今回、私は、AKB48チームBの5th Stage「シアターの女神」公演内の楽曲、「愛のストリッパー」を紹介したい。
歌詞は以下から、確認してほしい。
http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND119200/index.html
公演内で、印象的な赤い衣装をまとった彼女らが歌うこの曲では、幼くて、稚拙、だけど、まっすぐな愛が表現されている。
好きな彼に素直になれない曲中での彼女の初々しさ、あどけなさは、聞く者をその楽曲の中に誘い込む。
しかし、同時に心配にさせる。
自分に、その微笑みに自身がないという彼女のことを。
歌詞中で、
‘求めるなら 身にまとう全てを脱ぎ捨てよう’
と宣言する彼女の恋愛に対する真摯さに共感する。そして、想いすぎて、無理をして、自分というアイデンティティー、持ちうる愛やその誠実さを脱ぎ捨ててしまわないかと心配になる。曲中で初々しい想いを歌う彼女のそのあどけなさはいつかなくなってしまう。しかし、刺ばかりになってしまわないでくれ。と。
そう傷ついてしまって、他人から身を守るために、他人と近づけなくなってしまうような、例えるならヤマアラシのような悲しみの中に身を埋めないでくれ。と。
彼女は曲中、こう歌う。
‘手にしたそのしあわせをなくすのが怖くなるから’
と。
‘恐れずに思うまま大人になりたい’
と。
あどけなくて、自分を子供だと評する君は、確かにいつか大人になる。
しかし、すべて脱ぎ捨てて、優しさや思慮深さまで、脱ぎ捨てて、自分が傷つかないために、他人を傷つけてしまうような、浅薄な、それこそ、子供じみた大人にはならないでくれ。と心から願う。
公演でのこの曲の衣装の赤は、確かに印象的であるが、深い色、深紅をしてはいない。恋愛に不慣れで、けれども、本当の気持ちを伝えようとするような、バイアスのかかっていない爽やかな赤だ。
その赤がせめて、鈍い色となりませんように。
大丈夫。行き場に迷った時は、道標になってあげるよ。なんて、言いたくなる日曜の夜。