知らない人同士でも繋がることのできるSNS上では、他のユーザーとどのような距離感で付き合うのがいいのだろうか。ある漫画家のツイートが議論を呼び起こした。ホラー漫画家・洋介犬さん(@yohsuken)が、自分のツイートに対して知らない人から“タメ口”のリプライをされたことを4コマ漫画で批判的に描いたものだ。
【再掲】昔描いてすぐ消したネタ。今ならわかるんですよ。「テレビと話している感覚だったんだな」と…。 pic.twitter.com/LIRisqsmkG
— 洋介犬@はずネジ4巻発売 (@yohsuken) 2017年11月12日
この投稿を見た人たちの間で賛否が巻き起こった。
・どんなクソリプであろうと送ってきても構わないのですが最低限話し方に気をつけることはしてほしい
・壁を作らない、フランクで正直なコミュニケーション、良いじゃないですか
・急にタメ口で喋りかけたりする人に失礼と言ってるだけなのでは
・自由にコメントされるのが嫌なら鍵垢にするか、あるいはツイッターに向いてないからやめたらいい
『Twitter』では以前から、フォローしていない人に対してリプライする時に「フォロー外から失礼します」と前置きしてから発言するべきという“マナー”が一部で浸透している。海外では「礼儀を重んじる日本人ならではのネットマナー」と好奇の目でもって紹介される、日本独特の文化だ。中には「無言フォロー禁止」や「無言リツイート禁止」を要求する人までいるという。古くは『mixi』時代の「踏み逃げ禁止」(自分のページに“足跡”を残した人に対して何かコメントしていくように求める)とか、ブログ全盛期の「無断リンク禁止」などと同様に挨拶を求めるこのマナーだが、窮屈に感じる人も多い。
『Twitter』は、基本的に誰でも自由にフォローしたりフォローされたりすることで生まれる“緩い繋がり”を特徴とするSNSだ。わずか140字の「tweet」は「つぶやき」すなわち「ひとりごと」と意訳され通用している。実名主義を掲げる『Facebook』とは対象的に、匿名(より正確に言うとコテハン)での利用も厭わないため、『2ちゃんねる』およびそのまとめサイト利用者との親和性が高いようだ。
今回の応酬の発端は、肩書も顔も声もない者として好き勝手にさえずっていたい匿名ネット文化の住民の物言いが、挨拶をしてお互いの関係性を明らかにしてから会話を始めたい人にとっては無礼に感じられてしまったことから始まったと言えるだろう。こと『Twitter』においては、所詮ただのひとりごと・さえずりなのだから、もっと気軽にスルーしたりブロックしたりする使い方が広まれば、お互い幸せでいられると思うのだが……。
画像とソース引用:
https://twitter.com/yohsuken/status/929734116215422976[リンク]