今回は、往年の桃井はるこの名曲、「2001年のゲーム・キッス」を紹介したい。
彼女のデビューシングル「Mail Me」のC/Wとして、収録されているこの曲の歌詞には、デジタルな恋の(つまり、それはいわゆる美少女ゲームにおける恋かもしれないし、この時代においては、デジタルな手段を媒介して行われる恋かもしれないし、時に、ひどく割り切りのなされる現実の恋かもしれない)一種、直情的な心理が記されている。
歌詞については、皆様方、個々人でで調べてみてください。
(許諾を得た歌詞サイトになかったので、CDを買ってもいいかもしれません。20世紀に発売されたCDがまだ、アマゾンに並んでいるなんて。デジタル社会を感じますよ。そう、あの頃よりずっと進歩したね)
0と1の世界でなされる恋であっても、その心理は同じ。
もっとずっと昔にも、恋に落ちて同じように悩んだ人がいた。
もっともっと、楽しみたい。
悩みを抜けて、楽しみたい。
同じところをぐるぐると回るのではなく、一歩踏み出したい。
そんな恋心を抱いた人の気持ちは、まるで、この曲の歌詞にある
なにも気にしないで なにもかんがえないで
次のステージいきたい Let’s play the game ループを抜けたい
というものと同化する。帰納される。
ひとつになれなくても、心が通じ合うことはできる。
もしかしたら、僕たちは、恋に落ちた僕たちは会えなかったかもしれない。
けれども、やはり、それは必然で、会えたはずだろう。なんて。
デジタルデータになっても、それが圧縮されても、元データの恋心と同じように、データはその形-恋心-を持っていられるのかな。なんて。
最後に、私がこの曲を好きになった理由のひとつである一節を紹介する。
あなたのプログラム わたしのプログラム
知りすぎたくらいでも まだ遠く思えるよ
恋は奥深い。
どこまで、行っても、突き詰められない。どこまで行っても恋していたい。
そんな僕の気持ちを代弁してくれていると感じられた。
だから、私は、この曲が大好きなのだ。