「こんな品種のぶどうがあるなんて知らなかった」「オーロラブラックって何!? 見たことも聞いたこともない」「ってか、ぶどうってそんなにスゴかったの?」
女子たちからそんな声が連発したイベントが、東京・新橋で行われた。岡山県が主催する「岡山ブドウメディアセミナー『晴れの国おかやま』の究極ぶどう 丸かじり講座」だ。
そもそも「ぶどう」というフルーツは、東京圏の人間にとっては、山梨や長野、山形などが収穫量が多いというイメージ。確かに、「平成25年都道府県別葡萄(ぶどう)収穫量ランキング」をみると、1位は山梨県の4万8200トン、そして長野、山形と続く。
実は岡山県は、山形の収穫量に迫る1万5300トンで、日本第4位のポジションにいる。さらに、「岡山県以外で栽培が認められていない希少な品種」などもあるらしく、収穫量国内4位の岡山県が、「ここでイッパツ、岡山のぶどうを教えてあげるけん」ってことでこのイベントを開催したわけ。
登壇したのは、岡山県農林水産部(東京大田市場駐在)の山下裕さん。岡山のブドウマイスターなるオーラがにじみ出ている彼は、まず「おいしいぶどうの見分け方、食べ方」について語り始めた。
「おいしいぶどうの見分け方は、黒ブドウはより黒いこと。緑ブドウはやや黄色いこと。そしてブルーム(果粉、表皮につく細かな白い粉)が濃くて厚いこと。粒の張りなど」
「食べ方は、ぜひ皮ごと食べて! すぐ冷えるので、冷やしすぎないこと。氷水で10分つけるのがおすすめ。保存する場合は、軸ははずさないで。冷蔵庫は水分や香りが飛びやすいので、ラップで包むか、大きなタッパーで保存。野菜室があればそちらへ」
そんな「ブドウの基本」を教えてもらったあと、いよいよ岡山県がブドウ王国と呼ばれるゆえんがわかる、岡山ならではのブランド系ブドウの試食だ。今回、とくに注目を集めていたのが、シャインマスカット、瀬戸ジャイアンツ、オーロラブラックの3品種。
なかでもオーロラブラックがスゴい。このオーロラブラックは、平成15年に岡山県農業研究所が育成した品種で、オーロラレッドからの偶発実生モノ。岡山県以外での栽培は認められてないことから「非常に希少」という。
「皮ごと食べるとグミのような弾力と、独特の食感の果肉が楽しめる。酸味がなく、味が濃く、甘さが引き立つ品種。種無しブドウは、軸から粒がはずれる脱粒が起こりやすいが、このオーロラブラックは脱粒が少なく、贈答用としても注目されている」(山下さん)
またシャインマスカットは、「果粉が少なくつやつや。さわやかな酸味とジューシーさ、食べやすさが特徴」と、大粒でカタチが独特な瀬戸ジャイアンツは、「皮が口に残らず、パリパリ、サクサク食べられる、従来のブドウにはない新しい食感が印象的」という。さらに、カービングナイフなどできれいにカットして食べると、目も楽しいとか―――。
さて、こうした希少価値の高い岡山県産ブドウ。「体感するには現地に行くしかないか」とあきらめている人には、うれしいニュースが。都内でも、新鮮な岡山県産ブドウを試せるイベントが開催されるというから、ぶどう王国・岡山の「他県が真似できない味」を、この機会に都内で体感してみて。
◆岡山県産ぶどう関連イベント
・千疋屋総本店「岡山ぶどうフェア」(9/16〜24)
・新宿高野「おかやま葡萄フェア」(9/14〜30)
・銀座三越「鳥取×岡山フェア」(9/6〜12)