七夕の夜、大阪の四天王寺で万歳の流しをしてみた

  by 増田浩紀  Tags :  

七夕の日は様々な祭りが各地でとり行われますが、
大阪では、『2012年七夕のゆうべin四天王寺』というものが開催されました。

これは四天王寺境内に、ライトアップされた笹が道を作るという、
非常に幻想的な、七夕を彩る大阪の風物詩の1つです。

ここに、尾張万歳の演目『三曲万歳(さんきょくまんざい)』をひっさげて、
相棒と2人で流して参りました。

これはどんなものかと言うと、三味線・鼓・胡弓の3つの楽器を持ち寄り、
「おめでた~いな~♪」と祝言性の高いうたを少しばかりうたい、
その後なぞかけや面白い小話などを、楽器の合いの手に乗せて演じる、
尾張万歳に伝わる代表的な演目です。
今回は人数が2人という都合上、三味線と鼓でまわりました。

前日の深夜は大きな雷を伴った豪雨に見舞われ、
開催自体危ぶまれましたが、どうにか朝には止んでおりました。
しかしながら猛烈な湿気で、
湿気に弱い三味線と胡弓は大丈夫だろうかと心配していたのですが、
なんとか夕方頃には湿気も許容出来る程度となり、決行と相成りました。

これも日頃の織姫と彦星の行いのよさゆえでしょうか。

我々は昨年も8日にこのお祭りに万歳の門付けで参加しており、今回が2回目だったのですが、
今年はちょうど7日にお邪魔したこともあり、昨年よりも人出が多く感じました。
これはありがたい!と思ったのですが、
結果は全く逆で、人が多すぎて我々の声・楽器の音が届かない事届かない事…。

最初は休憩用テントの前に案内していただいたのですが、
ここがまた特に賑やかで、まったく声も音も届かず、早々に場所を変更しました。

しかし割と静かな所は非常に暗い!
という事で再三場所を変えるも、なかなかここぞという所には巡り合えず、方針を変更。

休憩用のテントの1つ1つのテーブル近くで、ちょっとずつ短めにネタをやって流していく事にしました。
これでどーにかこーにか聞いていただける状態にはなったものの、
どうも今回は時間がミスマッチだった感があります(我々が行ったのは20時から21時過ぎまで)。

次回可能であれば、昼間に近隣の商店を門付けなどして、
人の空いている落ち着いた時間帯に、境内でゆっくりと演りたいところです。

増田浩紀

大蔵流茂山千五郎家狂言師。 放浪芸の実演、探訪などもライフワークとし、茂山千五郎家ファンクラブ会報にてコーナーを連載中。 2017年にはNHK連続テレビ小説「わろてんか」にも三曲万歳の実演で出演。

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