連載 第3回 ASKAも集団ストーカーにおびえていた!!

  by 秋日子  Tags :  

下記は、アスカのブログの1部抜粋である。ストーカーについての事が書き記されている。アスカのブログ(現在削除)では下記以外にタレントの飯島愛が何者かに盗聴されていると言う被害についてアスカに相談していたと言う内容のものもあった。

私が個人的にアスカのブログを読んでの感想だが、以前、嫌がらせやストーカー被害を受けた人が陥る関係妄想か?統合失調症の症状の様に感じた!このブログを読んで、ある人が、考察した推理が的を得ている気がする。モンスターハンターの集団ストーカーとの関係妄想説!
http://zapanet.info/blog/item/3024

ASUKAのブログより

時同じく、女友達が「ネット盗聴」「集団ストーカー」被害に遭っていた。誰に相談しても信じてくれないのだという。私もそうだった。「単なる気のせいだ」と、言ってしまったのだ。「何をやっても聞かれている」「生活のすべてを見られている」と言って聞かなかった。「もう、生きていけない」と言っていた。本気だったのだ。間もなくして彼女は自分の命を絶った。私は友人のサインに気づいてあげることができなかった。ある日、彼女の友人と名乗る女性が、友人を介して私と連絡を取りたいと言ってきたのだ。私は、その女性と数時間電話で話をすることになる。いろんなことが分かった。俄には信じがたいが「集団盗聴盗撮」「ネットストーカー」に巻き込まれていたのだった。ネット検索をしてみたら、事実「集団盗聴」「集団ストーカー」に苦しんでいる人たちが多く存在していた。私は亡き友人を死に追いやった犯人を突き止めようと、パソコンの前に座り続けた。いくつかの手がかりになる情報を得たからだ。単なる自殺で終わる話ではない。これは殺人だ。知人の警察官に事実を伝え相談したが、証拠が出て来ない限りお手上げなのだと言う。

ある日のことだ。情報を元にネットサーフィンをしていたら、気になるページがあった。私が、その日に電話で喋ったことや、行動に酷似したことが、克明に書かれているのだ。毎日、毎日それは続いた。電話の内容などはすぐに書き込まれていく。偶然だとは思えない。

「盗聴・・?」

周りに話しても誰も信じようとはしない。誰かに監視されている。

そんな時、ロックダムの社長尾崎が私の部屋に来た。大事な話をする前に、現在の状況を伝え、お互い携帯電話の電源を切ってからテーブルに着いた。2時間ほどの会話だった。

翌朝、携帯にメッセージが入っており、その留守録を聞いてみた。するとそこには、前日尾崎と打ち合わせしていた会話が残されていたのだ。

「これ、オレたちだ!」

昨日の会話だ。第三者にも確認してもらった。

「これ尾崎さんの声じゃん。」

あの時電話は確かに切って合ったので、ふいに電話の録音ボタンを押したとしても機能するすはずがない。着信履歴を確かめると、見覚えのない番号があった。午前8時頃の着信だったと記憶している。

「080○4○3○204」

と、記録されている。メッセージが残された時間だ。私は、折り返し電話をした。

「もしもし。電話をいただいた者なのですが。」
「えっ!? 何ですか・・?」
「いま、電話を頂きましたよね?」
「・・。いえ、してませんけど。」
「着信で折り返し電話差し上げているのですが。」
「いえいえ、知りません。」

相手がしらばっくれる以上、話しても無駄なので取り敢えず電話は切った。変だ。着信をそのまま折り返したのだ。相手は、不意に間違って繋がってしまったのではない。ひとつずつナンバーを押しながらかけてきたのだ。そうでなければ、相手の携帯に私の携帯ナンバーが保存されてあったと考えても良い。どちらにしても目的を持ってかけて来たのだ。例えば、間違えて繋がっただけなら、盗聴したものが流れるはずはない。その瞬間の相手の雑踏が録音されるだけだ。そうではなく、前日の部屋での会話を送ってきた。真意は解らない。ひとつ言えることは。発信ダイヤル設定をオフに仕損なったか、オフにすることを忘れて電話をしてきたということだ。盗聴は、この人物に限りなく間違いはないのだが、ただ決定的な証拠がない。私はこの電話番号を記録保存した。そのうち携帯を持っていると家の中の会話も書き込まれるようになった。家族との会話が公開されるのだ。ツイッターだが、そこにリンクを張っている連中のところはどれも盗聴の内容で埋められていた。

ある朝、携帯の前で、

「オマエら、いい加減にしろ!何が楽しいんだ!」

こう、怒鳴ってみた。すると、

「さあ、今日なんと神のお声を頂きました。」

と、書いてくる始末なのだ。電話の電源を切っていてもダメだった。また、友人に送ったメールの内容を読んだ感想をことごとく書かれる。同級生で刑事の友人に相談をした。

「考えすぎだ。そんな事例はない。偶々行動や発言がリンクしているんだろう。日本のデジタル電話の波形は解読できない。」

と言う。会社の連中も真に受けない。これだ。友人が死んだのは・・。
誰にも信じてもらえなかった、そして他人には相談できない、何か耐えがたいものを盗聴盗撮され、生きて行く力を奪われた。追い詰められたのだ。だから「もう生きて行けない」と言ったのだ。その集団盗聴盗撮の犯罪に気がついた私が次のターゲットになった。携帯の前でまた怒鳴る。

「オマエら殺人しておいて、またやるつもりなのか!」
「あれは違う。本当に事故だ。」

と、書いてくる。
その後、間もなく携帯を使うとき以外はバッテリーを外すという生活をした。しかし、

「それで逃れられると思うなよ。次の手がある。それがダメならもうひとつ手がある」

そんな生活が2年近く続き、私は心が弱ってきているのが分かった。初めてカウンセリングというものを受けることになる。話を聞いてくれるので心は安らぎを覚えたが、精神薬を処方されてしまった。しかし、私はそれを飲まなかった。精神薬というのは、健常者が飲んでしまうと、脳への刺激で本当に精神病になってしまうからだ。そんな中のコンサートツアーは本当に苦しかった。ホテルでの行動もすべて公開されるのだ。部屋に迎え入れたゲストの名前なども書き込まれる。自宅の仕事部屋に特殊なものが仕掛けられているのかもしれないと思い、ついに仕事部屋の壁を壊して大改造することになった。2010年3月。改造の間、仕事場として西新宿のマンションの1室を借りることになる。ここがすべての始まりだった。

大阪で知り合った柳田が、このマンションから歩いてすぐのところで生活をしていた。大阪のパブを止め、東京に引っ越してきていた。生活を構えて、もう10年ほどなるだろうか。時々電話では話をしていた。私は相変わらずの盗聴盗撮でヘトヘトになっていた。何よりも辛かったのは、誰も信じないということだ。信じさせるためには証拠集めをするしかない。証拠はCD-Rに30枚ほどになっていた。私は一度だけ部屋で大声を出したことがある。自分でも驚くほどの声だった。これに反応すれば証拠となる。思った通り、その叫び声はサンプリングされて、今、大手ゲーム会社のゲームで使われている。あの時の自分の声だ。間違いはない。ゲーム会社はその事実を知らないだろう。盗聴はひとりふたりの個人的なレベルではない。ある動画サイトのプログラマが中心となってやっているのだ。私は訴えを起こすために著名な弁護士を集めてもらった。しかし、今まで起こってきたことを手順良く説明するためには、どう説明すれば良いのか分からなくなっていた。それほど証拠が増えていたからだ。

「腕利きの弁護士らしいな。」

また書き込まれる。ネットを見なければ良いと人は言う。しかし、見なくても24時間ずっと監視されていることは大きなストレスだった。自殺は肯定しないが、追い詰められたことによる発作的な行動は理解できる。

部屋で独り言を言う。

「オレは死なないからな。」

するとすぐに、

「オマエは死なせん。」

と、書いてくる。
「オマエは死なせん」ということは、過去死なせたことがあるということではないか。西新宿のマンションでもそれは続いた。精神的に追い込むつもりだ。ある日、あらゆる盗聴サイトをネットで調べていたら、ショックなアプリがあった。

「Flexispy.A」
フレキシースパイA。電話、メール。これらがすべて外部サーバーに送信されるというアプリ。携帯の持ち主は、これがいつインストールされているのかわからない。携帯電話やスマートフォン自体が盗聴盗撮機となるのだ。アンイストールはできない。それを仕込んだ者が記録したパスワードを打ち込まなくてはならないのだ。また同様に。

「SpyPhone」

スパイフォンなどというのもあった。機能は同じだ。携帯を切っていてもマイクだけは生きていているのだ。通信記録は一切残らない。これを封じるには、やはりバッテリーを外すしかなかった。

その後、新しい携帯を持ったが、電話を変えても番号が知られるまでに二日とかからなかった。私は、留守録を聞くときにバッテリーを装着し、話し終わると、また直ぐに外した。携帯電話を使えない日々は不便だった。

「ごめん、この電話盗聴されてるから大事なことは言わないように。」

と、相手に伝えてから会話をする毎日だった。
しかし、それもつかの間だった。バッテリーを外しても、また始まったのだ。

「方法はあると言ったろう。」

火災報知器から観られているのではないかと思い、ブレイカーを落としてみる。調べてみると、火災報知器が盗撮器になっていることも珍しくない。目覚まし時計、ボールペン、コンセント、計算機、インターホンなどあらゆるものを疑った。
それでも、

「こいつ、何をさっきからうろうろしてるんだ?」
と、書いてくる。

観られてる。どこだ・・。

その日、私は盗聴機探索で有名な会社に連絡して部屋内を調べてもらうこととなった。翌日、来てくれると言う。この2年間の出来事から明日解放されるかもしれないという思いになり、波が引くように身体の力が抜けた。その日は水底の石のようになって寝た。

この西新宿の高層マンション最上階から景色を眺めていると、起こっている出来事など、どうでも良いと思えてしまいそうだった。しかし、「オマエは死なせない」「死ぬまで続く」と書いてくる。
翌中2時。部屋のベルが鳴った。モニターにはスーツを着た男と女が映っている。私は彼らを部屋に迎え入れ、これまでの2年間のことを大筋で伝えた。

「私ども、いろいろ忙しくやらせていただいておりますが、案件のほとんどはお客様が過敏になって引き起こす勘違というケースが多いのです。」
「そうですか。それでも安心を得たいのでよろしくお願いいたします。」
「わかりました。」

男は鞄からパソコンと発見器を取り出した。発見器の先に長いアンテナを装備し、パソコンには受信したものが波のようになって映し出されている。部屋は2LDK。リビングだけでも100平米強あった。男は時々難しい表情を浮かべながら、隅から隅まで丁寧にアンテナを這わせる。約1時間かけて全部屋の探索が行われた。そして、

「心配いりません。盗聴器は掛けられておりません。」

自信を持った口調で男が言う。

やはり、盗聴は携帯電話で間違いなさそうだ。しかし、バッテリーを外している時も盗聴されていたのだ。その時だった。飯島の言葉を思い出した。パソコンのことだ。

「電源切ってても、遠隔で盗聴できちゃうんだよ。」
「パソコンだ・・。パソコンの中央上部に付いてるウェブカメラを遠隔操作されてるんだ。」

ネットで調べてみると、すでに被害は起こっていた。遠隔でカメラのスイッチを入れれば当然音声のスイッチも入る。スイッチが入った瞬間に、パソコンに付いてるカメラのレンズは青く光るのだが、光らないように設定できることも知った。

「それで逃れられると思うなよ。次の手がある。それがダメならもうひとつ手がある」

ようやくこの意味がわかった。携帯電話盗聴の次の手段だ。私は早速パソコンに付いているレンズにテープを貼って盗撮を塞いだ。セキュリティソフトは入れていたが、購入時の初期設定のままで細かな設定はしていなかった。従来そういう作業は苦手なのだが、やらねばならないところへ来ている。ひとつひとつ設定をして行く。設定の最中に彼らがどう反応しているのか掲示板を見た。私が主に疑っていたところは、ある人物のブログとツイッター。そして、もうふたつのツイッターと、ある掲示板の5カ所だけだった。リンクを辿って行けば、かなりの人数でやっていることだろう。掲示板では、

「隊長!Aが強力になって行っています!」

細かい設定をしていることを言っている。数時間かけて設定は終わった。
その夜、留守録に友人からのメッセージが残されていたので、折り返し電話をした。いまの状況を伝えたのだ。

「そいつら暇だよねぇ。他にやることないんだろうね。」

友人は、盗聴しているやつらを挑発する。
私も同じように、

「ああ。いま弁護士を立てて訴えようとしてるとこなんだ。相手はもう分かってるから時間の問題だ。」

そんな話を続け挑発した。そして電話を切った後だった。掲示板では、

「緊急です!これより○○大会を開催いたします。ルールはいつもどおり。ターゲットに対し、いちばん早かったものが優勝です。」

と、書き込まれていた。瞬時に思った。ターゲットとは私のことだ。パソコンに何かあるのだと思った。私はマンションの管理人に連絡をし、サーバー会社の電話番号を聞いた。

「すみません。私○○マンションの○○号室に住む者なのですが、いまから回線に異常が発生すると思いますので記録をお願いいたします。」
「こちら記録などということはできないのですが・・。」
「とにかく、回線に何かが起きるんです。」
「はぁ?」

ダメだ。意味が伝わらない。私はすぐに繋いであったランケーブルを引き抜いた。それから数時間、ひっそりとした部屋でソファに埋まった。朝5時に近づいていた頃だったと思う。時間も経った。思い過ごしかもしれない。私はパソコンの電源を入れた。そして、ランケーブルを接続してみようと思った。外はもう白々としている。日を跨いで気持ちに油断もあった。その時だった。ケーブルを繋いだ瞬間にパソコンが飛んだのだ。一瞬の出来事だった。画面は真っ黒になり、もうスイッチも入らない。やはり大会とはこのことだった。挑発したことが原因だ。

その部屋には、壊されたパソコンと仕事用でネット接続をしていないパソコン。それと、非常用にもう一台のパソコンがあった。12インチの小型パソコンだ。そのパソコンにケーブルを繋ぎ掲示板を見に行った。そこには、たった今祭りが終わった後のような空気が漂っていた。

「今回の優勝は○○さんでした。記録は○○秒です。おめでとうございました。」

掲示板は

「あー、また○○さんだ。おめでとうございます。」
「やっぱり、○○さんでしたか」

など、○○を讃える言葉で埋められていた。この掲示板では有名人らしい。何故、私が危険を察知しランケーブルを即座に引き抜いたか。実はパソコンをこういう形で壊されるのは過去3,4回あったのだ。強い証拠となるページを保存すると、数時間後にパソコンが壊れる。毎回、壊れ方は同じだった。また、CD-Rに証拠を焼こうとすると、アプリケーションが機能しなくなる。それらの現象はすべてネットに接続しているときに起こった。その後、大事な証拠を記録するときは、ランケーブルを抜いてからそれを行った。

そのときの○○大会の優勝者は○○というニックネームを使っている。誰しもニックネームを決める時、小さなことだが考えるものだ。そして一度決めたら愛着も沸く。○○が長い間そのニックネームを使っていることを知った。私はそのニックネームを筆頭に思いつく限りの言葉を並べた。
検索をかけたのだ。

「○○、プログラマ、○○大会、優勝。」

他、ここでは書けないが3ワード。
すると、わずかな件数がヒットした。そのひとつをクリックする。
驚いた・・。
インターネットでは有名なIT企業の代表のブログなのだ。ポータルサイトも持っている若手実業家だ。そのブログに数個のリンクがあり、そのひとつをクリックしたら女性が書いているブログに入って行った。どちらも書いてある内容に手掛かりとなるようなものはなかった。また、○○は別のサイトも持っており、そこには家族の写真などがコメントとともに掲載されていた。私は画像検索で彼の顔を片っぱしから確認した。彼のインタビューなどを読んでみると○○大会が行われていたその掲示板の創設者たちのひとりだったのだ。そして、そこの掲示板には固定で存在していたことが判明した。やはりプログラマだったのだ。私には一度顔を見るとなかなか忘れないという特技がある。その顔をしっかりと脳裏に焼きつけた。

翌日、もういちどそのブログを訪れてみた。すると、そこにはこう書いてあったのだ。

「今日、朝方あいつが来てるんだけど何だろう。気持ち悪いな。何で解ったんだろう。」

その書き込みのコメント欄には、

「私のところにも来てるの。」

と、書いてあった。確かに2カ所にしか行かなかった。私のIPアドレスを知っているのだ。私はそのページを仕事用のパソコンでネット接続し、ダウンロード後PDFファイルに変換し、パスワードを掛け保存した。大事な証拠だ。また何かあった時のために、スクリーンショット(画面写真)も撮っておいた。この代表が関与していることは間違いないと確信したからだ。

翌日、保存したPDFファイルをCD-Rに焼こうと開いてみた。しかし、開く際にパスワードを要求して来ないのだ。

「あれ?パスワードを掛けたはず・・。」

驚いたことに、開いたファイルは自分のパソコンに入れていた別の写真に入れ替わっていた。スクリーンショットも同様だった。全てが入れ替わっていたのだ。昨日、保存したファイルがパソコン上のどこにも無い。証拠保存後、そのパソコンのネット接続を外すのを忘れた。○○が危険を察知して、ファイルを取り戻しに来たのだ。パスワードを解読することぐらいはプログラマなら容易いことだ。パスワードは6桁までなら、簡単に解読できる。そういうソフトもあるからだ。7桁からは、やや困難になる。
パスワードは大文字小文字を含んだ12桁以上であらなければならない。12桁以上になると、数千万の投資費用がかかるからだ。その時私が打ち込んだパスワードは6桁だった。私はケーブルを外し忘れたことを悔やんだ。

その後も止まない盗聴盗撮。ある日私はひとつの行動に出た。携帯とパソコンをすべて部屋に置き、ホテルで歌詞を書く作業をやってみたのだ。予約は公衆電話から。ホテルには偽名で泊まった。歌詞は捗らなかった。彼らがどういう状態になっているのか、気になって仕方がなかった。私は歌詞を書く作業を止め、朝方ベッドに入った。

そのホテルは昼12時がチェックアウトタイムだ。カバンにはほとんど何も入れるものは無く、極めて軽装でフロントに向かった。一応、目立た無いよう帽子だけは被っていた。会計を済ませ、正面エントランスの方ではないところから出た。タクシーを拾うために通りへ向かう。その時だった。斜め横から男が付いてきた。最初は気にしなかったのだが、あまりにこちらを凝視しているので振り返った。男は慌てて顔を背ける。私は顔を元に戻し、不意を突くようにもう一度振り返る。その時ついに目が合った。相手が目を逸らすまでほんの一瞬ではあったが、相手の顔を正確にロックしたのだ。

「あいつ○○じゃないか!」

先日、写真を纏めて見て脳裏に焼き付けたばかりなので、間違えることはない。男は顎に手を当てたり、横を向いたりしかめ面をしたり、上を見たり・・。私はしっかりと確認していることを伝えるために、ずっと顔を見ていた。相手は顔を合わせようとしない。普通、これだけ見つめられたら、誰しも気になってチラリと見返すだろう。十分視界に入っているからだ。歩道の真ん中に意味なく突っ立ってこちらを観察していたのに、こちらが見ている間、目を合わせようとしない。私が帽子を被っていたので、確認していたのだろう。もう一度、目が合うのを待った。そして、ついに目が合った。私を見た。目が合うと、慌てて目を逸らす。○○の代表に間違いはない。私は睨みつけるように○○をずっと見ていた。

そしてタクシーに乗り込み、自宅ではなく西新宿のマンションに向かった。
自宅のパソコンを全て西新宿のマンションに持って行ってしまっていたからだ。車中、考えていた。

「なぜ、居場所が分かったのだろう・・。」

謎はすぐに解けた。夜中にホテルの部屋から携帯の留守録を聞いたのだ。それ以外の行動は無かった。そんなことにアクセスできるようなスキルを持った者は少ない。今では位置情報を提供することなど、どこの会社でもやっているが、そのころはまだ数も少なく稚拙な機能だった、しかし、○○の会社は携帯端末などの位置情報を高度な技術で提供していた位置情報提供会社の草分け的な存在だったのだ。
私は部屋に戻ると掲示板を見た。そこには、昨夜私が居なくなったことで、捜索が行われていた書き込みがあった。

「Aの居所がわかりません。」
「誰か、何とか居場所を突き止めろ。」
「目黒に居る気配もありません。」

夜通し捜していたのだ。その代表と掲示板の者たちは別グループということになる。

翌日、私はパソコンの前でこう言った。

「顔も全部確認した。○○の社長か。パソコンを弁償するだけでは済まない。殺人も犯している。法的な措置に入る。」

脅しではない。今まで取り溜めた証拠の整理に入った。

そして、二日後ツイッターでは○○が引退することを表明した。そのツイッターでは○○がIT企業の代表であることは、はっきりしていた。何からの引退か分からないのだ。ただ「引退」という言葉を使って引退を表明している。私に素性がバレたことがショックだったのだろう。

「いやだ!なぜ引退しちゃうんですか?」
「もう、本当に止めちゃうんですか?」

など、書き込みは溢れた。若手アニメーターの集まるツイッターだった。

「オレは辞める。しかし、これからは君たちを裏から応援する。」

○○は、そう書き込んだ。

「情報は与えるから、これからもオマエたちはやれ。」

と、いうことだ。殺人幇助だ。
一方、○○大会が行われた掲示板では、

「この度○○さんが引退されました。いままでありがとうございました。」

と、書かれていた。
また、

「引退はオマエの所為だからな。」
「そうだA。オマエの所為だ。」
「絶対に許さん。」

すべてが繋がった。掲示板の○○。ツイッターの○○。同一人物だ。
IT企業○○の代表なのだ。あれ以降今日までパソコンが壊されたことはない。

間もなくして、友人の刑事から連絡が入った。

「オマエの言うとおりじゃった。携帯盗聴を避けるために、オレたちも大事な会議の時は、携帯を会議室に持ち込まないようにという指示がでた。」

警察も情報を抜かれていたのだ。例えば、ある集団に警察が踏み込むことになったとしよう。警察は、踏み込む日時の会議をする。それさえ分かれば、集団は一切の証拠を始末しておくことが出来る。未然に防ぐことができる。

ある日、私はすでに特定できていた別の犯人の○○のところへメールをした。○○がメールアドレスを公開していたからだ。

「今日は朝から気持ちが穏やかです。どうですか。遊びに来ませんか?住所はもうご存知でしょう?」

そう書いて送った。普通であれば「どちら様ですか?」くらいの返信はするだろう。無記名であったり、アドレスを伏せたメールではないのだから。何のリアクションもなかった。後に、彼は「(返信するのが)怖かった」と、語った。その経緯については後で紹介する。

しかし○○は、私からのメールを受け取った後、すぐに、

「なんと今日、涙が出るようなメールをいただきました。今更無理です!」

と、ツイートした。あくまで偶然を押し通せるようにメールでの返信はせず、ツイッター上に書き込んだのだ。しかし、もう無理だ。○○のことは早くから特定していた。○○は、盗聴で得た私と真澄の会話を、大晦日に予告放送したこともあったのだ。○○が予告をしていたのでCD-Rに保存してある。私は弁護士に○○が中心人物だというメールを送った。そして、それから直ぐ、

「私はなんというか、ただ総合司会のような役なんです!」

と、書いてきた。その時、弁護士に使ったメールはウェブメールだった。それも見られていたということは、モニタリングされているという可能性が高い。私は、自分のパソコンの環境設定にある共有モードを確かめた。すると、思った通り共有モードにチェックマークが入っていた。私のパソコンの画面を遠隔操作で共有モードにされていたのだ。慌てて共有モードのチェックを外そうと試みたのだが、グレイアウト(白みがかること)していて外せない設定にされていた。私のスキルでこれを外すのは無理だ。通常ならクリックひとつで「オン」「オフ」ができるのだ。それができない設定にされていた。そんなこともあり、私がどのページを観覧しているのか、誰にどのようなメールを書いているのかなど、すべてリアルタイムで見られていたことを知った。「あれ」は偶然ではなかったのだ。「あれ」とは何度も起こった現象のことだ。私は、何度かウェブメールを使って、弁護士に彼らの実態、行為に証拠を添えてメールを書いた。通常、使用しているパソコンからのeメールは、サーバーにアクセスされ全てを読まれているという確証があった。ウェブメールなら安全だと思っていたからだ。「これぞ、証拠だ」という、彼らにとって致命的なメールを5回ほど送ろうとしたことがある。そして、それを送信しようとした瞬間にメールがフリーズしたり、パソコンがシャットダウンするのだ。決まって彼らの失態を押さえて書いた時のメールだった。また、弁護士のところへ証拠を添付したメールが、やっと届いた時のことである。送信した時間と受信した時間にズレがあった。そして、その添付ファイルが「どうやっても解凍できない」のだと弁護士が言う。MacとWindows間であったため、私はそのファイルを両方で開くことのできる拡張子に変換して送った。開けられないはずはないのだ。確かめたところ、私が変換したものではない拡張子に変えられて届いていた。DATファイル。特殊な拡張子だ。メールソフト「Outlook」から送信した場合に、時にそのような現象が起こることは発表されているが、私のメールソフトは、それではない。中継地点で何者かの手によってDATファイルに変換されたのだ。

グレイアウトした共有モードのチェックを外すには、パソコンをまたインストールし直さなくてはならない。何度やっても直ぐにハッキング、クラッキングされる。再インストールする気は失せた。

ある日、私は自分の携帯電話を切って、自宅の電話から自分の携帯電話に電話したことがある。通常であれば、すぐ留守録になるはずだ。すると、数回コール音がした後、何者かが電話に出た。

「オマエは誰だ!」

私が、そう怒鳴ると電話は切れた。これは盗聴チェックの方法だった。インターネットの探偵サイトで、このやり方が紹介されてあったからだ。もう一度かけ直すと、今度はすぐに留守録になった。私が番号を掛け間違えたわけではない。短縮ダイヤルを使ったからだ。
また、厚生年金会館で10daysライブをやっていた時のことだった。盗聴盗撮が激化していたので、心休まることができず、私は家ではなく、家から1分ほどのところに持っていたマンションで寝泊りをしていた。
ライブ9日目の時だった。その日の前日も、犯人を追いかけていたので朝になってしまった。一睡もしなかったのだ。そして、午前11時頃だっただろうか。マンションに1本の電話がかかってきた。マンションの電話番号を知っているのは家族だけだった。スタッフが迎えに来る1時間ほど前の電話だったので、家族のモーニングコールだと思ったのだ。男の声だった。

「もしもし。」
「あのう、そちらはどなたのお宅ですか?」

と、言う。

「どういうご用件ですか?」
「いえいえ、大丈夫です。失礼します。」
「ちょっと、待ってください。どちら様ですか?」
「・・。あのぉ、私○○宅急便の配達の者なのですが、奥様が前回分のお支払いをされていないので、請求に伺いたいと思いまして。」

変だ。このマンションに電話がかかってくることが変なのだ。しかし、支払いをしていないとなれば、こちらも丁寧になる。

「ああ、そうですか。申し訳ありません。いくらですか?」
「○○円です。」
「わかりました。妻に確認いたしますので電話番号を教えてください。折り返しお電話差し上げます。」

この部屋に電話がかかってくるのは明らかに変であるため、相手の電話番号を聞き出そうと思い「こちらからかける」と、言ったのだ。

「番号を教えてください。」
「いえいえ、結構です。また配達の際に寄らせていただきますので、その時にいただきます。」

なら、なぜに電話をしてきている。自宅ではないところにだ。私がマンションを所有しているのを彼たちは知っていた。ただ、部屋がどこなのかを知らなかったのだ。何らかの方法で番号を入手し、私の声と居所を探るための電話だった。それに気がついた私は続けた。

「折り返し電話をしますので、番号を教えてください。」
「いえ、こちらから電話いたしますので結構です。」

すでに変だ。「配達の際にいただきます」と言ったばかりじゃないか。私は続けた。

「妻に確認したいと言ってるのですよ。教えてください。」
「本当に、大丈夫ですから。」
「大丈夫ではありません。教えてください。」

相手は、こちらの剣幕に押されたのか、しぶしぶ番号を言った。

「○○○○-○072です。」

相手が苦笑い顔で喋っているのが伝わってくる。側に誰かいる気配もした。

「どちらの営業所ですか?」
「いつものところです。」
「『いつもの』では分かりません。どちらですか?」
「・・。○○営業所です。」

私はメモを取った。

「繰り返します。○○○○-○072ですね?」
「はい。そうです。」

やりとりから「この番号は嘘に違いない」と、確信した。そして、そのままその番号に電話をした。すると、すぐにアナウンスが流れた。

「おかけになった電話番号は現在使用されておりません。」

掛け間違えたのかもしれない。もう一度、確認しながら電話をする。やはり、同じアナウンスが流れた。私はネットでこの区域を配達している営業所を調べた。その営業所は、確かに存在したが配達管内ではなかった。私は、自宅の配達管内の営業所に電話をして確認した。そして、あった出来事を伝えた。

「いま、配達員が外に出ておりますので、担当員に確認後、ご連絡差し上げます。」

そして、翌日電話はかかってきた。そのような電話はしていないと言う。思ったとおりだ。なぜ、私が電話をしてきた相手に、そこまでしつこく食い下がったのかには理由があった。聞き覚えのある声だったからだ。ある○○という集団は、ネットラジオをやっていた。そこでは私の日常の発言を取り上げて放送を行っていたのだ。数回、聞いたことがあった。録音もした。そして、ある日を境に、その放送は不自然な行動をとった。私が、ラジオを聴こうと思いアクセスすると、聞き取れない小さな声でパーソナリテイに誰かが何かを告げた。そして数秒間、こそこそと耳打ちしているような音声が流れた。そして、

「みなさん、突然ですが今日の放送は終了させていただきます。」

アクセスをしたことに気づいたのだ。その後も、同じだった。私が、アクセスすると、放送は終了してしまう。そのラジオで喋っていた人物と担当員と名乗って電話してきた人物の声が同じだったので食い下がったのだ。その日、そのネットラジオを聞いている者たちが並行して書き込んでいるスレッドを見た。前日の書き込みが残っていた。配達員と名乗った者が電話をしてきた時間帯の書き込みだ。

「だから、やめておけって言ったろう。」
「バレてやんの。」
「いくらなんでも、突撃はマズイだろwww」

放送中ではない時の書き込みだ。私とのやりとりを、仲間内にはリアルタイムで聞かせていたのだろう。妻に未払いのことを確認したら、実際その事実はあった。彼たちは妻の電話も盗聴していたのだ。

彼たちは、このゲームのことを「狩り」と、呼んでいた。彼たちの仲間内の歌手が活動していた。初めてそのPV(プロモーションヴィデオ)を観たときに嫌悪感を覚えた。私は、そのPVが気になりダウンロードした。そして何度も再生した。そのPVは文字を効果的に使ってあったが、その文字が気になるのだ。私は、そのタイトルをアルファベットで書き出して、その書かれたモノを今度は逆から読んでみた。唖然とした。死んだ女性のイニシャルから始まる読み方になっている。そして、彼女の部屋が「○Hズバリ狩り区」と読めるように書かれている。それが、タイトルになっているのだ。楽曲自体はポップな仕上がりになっていた。しかし、PVの後半にどう受け取っても、意味のない静止画像が差し込まれている。私は、そこを拡大して何度も観た。そこには女性の裸体が小さな写真で並んでいた。コマ送りのようになって挿入されていた。明らかに盗撮写真だ。そのシンガーと殺人集団の関係は歴然としている。そして、間も無くそのPVは作り直された。現在そのPVは写真の部分だけをカットされたものがウェブ上にある。私がコピーしているのは、編集前のPVだ。これは6年間取り溜めた証拠の一部にしか過ぎない。

いったいどれだけの人数が集まり、「狩り」ゲームをやっているのだろうか。殺人を犯してしまったことを知られたことに、彼たちは怯えていた。私が、いつ誰にそれを喋るのか恐れていたのだ。そのため交代制で24時間私を監視していた。そして、それはやがてゲームのようなモノに変化して行った。盗聴盗撮は2008年から2014年までの6年間続いた。当時、私は過度のストレスに陥り、生活スタイルはすっかり変化していた。

仕草

目に映っていた景色がすっと逸れることがある

それは思い出せないことを
無言の言葉で思い出そうとすることに少し似ている

立ちつくすと
つい空を見上げてしまうのはなぜだ

そんな時
僕は自分のアイデンティティを失いそうになる

記憶は罪だ
嫌なことを心のほうきが掃いてく

宝石を真似たガラスの石
美術品のような平たい河原の石

似ているということで
それに価値が生まれるということがある

夕暮れはどんどん早くなり
太陽は横向きのバーコードのようにしましまになって墜ちて行く

風景は輪郭を失いはじめ
もういいかげんにいいだろう 
ばかやろうと
昼間を慌てて脱いで行く

すべてに理由はない
46億年の仕草を繰り返しているだけなのだ

秋日子

投資家&ライター 政治や経済、恋愛まで, 興味のあるものを発信し ネットで話題の事柄や日常の疑問を考察していきます。