「Facebookやってる?」「LINEやってる?」―昨今の“SNS疲れ“に思うこと

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SNSとは?

まずSNSの定義にはさまざまな説があるが、WikipediaでSNSを調べるとこんな記載がある。

広義には、社会的ネットワークの構築の出来るサービスやウェブサイトであれば、ソーシャル・ネットワーキング・サービスまたはソーシャル・ネットワーキング・サイトと定義される。 この為、コメントやトラックバックなどのコミュニケーション機能を有しているブログや、電子掲示板も広義的にはソーシャル・ネットワーキング・サービスに含まれることがある。

ブログや掲示板を含めるのなら、わたしはもう17年SNSに触れているということになる。

よく聞かれること

学生時代の友人に会うとだいたい聞かれることがある。
「Facebookやってる?」「LINEやってる?」
わたしはFacebookを利用しておらず、「LINEならやってるよ」といつも答えている。
そのあとは「Facebookやらないの?便利だよ」と言われることもあるのだが、
「元生徒や同僚に検索されるのが嫌なんだ」と言って交わしている。

Facebookを利用しない理由

オフラインでもHNで呼ばれるような生活をしていた自分にとって、正直実名登録制のSNSには恐怖しか感じない。
例えばつながりたくないと思っている“苦手だったクラスメイト”から申請が来るとか、
“元彼(もしくは元彼女)やその友人”に発見されてメッセージがくるとか、そんな話もよく聞く。
自分が実名でなくとも、実名で登録している友人から芋づる式にたどられてしまう。
mixiもそういうところが嫌で利用するのを辞めた。
利用することがあるとすれば、デジタルアーカイブとして自分の日記や写真を見ることだけである。

友人付き合いは変わる

別に友人は少なくはなかったと思う。ただ、学校や職場というグループを離れたあとに触れあわなくなった人はたくさんいた。
中学、高校、大学、職場と環境が変わるたびに友人も変わるのが当たり前だと思っているからだ。
もちろん中学・高校時代からずっと仲良い友達はいる。ほんの一握り程度だが。
わたしの場合はそれぞれの環境の中に昔付き合った恋人がいて、
その昔の友人関係を振り返りたくないというのが本音なのかもしれない。

Facebookに疲れた人たちの話

「Facebookに疲れた」と、利用することを辞めた友人の言葉も印象に残っている。
「いい大学を出ていい会社に入ってるような“人生勝ち組”の人が使うもんだよ」
「同じ歳の友達がママ友とのランチを投稿しているのに、自分は独身で比べてしまって辛い」
「子どもが歩いたとかしゃべったとか、子どもの親にとっては一大事かもしれないけど俺にとってはどうでもいい」
いま利用している人たちの中にも、同じことを思いながらページを眺めている人がいるのではないだろうか。
「そんなこと思うやつはSNSをするな」という意見もあるが、今やLINEはほぼ強制的に利用させられると言っても過言ではない。

LINEの良いところ、悪いところ

LINEをよく利用している人に話を聞くと、こんな声があった。
「グループで連絡をとるのに便利だから」
「スタンプが使えるから」
「開封したかわかるから」
確かに、学生はクラスのグループがあったり、社会人は所属部署のグループがあったりするらしい。
学校や職場によっては欠席・欠勤の連絡もLINEでしているそうだ。
わたしが学校で働いていたころはLINEのサービス自体が存在していなかったため、仰天した。

LINEが嫌になるときはないのかと聞くと、その便利な部分が嫌になるようである。
「自分と関係ない話題で未読がたくさんつく」
「スタンプばかり送りあって会話がない」
「開封したら返信を返さなくてはと思う」
それでバッテリーも精神もすり減らしているのでは、本末転倒のような気もする。
また「メールが面倒なのか自分だけ連絡がこない」「利用するようにしつこい勧誘がある」という意見もあった。

少し特別だが、いわゆるガジェットオタクの意見としては
「スマホに詳しいからと、家族や友人のLINEインストールやアカウントの取得、その後のサポートをさせられるのが苦痛」
という意見があった。これにはすごく同意できる。
「LINEがおかしい」などと言ってしょっちゅう電話してくることもあるからだ。
わたし自身はあまりLINEを利用していないので、LINEに詳しいわけではない。

LINEをあまり利用しない理由

わたしは複数のスマホやタブレットを所持している。だが、その中でLINEを利用できる端末はiPhoneただ1つだけである。
複数端末からの同時ログインができないのはセキュリティ上の問題だと思われるが、
それができるようにならない限りは積極的に使うことはないだろう。
TwitterのリプライやDMならどの端末からでも受送信できるためそのほうが“わたしにとっては”便利である。
便利さで強制することはないが、LINE利用者には「自分が不便だから」という理由で強制したがる人が多いように思う。
そして、その強制が周囲を“SNS疲れ”に導くこともある。

SNSに疲れたと思ったとき

疲れたと思うのならスマホを置いて出かけたり、TwitterやFacebookにログインするのを辞めてみればいい。
仕事の連絡が来ることもないし、友人の投稿を見て凹んだりすることなく、
自分のためだけに時間が使える。
SNSを辞めたからといって死ぬわけではない。
辞めたら友人が減ると思うかもしれないが、所詮その程度の友人なのである。
むしろログインしていないことを心配して、
安否確認をしてくるような人が本当の友人と呼べるかもしれない。
他人の投稿を見て劣等感を感じたり嫉妬したり、
「自分もたくさんシェアしてもらえるような記事を書かねば!」と思うような場合は
自分の精神状態が良くないと思ったほうがいい。
SNSは楽しむために利用するもので、他人に強制的に利用させたり気分を害したりするものではないのだ。
そのことを忘れてしまっている人が多いように思う。
毎日毎日コメントや投稿しなければならないとか、そんな決まりはどこにもない。
あるのは毎日投稿したいという自分の見栄だけだろう。
自分は疲れることがないと思う人でも、「他人に強制して疲れさせていないか」を一度考えてみてほしい。

画像:『足成』より
http://www.ashinari.com/2012/07/01-364482.php

ガジェットに強い。docomoショップ勤務経験有り。 その他文学、音楽、文具などが守備範囲。 以前は教員だったため、教育関係の知識もある。

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