今年の富士急ハイランドは入園料無料化等のニュースが多い。事前に報道関係者向けに公開された今年の富士急ハイランドを紹介しよう。
今年も社長は涼しい顔してとんでもないことを…
毎回、記者は富士急ハイランドのプレスツアーレポートをしているが、決して富士急ハイランドのファンではない。富士急行の社長のファンであるというのが正確な表現だ。これまで毎年文章で表現してきたが、今年は社長の報道会見を全編動画で紹介する。これをご覧いただくと、社長のファンにならざるを得ないのがご理解いただけると思う。
動画では後述する「絶凶・戦慄迷宮」の報道関係者向けショートカットバージョンを編集して収録しているのでご覧いただきたい。
なお、社長のプレゼンテーションは最初の方は至極まじめな一般的な会見なので、説明と考えて我慢してご覧いただきたい。そのうち壊れ始めるので、是非とも最後まで。
■富士急ハイランド2018プレスプレビュー
https://youtu.be/Rz18Il13wNE
いかがだろうか。記者の表現が決して大げさでないことはお判りいただけたと思う。鉄道会社は変わったことをあまりやらない傾向が強いが、富士急行だけは変わったこと「しか」しない。これもこの社長あってのことだろうというオピニオンを持っている。
富士急ハイランドや隣接するホテル、あるいは近隣の施設や駅を結ぶ無料巡回バスが随時運行されている。当地まで来るのにそれなりの交通費がかかるので、なるべく現地での交通費は抑えたいもの。富士急ハイランドの入園料が無料化するのでなおさらだろう。バスはコミュニティバス等で多用される日野ポンチョなので、座席数は少ないがノンステップであらゆる層に乗りやすい。
リサとガスパールタウン
前回の記事で紹介した「リサとガスパールタウン」は5周年を迎え、季節が変わりテーマカラーがブルーからイエローに様変わりした。当然ながらメニューもイエロー一色になっているので、来るたびに違う風情が楽しめる。
モバイク
中国に渡航したことのある方であれば、そこら中に乗り捨てられた同じ仕様の自転車をご覧になったことがあるだろう。スマホで決済して自転車をシェアするシステムであるが、これが富士山エリアに登場する。
中国ではwechatペイやアリペイ等の銀行口座と紐づけされたモバイル決済手段が必修だが、当地ではwechat以外にも日本人向けに決済手段を用意してあり、スマホさえあればアプリをダウンロードして利用が可能だ。料金は30分ごとに120円。
顔認証で文字通りの顔パス
顔パスが本当に実現する顔認証システムは、フリーパス購入者のみならず全入園者が対象になる。無料とは言えども入退園を管理するとともに安全な遊園地を目指す。
パスの購入者は当該パスのデータも同時に登録することにより、ほとんどの施設で顔パスで利用することができるようになる。
登録にかかる時間はほんの数秒で、施設での顔パス認証に失敗した場合はパスを出せばQRコード読み取りで対応する。
絶望要塞3
社長の説明にもあった通り、いまだに完全クリアできたのが6組16人だけという口惜しさと絶望感しかないトンデモ施設。
記者も第1ステージに挑戦したが、最後の認証機を探し出せずタイムーバーとなってしまった。まことに迷惑な施設だ。
是非とも敵を討っていただきたい。
絶凶・戦慄迷宮 ~収容病棟篇~
毎度毎度、嫌になるというかそもそも絶叫と恐怖が苦手な記者は今回のレビューを丁重に辞退し、アシスタントの女性に丸投げした。それが動画の内容だ。通常コースでは45分から50分程度かかるが、今回は報道関係者向けの短縮コースで約15分のものだった。それゆえ、動画を完全に記憶したとしても順路が異なるので何の参考にもならないことは付記しておく。
あとから聞き取りした内容によると、前回とは全く異なる内容で、スタート段階から異なるので以前の経験は全く役に立たないとのことだった。また、部屋が変わると気温が違い本当い背筋の寒い思いをしたとのことで、五感を完全に刺激する「趣味の悪い」施設であることだけは確かなようだ。心臓の悪い方はおやめになったほうが良い。
スターバックス
第1入園口の正面に現れる控えめな箱物がスターバックスだ。
世界中で遊園地の中にあるのは米国で1例あるだけで、日本ではもちろんここだけ。
メニューは一般のスタバと全く同じである。
あえて外観を控えめにしているが、内部は山梨県産の木材を多用した壁面が広がる。
ほっと一息入れるカフェとして、待ち合わせ場所として、気軽に利用できる新しいスポットとなるだろう。
同店ストアマネージャーの高山真理子さんは「入園無料化によって富士急ハイランドが目的の方ばかりではなく地元の方にも広く利用していただけたらと思っています。富士急ハイランドのスタバが目的地になっていただければいいなと思っています」と述べてくれた。
無料化で文字通りの公園となる富士急ハイランドは市民の憩いの場としての使命も担うことになる。
PICA Fujiyama
富士急ハイランドから車で10分くらいのところにあるPICA Fujiyamaはキャンプ場といえばあまりにも上質なアウトドアリゾートだ。
写真のアメージングドームは天体望遠鏡付きの半オープン宿泊ドーム。
テントサイトは自分でテントを持ち込んで宿泊するキャンプ区画だが、初心者のために貸し出しやレクチャーもあるので本物のキャンプをしたい方は必見だ。ここからの富士山の眺めが最も良いとのことで、全区画が富士山の方向を向いている。
ラグジュアリーコテージはワンランク上のバルコニー付きコテージで、家族連れやグループには最適な別荘だ。
トレーラーコテージは専用に設計されたトレーラーハウスだ。長方形のハウスに機能的に配置された内装は、日本では体験することが難しい非日常空間に宿泊することができる。
富士山エリアに立ち寄ってほしい!
富士急行宣伝部の青柳舞さんは「富士急ハイランドの入園無料化により、同園は最も便利な立ち寄り場所になると考えています。高速道路のインターチェンジに隣接していますので、ここを拠点に富士山エリアを楽しんでいただければいいなと思っています」と語ってくれた。
入園料が無料の大規模遊園地はあまりない。有料遊戯施設を利用する方には大きく違わないまでも、無料なので立ち寄る目的地としては相当大規模なものになるだろう。カフェやレストランあるいは休息場所も多く、サービスエリアあるいは道の駅と考えるとするならばこれほど大規模で収容能力が大きい施設はなく、公園として考えるとするならば地元への貢献度は計り知れないものになるだろう。
この富士急行の英断が等しく地元や観光客に恩恵をもたらすものであることは間違いなさそうだ。
※写真および動画はすべて記者撮影・収録