世界的に見れば、蚊によって媒介される感染症は非常に多いのですが、日本においては、公衆衛生の向上もあって、非常に少なくなっています。一昔前は、耳にすることがあったアカイエカによって媒介される日本脳炎も、今や教科書の中の病気と言われることが。
それゆえに、一昨年のデング熱の国内感染発生は、大騒動に発展しました。デング熱ウイルスを媒介するヒトスジシマカは、100メートルほどの飛翔能力しかないとされます。したがって、爆発的な感染拡大は起きにくいと考えてよいでしょう。
しかしながら、1000万人が動く東京で、そのような感染症が局地的にでも流行すれば被害は甚大。
東京都は、定期的に蚊を捕獲して、病原体となるウイルスを保有しているか検査しています。
18日からはじまった東京都保健局による蚊の捕獲検査では、マラリアやデング熱に加えて、新たに南米で流行しているジカ熱ウイルスも対象に加えられました。
ジカウイルスは、つい先日、アメリカ疾病センター(CDC)が、妊娠中の女性が感染すると小頭症を引き起こすことを明言したばかりです。また、ジカウイルスに感染した男性から性交渉を通じて、女性がジカウイルスに感染することもわかっています。
CDCは、ジカウイルスに感染している疑いのある男性との性交渉の際は、避妊具を使うのが好ましいとしています。日本においては、まだジカウイルス感染の報告はありません。
ですが、夏のリオデジャネイロオリンピックを境に、流行地を行き来する人が増えますから、留意が必要です。すでに、日本国内においては、ジカ熱の治療を行う拠点病院が決定されて、公表されていますが、海外へ出かける時は特に意識したいですね。
※写真はイメージ PHOTO AC http://www.photo-ac.com/main/detail/16833?title=%E8%9A%8A%EF%BC%94 より