尺の短い動画を共有できるとして、日本のみならず世界中の若年層に支持されている中国製の動画アプリ『TikTok』。その『TikTok』に対し、アメリカの連邦取引委員会(Federal Trade Commission、以下、FTC)は、児童オンラインプライバシー保護法(Children’s Online Privacy Protection Act)に違反したとして、570万ドル(約6億3000万円)の罰金を課していました。
2月27日、FTC及び『TikTok』は、”570万ドルの罰金を支払う”ことに合意したことを双方で発表しています。FTCへの罰金の支払いに合意したのは『TikTok』を運営するmusical.ly, Inc.です。同社は2017年に『TikTok』と合併しています。
Video Social Networking App Musical.ly Agrees to Settle FTC Allegations That it Violated Children’s Privacy Law
https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2019/02/video-social-networking-app-musically-agrees-settle-ftc[リンク]
musical.ly’s agreement with FTC
https://newsroom.tiktok.com/musical-lys-agreement-with-ftc/[リンク]
児童オンラインプライバシー保護法は、13歳未満のユーザーから名前、メールアドレス、その他の個人情報を収集する前に保護者の同意が必要と定めています。しかし、FTCの発表によれば、「運営会社は、多くの子供たちが『TikTok』を使っていることを知っていましたが、13歳未満のユーザーから名前、電子メールアドレス、その他の個人情報を集める際、保護者の同意を得ていませんでした」とのことです。
今回の合意で『TikTok』側は、570万ドルの罰金を支払うだけでなく、13歳未満のユーザーに対しては児童オンラインプライバシー保護法に準拠した対応をとること、13歳未満のユーザーが作ったすべてのビデオをオフラインにすることが要求されています。
単純に中国企業がアメリカの法律に違反したというだけでなく、この背景にはアメリカ政府の中国企業に対する警戒心もあるのではないでしょうか。ファーウェイの件もありますし。
※画像:
https://www.tiktok.com/en/
※ソース:
https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2019/02/video-social-networking-app-musically-agrees-settle-ftc
https://newsroom.tiktok.com/musical-lys-agreement-with-ftc/