治療院にいらっしゃる患者さんの中には、
「肩が歪んでいるそうです…」
「左右の足の長さが違うって言われました…」
と、気にしていらっしゃる方が少なくありません。
確かに、正面から見ると肩の高さが違いますし、仰向けに寝て足を揃えると、踵の位置が違います。
「もとに戻らないんですか?」
と、心配そうに尋ねられたりするのですが…。
心配はいりません、簡単に治せます。しかもご自分で。
■原因は、骨盤の傾き
まっすぐに立っている時、私たちの骨盤は水平です。
ここで、片足だけに体重をかけてみると、骨盤が傾くのがわかるはず。体重のかかっている側が高く、かからない側が低くなります。
骨盤が傾いた分のバランスをとるため体幹部が曲がり、肩が逆に傾くのが自然な姿。
仕事などで偏った姿勢をとったり(歯科医や、美容師などの仕事が多い)、ケガなどで片足に体重をかけられなかったりすることが続くと、筋肉にその緊張が残って、肩や骨盤が傾いたままになります。
肩の高さは左右で異なり、寝転がると筋肉に引っ張られる側の足が短く見えます
つまり「足の長さが違う」「肩の高さが違う」のは、体幹部の筋緊張に偏りがあることを示しているだけなのです。
■左右差を治す、脇腹のストレッチ
実は、「足の長さが違います」というのは治療家の常套句。施術後に
「ほら、治ったでしょう!」
とアピールするための、パフォーマンスの一つです。
本当はそんなに難しいことではなく、緊張している筋肉を緩めたり、足を引っ張ってストレッチするだけで揃うのです。
ご自分で治すのも簡単。
足の長さを調べて、短い側の脇腹を伸ばすようにストレッチします。肩なら、低くなっている側を伸ばします。何回か伸ばすだけで、両足の長さも、肩の高さも揃うはず。
同じ姿勢をすることが多い方は、時々こうやって修正することで、肩こりや腰痛を予防することができます。
ただ、片足の不調で体重がかけられなかったり、歯並びの悪さで首が傾いて、肩の高さが変わることもあります。
何度かストレッチしても治らない場合には、そうした要因も考えてみて良いかもしれません。
・タイトル写真、ストレッチ写真 businary-photoから
・骨盤の図 メディカルイラスト図鑑から