都会の幼稚園や小学校で根強く生き残るアタマジラミ

  by 松沢直樹  Tags :  

アタマジラミという害虫についてご存知でしょうか。髪の毛に住み着いて血を吸う害虫です。
昭和30年代くらいまでの公衆衛生がよくなかった時代に蔓延し、男の子は丸坊主にされて殺虫剤を頭から振りかけられるなんていう、乱暴な目にあった方もいたようですね。

公衆衛生の向上とともに、洗髪などのケアが当たり前になるにしたがって、ほとんど耳にすることがなくなりました。
ですが、最近になって都会の幼稚園・保育園で根強く広がっているようです。

シラミというと不衛生な環境をイメージしますが、アタマジラミは、清潔にしていても感染します。特に幼稚園児くらいの子どもは、ふざけあって素手で友達の頭を触ったりすることがあります。したがって、清潔にしていても他の子から感染することがあります。

成虫は2~3mm、卵を髪の毛の根元に産み付ける修正があり、ブラシで髪の毛をちょっとすいただけでは落ちません。

一日一回、髪の毛から頭皮に降りてきて血を吸うため、激しいかゆみを感じることがあります。
1匹のアタマジラミは、一生のうちに100個前後の卵を髪の毛の根元に産み付けるとされていますが、かなりみっちりとくっついていて、やはりブラシですいたくらいでは、簡単に落ちません。

子どもが頭をかゆがる場合は、皮膚科専門医の診察を受けさせることが重要ですが、市販の専用の殺虫剤を使った後、髪の毛を櫛ですくとよいでしょう。
またアタマジラミは熱に弱いため、衣類は60℃以上のお湯につけるか乾燥機にかけると死んでしまいます(衣類乾燥機にかければまず死んでしまいます)

なお、アタマジラミは病気を媒介することはないとされていますので、焦らず成虫と卵を完全に駆除するのが重要です。
子どもが頭をかゆがる症状が続いたならば、まずは皮膚科専門医の診察を受けるのが得策でしょうね。

※写真は、国立感染症研究所 http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-lab/478-ent/3739-vectors.html より引用

松沢直樹

福岡県北九州市出身。主な取材フィールドは、フード、医療、社会保障など。近著に「食費革命」「うちの職場は隠れブラックかも」(三五館)」近年は児童文学作品も上梓。連合ユニオン東京・委託労働者ユニオン執行副委員長