にんにくジャンキー必見のラスボスお好み焼! 神戸垂水『まゆみ』

  by 中将タカノリ  Tags :  

本州と四国を結ぶ明石大橋のほど近く、神戸市垂水にその店はある。

お好み焼、鉄板焼き店『まゆみ』

看板に描かれたマスコットキャラクターからわかる通り、まゆみの売りはふんだんに……
というか「ええっ!?」と叫ぶくらい大量に使用されるにんにく。

しかも大粒で旨みをたっぷり含んだ青森県産だ。

ホタテバターにも

地鶏のタタキにも

玉子かけご飯にも

もちろんお好み焼にもこのにんにくが大量に潜んでいて、かぐわしい芳香をはなちながら素材の味わいをふくらませている。

海鮮、獣肉、米から粉もんまで相手を選ばず引き立てることのできるにんにくの奥深さに改めて感動するが、まゆみを訪れて外しがたいのは玉子かけご飯とすじ焼き

玉子ご飯は、文字通り玉子を乗せた白米に、別皿でにんにく醤油添えた状態で供される。

にんにく醤油はスタッフの方から

「お好みでおかけください」

などと声かけられるがここは思い切って全部かけてしまうのが正しい。

どこまでもまろやかで、かつ力強さを持ったにんにく醤油をまとった玉子かけご飯は言うならばもうアダムとイブの秘密の花園。

かき混ぜればかき混ぜるほど香り立つアロマに心はウキウキ!口に運べば運ぶほど満ちてゆくエクスタシーに舌がとろけてしまいそうだ。

〆になどと言わず、初めからオードブル感覚で召し上がるのがいいだろう。

すじ焼きの方はまゆみにおけるプリマ(主役)のような存在だが、20分ほどかけ丁寧に焼き上げられたそれは実に柔らかくふっくらした内部と天かすを巧みに活かしたクリスプな外側で構成されていて唯一無二の食べごたえを感じる逸品だ。

そのまま食べても十分なくらいだが、ここは神戸風の辛口どろソース特製ガーリックマヨネーズをかけるのが正解。

ピリッと鋭角的なソースがマヨネーズと出会うことで化学反応をおこし、すじ焼きの世界観を大陸一ツ分くらい広げてくれる。

この味わい……ファンタスティック!

まゆみははっきり言って立地的に行きやすい店ではないが、そのコンセプトが明確で、かつ他では体験不可能な個性とクオリティが備わっていることから40年近くの長きにわたって愛され続けている名店だ。

美味を探求する読者諸兄に、ぜひ暖簾をくぐっていただきたいと思う。

まゆみ

【住所】
兵庫県神戸市垂水区上高丸1-2-5

【営業時間】
18:30~24:00(L.O.23:00)

【定休日】
月曜日

中将タカノリ

■シンガーソングライター、音楽・芸能評論家 ■奈良県奈良市出身 ■1984年3月8日生まれ ■関西学院大学文学部日本文学科中退 2005年、加賀テツヤ(ザ・リンド&リンダース)の薦めで芸能活動をスタート。 歌謡曲をフィーチャーした音楽性が注目され数々の楽曲提供、音楽プロデュースを手がける。代表曲に「雨にうたれて」、「女ごころ」(小林真に提供)など。 2012年からは音楽評論家としても活動。さまざまなメディアを通じて音楽、芸能について紹介、解説している。

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