
誰もが知っているヒーロー『アンパンマン』。
その『アンパンマン』について思うところは誰しもあるはずである。
「アンパンマンは君さ~♪」という歌詞しかり、
「愛と、勇気だけが友達さ~♪」という歌詞しかり、
「え、アンパンマン、僕なの? え、愛と勇気だけが友達って、カバオ君は!?」と、幼心にも違和感を覚えたことがあるのは、筆者だけではないだろう。
そんなアンパンマンの不鮮明な箇所にスポットライトを当てたWEBマンガが今話題になっている。
こちらをご覧いただきたい。http://macchiro.tumblr.com/
肖像権を意識してか、『アンパンマン』役は『ツブアンマン』『バタ子さん』役は『バタ娘』として設定されている。
このマンガが究明しているのは、『ツブアンマン』の頭を交換したタイミングにおける、『交換された頭の行方とその意識』という点である。
整理して見ていこう。
本家『アンパンマン』において、頭部が濡れてしまったり汚れてしまうと、主人公の力は圧倒的に低下する。
間一髪、身内の助けにより、新しい頭部に切り替えられるというのが定石であるのはご存知の通り。
その際に取りかえられ、どこかに捨て置かれた頭部の意識についてこのマンガは言及している。
詳しくはマンガの中身をご覧いただきたいが、
要点は、
・交換された頭部に意識はある
・誰もがその事実を知っていた
・証拠隠滅係が存在する
・歴史は繰り返されるといったところだろうか。
ヒーローコミックや、ヒーローアニメには様々な矛盾がちりばめられている。
その点に深く切り込んだ作品ではないだろうか。
その矛盾は、大人になってみないとわからなかったりする。
一方で、大人だからこそ理解ができる、哀愁やせつなさも含まれている。この作品はそれを認識できるという点において、非常に感慨深いのである。
なにはともあれ、『食パンマン』役を『薄パンマン』が、『カレーパンマン』役を『ナン』が演じている点と、そのページの破壊力には脱帽である。
今後、続編が出てくることを期待したい。
※画像は作品よりキャプチャ