母の遺品整理に思うことー“母ロス”に苦しんでいるあなたへ……。

  by 丸野裕行  Tags :  

どうも、特殊犯罪アナリスト&裏社会ライターの丸野裕行です。
今年の4月27日に母の訃報を聞いたのは、東京のテレビ出演のために乗っていた新幹線の中でした。

以前から体調を崩しがちだった母のために、実家で同居をすることを決めたのが、昨年の11月。

毎月の通院では異常がなかったのですが、やはり84歳という高齢がたたり、冬場に肺炎を起こしてしまいました。僕自身も同居しているので、母の体調の変化には敏感だったものの、病院に緊急入院。何度か回復するも、そのまま病院で亡くなってしまいました。

仕事がその日に限って多忙で、死に目に会えなかったこともあり、僕の中では後悔と母に詫びたいという気持ちが心のどこかに残り、苦しみ、そうこうしている間に、もう四十九日を迎えました。

そこでそろそろ、母の遺品の整理をしようと思ったわけです。今回は、前回の反響が思った以上に大きく、“母ロス”に悩む方が多いことがわかったので、この“遺品整理”について綴っていこうかと思います。

あえて触れてこなかったこと

母が遺骨になった今、生きていた証を残しているものは、やはり“遺品”でしょう。
どんなものを着ていたか、どんなクセがあったか、どんな趣味だったのか、どんな思いで生きてきたのか……それがすべてわかるのが“遺品”

母の部屋に入ると、やはり長年この部屋で過ごしてきた生活の匂いがあります。
日々一人暮らしをしながら何を思っていたのでしょうか?

愛用していた老眼鏡、万年筆、筆ペン、プレゼントした虫眼鏡、着物、好きだったフラメンコのCD、麻雀ゲームに興じていたプレステ2、お気に入りだったニット、使い古して短くなった口紅が数十本、ブローチ、アクセサリーづくりの道具、孫の写真孫が描いたばあばの似顔絵20年近く前に若くして他界した父が母に宛てた詩集毎日手を合わせていた父の仏壇僕の名刺何度も何度もめくったであろう表紙の破れた家族のアルバム……。

未だに、「ヒロ、今日の晩は何食べたい?」という声が聞こえてきそうな部屋で、黙々と母の遺品を段ボールへ詰めていく作業は、正直胸を締めつけられるような想いがします。

気がつくと、母との想い出が詰まったアルバムの中に逃げている自分がいました。

思い入れがあるものを捨てるつらさ

母が使っていたものを処分するというのは、やはり今まで当たり前にいてくれた母の姿を消し去っていくような気分に襲われます。まるで、母というパズルのピースを一枚一枚めくって捨てていくような錯覚に陥るのです。すべてをずっと置いておくことはできない。

それはもちろんわかるのですが、段ボールやごみ袋の中身が詰まっていくたびに、母のかけらを失っていくような気持ちになります。
しかし、自分がやらなければ、妻や子供は何を処分して、何を保存していいのかわからないわけですから……。

しかし、母が万葉仮名で書いたメモなど直筆のものを処分するのには非常に抵抗があり、僕はひとつひとつの言葉をじっくりと読み込んでいたのです。
中には、亡くなった父へのメモ書きのような手紙や天国に送ったメッセージなどが出てきました。

その中でも僕が注視してしまったのは一枚の和紙に書かれた筆文字。
父へ向けて、自分の孫の七五三祝いに添えた手紙でした。

“お父さん、孫のこの雄姿を見てください。あんなに小さかったのに、こんなに大きく育ちました”

何とも言えない感情と、ひとり暮らしをさせてしまった後悔が波のように押し寄せてきたのでした。

毎日、好きだった番茶と花を供える日々

好きな食べ物があまりなく、ビールが好物だった母。
そんな母の仏壇に供えるのは決まって、宇治の番茶と大好きだったビール、季節の花を供えます。

遺骨に話しかける日ももう60日を過ぎようとしています。

幼稚園の帰りにスーパーに寄って買い物をするのが楽しみで仕方がなかった。
父の帰りが遅かったときには近所のお世話になっているお好み焼き屋さんに連れて行ってくれました。

入学した小学校でいじめられたときにも、体を張って庇ってくれました。

とにかくいうことを利かない僕のために高校の担任に頭を下げて回ってくれました。

遺品整理の心得

肉親を亡くして気が動転していたり、哀しみに暮れていたりするかもしれませんが、いち早く気持ちを切り替えるためにも、遺品整理をすることは非常に有効です。では、ここで遺品整理を行うときの心得をお教えしたいと思います。

≪遺品整理をする上での心得≫
1.肉親が愛用していたもの(残すもの)は、3点ほどに絞る……親は自分のものをたくさん残しておいてほしいとは考えない、子供は自分の人生を歩んでほしいと思っている
2.売れるものは売ってしまう……必要としている人のところに分けることが供養につながる
3.捨てるべきかどうか迷ったときは“保管箱”をつくり、一旦入れておく
4.親族を呼んで、形見分けは四九日以内に行う
5.どうしてもできないときには、遺品整理代行業者へ依頼する……プロの手を借りることで円滑に遺品整理が進む

最後に手を合わせ、母に感謝する

すべてが終了し、がらんどうになった母の部屋。
やはり夜になると、部屋に置かれたベッドの上で、佇んでいるような気がします。

フリーランスのライターなどという根無し草の商売を選んだときも、あなたは笑顔で話を聞いていましたね。

僕はあなたの息子でよかったと思っています。
母さん産んでくれて、育ててくれてありがとう。

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『丸野裕行の裏ネタJournal』や『初めての不動産投資マガジン』などのポータルサイト編集長、文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンデージャポン』、テレビ朝日『EXD44』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、ABC『雨上がりのAさんの話』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』などのテレビ・ラジオなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中!

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