アメリカ疾病対策センター ジカ熱が妊娠中の胎児の小頭症発症につながることを明言

13日、アメリカ疾病対策センター(CDC)のフリーデン所長は、蚊が媒介するジカウイルス(ジカ熱)が、妊娠中の胎児に感染し、小頭症を引き起こすことを結論づけました。

感染によってもたらされる病気は多数ありますが、蚊によってもたらされるウイルスで胎児の先天性異常をもたらすウイルスは、歴史上初めてであることも言及しています。

今回のステートメントを出すにあたり、CDCの研究責任者であるソニア・ラスムセン氏は、ジカ熱に感染した患者ならびにウイルスのデータについて様々な検証を行い、今回の発表に至ったと明言しています。

日本もそうですが、アメリカにおいても深刻な疾病が流行している地域に対して、渡航制限や自粛を求めるステートメントを出します。
今回、アメリカ政府は、ジカ熱が流行している南米各国への渡航禁止にはしていません。

しかしながら、妊娠を望む女性が、ジカ熱ウイルスの流行地域に渡航すること、またジカ熱の流行地域に渡航した男性と性交渉を持つ時は避妊具を使用することを勧告しています。

日本においても、ジカウイルスに対する警戒がなされています。すでにジカウイルスに感染した場合の治療を行う拠点病院が指定されています。
厚生労働省ならびに国立感染症研究所等は、仮に、今夏のリオデジャネイロオリンピック観戦で渡航した方が、国内にジカウイルスを持ち込んだとしても、感染流行は起こらないだろうと予測しています。とはいえ、オリンピック観戦で渡航される方は、じゅうぶんに注意し、厚生労働省や国立感染症研究所の情報を参考に対策を立てておいたほうがいいでしょうね。

※写真はイメージ PHOTO AC http://www.photo-ac.com/main/detail/16833?title=%E8%9A%8A%EF%BC%94 より

松沢直樹

福岡県北九州市出身。主な取材フィールドは、フード、医療、社会保障など。近著に「食費革命」「うちの職場は隠れブラックかも」(三五館)」近年は児童文学作品も上梓。連合ユニオン東京・委託労働者ユニオン執行副委員長