今回はSDN48の3rdシングル「MIN・MIN・MIN」のカップリング曲、「おねだりシャンパン」を紹介したい。
歌詞は以下から、確認してほしい。
http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND116515/index.html
この曲、キャバクラ嬢の赤裸々な気持ちが綴ってあるように見えて、実はその客側の心理を描写したトリッキーなリリックの楽曲だ。
そう、キャバクラに通う男たちは夢を買っている。
しかし、彼らはそこが夢の世界であることを認識しながら、それでも一縷の望みにすべてを賭けるのだ。
可能性は、ゼロじゃない。と。
このリリックがなぜ、キャバ嬢側の心情でなく、客側の心情を綴ったものでないかということもそこから導き出せるだろう。
つまり、彼女らは金のために、自分たちと付き合ってくれている。
しかし、彼女らは、ケチくさい男よりも、歌詞中にあるような気を遣わずに、金を使える気前のいい男が好き。たとえ、それがイケメンであっても彼女らは消費の女なのだから、金のあるこちらに来るはずだというメタファーがちりばめられている。
いわば、歪んだ男たちの心理構造の逆転が歌詞の上では、描かれている。
しかし、ここで、曲を聴いている側はひとつのことに気づくはずだ。
どんな女でも貢ぎ物次第といいながら、イケメンのことは男と表し、金持ちのことは、太い客と表す。
いくら金を持っていようが、客については、恋愛感情がないという暗喩がそこにある気がするのだ。
歌詞中にはこうある
‘思わせぶりな瞳 気持ちは炭酸’
その場限りの、仕事をやりすごすための、炭酸のように短い時間の好きかもしれないというポーズを彼女らは取っているだけなのだ。
歌詞中はこうある。
‘恋はいつだってバブル グラスの中の泡と一緒に消えるよ’
そう、彼女らは、最初から気なんてない。ただ、そこには仕事があるだけ。
それに惑わされる男の側も実は最初から気づいていたはずなのだ。
ただ、気づきたくなかったのだ。
彼女らの本当の気持ちに。
炭酸を飲むと気持ちがいいように、彼女らの偽物の気持ちは気持ちいいのだ。
すべてがつくりものであるが故に。
でも、彼らは気づいていない。
炭酸の抜けたボトルの中の飲み物は、最初から炭酸のない飲み物よりおいしくないということに。
このCDのキャッチコピーは「恋をするまで長いのに、儚いものよ」だ。
せめて、僕は、儚くない恋をしたいなあ。
なんて、オフィスの片隅で思う。