の部分にエポキシ樹脂系接着剤で「目」をつけていき、頭部と脚部を同じ接着剤で本体につけるが、接着剤は塗るというよりも穴に流し込む感覚の方が確実に接着することができる。腕の部分はラジオペンチ等でカン(環)をかしめてぶら下げる。
最後は頭部にチェーンをつけて完成させる。

脚部を平行な場所でバランスを考慮しながら接着すると、自立することもできるのでバッグチャームとしてだけではなく部屋のインテリアとしても機能させることができる。
子供向けのキットではあるが、大人のセンスとこだわりで素晴らしい作品を創作してみてはいかがだろうか。満足できる作品に仕上がればバッグにつけるのはもったいないと感じるかもしれない。

※写真はすべて記者

乗り物大好き。好奇心旺盛。いいことも悪いこともあるさ。どうせなら知らないことを知って、違う価値観を覗いて、上も下も右も左もそれぞれの立ち位置で一緒に見聞を広げましょう。

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