今田耕司さんが故・林正之助会長と比較し吉本の現経営陣を批判 「形だけマネしても伝わらない」「トップにいるべき人ではない」

7月27日放送の情報バラエティー番組『特盛!よしもと 今田・八光のおしゃべりジャングル』(読売テレビ)で、吉本興業の一連の闇営業問題について取り上げた。

今回の放送は22日、岡本昭彦社長の記者会見中に収録されたもの。

『吉本興業・岡本昭彦社長の記者会見概要 「宮迫博之さん・田村亮さんの処分撤回」「自身の減俸発表」「パワハラ発言の釈明」など』
https://getnews.jp/archives/2183222/

問題が混迷を極めていた最中だけあって、今田耕司さんはじめ出演芸人たちからは生々しいトークが飛び出した。

今田さんは番組冒頭で岡本社長について

「僕は新入社員から知ってますから。大阪で。我々のマネージャーもしたし吉本新喜劇に我々がいる頃は吉本新喜劇の担当もしてましたし。僕らはある程度、彼のキャラクターはわかってる。」

とよく知った仲であることを強調。「テープ回してへんやろな」という発言については

「吉本の歴史で『テープ』っていうのは非常にですね、昨日今日出た言葉じゃないんですよ。テープとの戦いの歴史がね、何十年も吉本にあるんですよ。問題起こした芸人さんが会社との話し合いでワーッと本音でしゃべる、最終的に懐からテープ出して“今の会話全部録らしてもらいましたのでマスコミに流さしてもらいます”であったり……都市伝説ですよ?我々が聞いてるのは。あとはNGKのロビーに盗聴機があるだとか。もうすごいんですよ、噂が。その流れを経て“テープ回してんちゃうの?”っていうのは吉本(の内輪)ギャグではたしかにあるんです。」

と吉本独特の事情があると一定の配慮をしながらも、宮迫さんらが威圧的に感じたというやり取り自体については「吉本に30年間いて何を学んできたんだ」とその話術の拙さを批判した。

また今田さんは創業家出身で戦前から1991年の死去まで吉本興業に君臨した故・林正之助会長と現経営陣を比較。現経営陣のコミュニケーション能力の低さを指摘し、お笑いに携わる会社の経営者として資質に欠けるのではないかと問題提起した。

「“ファミリー”とか“親”やと思てるとかは林正之助さんとかの流れですよ。それはずっとありましたけど、林正之助はほんまに親でした。だから厳しい言葉も言いますけど、そこに独特のユーモアがあって、そこに独特の愛情があって、ほんまにこっち呼んで、飴あげるみたいに”頑張れよ”とネクタイもらったりとか、ほんまそうゆう人やから(厳しいこと)言われてもそれを愛情やしギャグやとわかるんですよ。だけど今はそれがわからへん。形だけマネしても絶対今の芸人さん、ましてや東京で活躍してるテレビに出てる(芸人以外の)芸能人のみんなには絶対そこは伝わらない。」

「大崎、岡本っていう主流、ダウンタウンさんのマネージャーをやってましたよ。だから我々はそこの、もう若い時から、“オギャー”って芸人なった時からお世話になってる人たちですよ。そういう人たちと一緒にやってきた我々はファミリーかもしれませんけど。それは僕たちには伝わってますけど。でもやっぱり下の子らにはこれはファミリーやってゆうたかて態度でしめさないと。

頑固親父が全然会話もしない、しゃべらへん、なに考えてんのかわからへんって人が急に“俺ら家族やんけ”ってゆうたかて、それは子供には伝わらないよ。それは亮もああなるし宮迫もああなるでしょう。だからそこのコミュニケーションが下手やということは、吉本というお笑いの楽しい会社のトップにいるべき人ではないんじゃないかと俺は思うてもうたんや。だけど”やれることはある”と。やれることはあるなら吉本の芸人のために社長の座を退いてでもなにかやってくださいよと。今回悪かったと思うんやったら一からやり直して、歩兵からやり直してまた社長を目指してくださいよ。」

「ルミネでパッと会った時も“みんな怖がってんで”って俺はギャグにしてましたけど(岡本社長は)“なんでなんですか、そんなことないですよ”と言いながら。それはアドバイスというか、冗談で“みんな怖がってんで。もう来んといてくれ劇場に。雰囲気悪なるから”みたいな冗談を岡本社長に言うても“またまた~”みたいな。“またまた~”って言うのはしゃあないですけど、どこかに響いてくれてたらええなと思ってたよ。“多分、ほんまにまたまたって思ってたんやな”ってゆうたかて、思ってしまいますよね。」

今田さんはかねてより岡本社長には思うところがあったようで、自分なりにアドバイスをしてきたつもりだったという。しかし、今回の問題への対応を見るに、そのアドバイスは岡本社長には響いていなかったようだ。

また大崎洋会長についても、個人的にはその芸人思いな部分を信じたいという気持ちがあるものの、今の若い世代の芸人達からはけっして信頼を得られていないと嘆く今田さん。

「大崎洋っていう人は僕は恩人ですし、ずっと面倒を見てもらいましたし、見つけていただいた方なんで。片隅におった人間を。恩人であることには変わりないですよ。“僕は若い時からこんな夢がある。芸人がみんな食っていけるように。”とかいろんな話を聞いてて、実現できたらいいな、やれればいいな(と思った)。そのために会社も大きくしてるって今もどこか信じたいです。今もそうやって信念は変わらずにやってくれてるはずやと信じたいですけど、これは僕の世代やからです。僕より下の子らと話したら“ここまで誤差があるんだ”って。昨日、品川(祐)と会って話したんですけど“あの世代の人たち、東京の人たちとはここまで会社に対しての気持ちが違うんだ”ってのはあります。それは”信頼できない”ってことです。」

問題発生から1ヶ月を経てなお解決の糸口さえ見つからない現状に、その顔からは少々疲れの色が感じられた。

※画像は『特盛!よしもと 今田・八光のおしゃべりジャングル』公式サイトから引用しました
https://www.ytv.co.jp/tokumori/

中将タカノリ

■シンガーソングライター、音楽・芸能評論家 ■奈良県奈良市出身 ■1984年3月8日生まれ ■関西学院大学文学部日本文学科中退 2005年、加賀テツヤ(ザ・リンド&リンダース)の薦めで芸能活動をスタート。 歌謡曲をフィーチャーした音楽性が注目され数々の楽曲提供、音楽プロデュースを手がける。代表曲に「雨にうたれて」、「女ごころ」(小林真に提供)など。 2012年からは音楽評論家としても活動。さまざまなメディアを通じて音楽、芸能について紹介、解説している。

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