こんにちわ。ドラマ評論家の成馬零一です。
前回に引き続き、2011年秋ドラマ総括と、2012年冬ドラマ予想について書きたいと思います。いわゆる視聴率等は無視した個人の独断と偏見でもって選んだものですので、ご了承ください。尚、この寸評はユーストリームで喋ったことのダイジェスト版です。細かい内容が気になる方は本編をご視聴いただけたらと思います。
2011年秋(10月~12月)ドラマを振り返る。
僕のユーストでは毎回、1クールごとのドラマについて喋っています。一部をそのクールのMVP作品。二部を「それ以外のドラマと来期のドラマ」について喋っています。作品の評価は☆の数で表していますのでご参考ください。
MVP
家政婦のミタ(日本テレビ系列 水曜日放送) ☆☆☆☆☆
11人もいる!(テレビ朝日系列 金曜日放送) ☆☆☆☆☆
妖怪人間べム(日本テレビ系列 土曜日放送) ☆☆☆☆☆
なんと今期は三本もMVPが出てしまいました。 まず、各作品について簡単に解説します。
『家政婦のミタ』は主演:松嶋奈々子、脚本:遊川和彦のホームドラマ。母親を亡くした明日田家の元に、笑わない家政婦の三田灯が来たことから起こる家族の崩壊と再生を描いた作品です。放送当初から高視聴率を獲得し、最終話では40%を獲得したお化け作品です。
続く『11人もいる!』は主演:神木隆之介、広末涼子、脚本:宮藤官九郎の大家族ドラマです。10人家族の真田家に、前妻であるメグミが幽霊として現れたことから起こる大騒動を描いた作品で、クドカンならではのドライブ感のあるコメディドラマです。と説明しましたが、このドラマに関しましては中々説明することが難しく、所々「え~」って驚く描写が次々登場し、その雑多性がまた魅力につながってます。
最後に『妖怪人間べム』は68年に放送された同名アニメを原作として現代風にリメイクした作品です。主演は亀梨和也、杏、鈴木福。脚本は『怪物くん』アニメ『TIGER&BUNNY』で知られる西田征史、プロデューサーは『野ブタ。をプロデュース』『Q10』等の木皿泉作品を担当した河野英裕です。いつ生まれたかわからない妖怪人間のべム、べラ、ベロたちが人間になるために度をしながら、人間のために戦う特撮ドラマです。
本来ならこの三本の中から一本を選ぶのが適切なのですが、どれも優れた作品で、方向性も違うためにあえて三本を選ばせていただきました。また、この三作には「震災以降にどういうドラマを作るか」というモチーフに対して誠実な解答を示しており、その志の高さを評価したいという思いもありました。また、それぞれ家族(人間)と異形(キャラクター)の対比で世界を描こうとしているのも面白いです。 より細かい話はユーストで喋ったので、興味のある方はご視聴ください。
2011年秋(10月~12月)のドラマのMVP作品について『家政婦のミタ』『妖怪人間べム』『11人もいる!』 長さ: 105:12
続いて、MVP以外の作品についての寸評です。
月曜日
私が恋愛できない理由 ☆☆
『ラスト・フレンズ』の中野利幸プロデュース作品ということもあり、どれだけ痛い恋愛ドラマ、言うなれば女『モテキ』になるか期待したのだけど 悪い意味で、昔のトレンディドラマを今更やってるような微妙さが残念があった。 ただ、大島優子演じる真子のパートだけは唯一女『モテキ』足り得ていて、彼女の痛い恋愛が描かれた前半は面白かったです。他のパートを消して、大島優子主演の20分ドラマと考えるならば面白かった。
火曜日
謎解きはディナーのあとで ☆☆☆
同名ミステリー小説をドラマ化したもので、マンガ的なキャラクターを櫻井翔と北川景子に演じさせるというアイデア一発で二人を輝かせていたという意味ではドラマとして成功していた。ただ、ミステリーのパートがあまり面白くないので、一話を観た印象と最終話まで観た印象があまり変わらないのが残念。『デカワンコ』等に関しても思うのだが、こういう漫画的なキャラクターを役者が演じるキャラクタードラマというものは、どうしてもキャラクター描写に特化するあまりに、ドラマの意味がなくなってしまうのが残念です。逆にいうと『妖怪人間べム』はそれを踏まえた上で語るべき物語があったので成功したのだろう。
HUNTERーその女たち、賞金稼ぎー ☆☆☆☆
バウンティーハンター(賞金稼ぎ)のチームが懸賞のかかった犯人を追いかけるという設定がうまく生きた意外な傑作。米倉涼子を中心とした女チームの生活感と日常性がドラマに上手くマッチしていた。特に桐谷美玲がいい。いうなればドラマ版『カウボーイ・ビバップ』。できれば続編がみたい。
カレ・夫・男友達 ☆☆
本作と『ビターシュガー』に対しては、作品の出来とは別の部分で好きになれない部分が多く、やや評価が低めになっている。なんというかトレンディドラマの亡霊に付き合っているような不毛感があって、最後までなんでこれをやっているんだろう? という疑問が頭から離れなかった。ただ、本作に関しては夏帆の顔が面白かったので、☆が一つ多い。
ビターシュガー ☆
『カレ・夫・男友達』と立て続けに見ていると、頭を抱えてしまうアラサ―の恋愛ドラマ。今年のドラマの傾向として「ホームドラマ高、恋愛ドラマ低」の傾向があったのだが、この二作に関しては見事に逆行していた。でもまぁ、こういうドラマを必要とする人もいるはずで、そういう人にとっては意味のある作品なんだろう。ちなみに脚本の今井雅子は『てっぱん』の頃から好きだったので、次回作には期待してる。今回はたまたま、こちらの気分と会わなかった。
深夜食堂2 ☆☆
有名監督と脚本家を期用した一話完結のオムニバスドラマ。小林薫が演じる深夜だけ営業している食堂を訪れる人々の姿を描いていて画面も脚本も良いのだが、個人的にはうまくはまれなかった。いざ見ようと思って画面を見ていても気が付くと注意が散漫になって、終わっているってことが何度かあった。テレビドラマを映画化したものを「でっかいテレビ」と揶揄することがあるが、僕からみると、本作や『QP』は「ちっこい映画」って感じがする。情報を遮断して真剣に見れば面白いのかも。
水曜日
相棒 シーズン10 ☆☆☆
人気刑事ドラマの第10作。シーズン9で面白くなりすぎた反動か、今期は平均点は高いのだが、どうもパッとしない。おそらく今までやってきたミステリードラマの構造に限界が来ていることと、全ての犯罪の元凶に警察内部の闇を持ち出す手法が時代とズレはじめてるのではないかと思う。ただ、新しいエネルギーや新薬にまつわるエピソードを通して科学にまつわる犯罪を描く回が二度ほどあり、そのあたり原発事故以降の刑事ドラマを模索している感じがして、目が離せない。その意味で元旦のスペシャルには期待している。
QP ☆☆
高橋ヒロシの同名漫画を、三池崇史が監督したヤクザドラマ。ドラマというよりは動く写真集といった感じで、環境ビデオのように役者と風景をぼーっと見るのが一番いい楽しみ方。ストーリーはイマイチ頭に入らないが、これはこれで一つの可能性として有りなのかもしれない。
木曜日
DOCTORS(ドクターズ)最強の名医 ☆☆☆☆
今期のダークホース、福田靖脚本の医療ドラマだが、沢村一樹演じる相良先生がとにかくよくて、天才医師としてオペを成功させる一方で、病院の経営や医者の意識改革を影で行い、病院を改革していく過程が実に面白かった。言うなれば医者版『鈴木先生』。今、流行りのマネジメント要素を医療ドラマに持ち込んだの成功要因だろう。おそらく、このマネジメント+議論(もしくは選挙)の要素を持ち込むことで新しいヒーローを創出する作品が増えていくのではないかと思う。高嶋政伸、比嘉愛未の使い方も絶妙。
ランナウェイ ☆
いろんな意味で残念な作品。『プリズン・ブレイク』や『逃亡者』といった海外ドラマの要素を無理やり日本の風土に持ち込んだはいいが、テクニックがないためルーキーズのような情緒の垂れ流しで逃げ切ろうとしたが、逃げきれなかった。ただ、字幕付きで1.5倍速で見ると、そのワンパターンのご都合主義が逆に面白くなって笑える。どうしても見たい人はその視聴方法をおすすめ。ちなみにこのドラマはこうなるべきだったというアイデアは『2011年秋(10~12月)のドラマ(中間報告)』で喋っているので、興味のある方はどうぞ。
蜜の味 ☆☆☆
『セカンド・バージン』以降、下世話さにドライブがかかっている大石静が脚本を担当したドロドロの恋愛ドラマ。序盤のかつらを被った榮倉奈々の処女をこじらした女特有の、メソメソしたうっとうしい感じが逆に匂い立つようなエロさになってる感じと、菅野美穂演じる女医の大人のエロさが、ARATAをめぐってスパークする展開は面白かったが後半は失速。ただ後半のトンデモ展開は別の意味で味があるのではないかとユーストでは議論が分かれたので、評価は難しいところ。大石は次回作『鈴子の恋』でついに昼ドラに挑戦するので、今後目が離せない。
秘密諜報員エリカ ☆☆
栗山千明がアクションをやることがすべてのB級スパイアクションドラマ。 栗山千明が好きなら楽しめる。俺は楽しめた。
金曜日
専業主婦探偵 私はシャドウ ☆☆☆
すごく面白かったし、映像も脚本も楽しめたし主演の深田恭子もよかった。ただ、何か言おうとすると、特に言うことがない困った作品。この微妙な感じが、今のTBS金曜ドラマ枠の停滞を象徴している。かつては才能のある脚本家や演出家を連れてきて、先鋭的なドラマを放送することで存在感を見せてきた金曜ドラマだが、今では日曜劇場に話題性は奪われてしまったように思う。裏の日本テレビのジブリ銃弾爆撃の中、作り続けるのは困難だとは思うのだが、ここは何とかして踏ん張ってほしい。
ここが噂のエル・パラシオ ☆☆☆☆
女子プロレスを題材にしたドラマなのだが、アクションシーンの描写が本当に素晴らしかった。全体にピントが合ってるカメラやアングルの見事さにはうっとりするし、ここまで肉感的に女優を撮れたことも、このドラマ枠のクオリティの高さを物語っている。僕自身がプロレスファンでないためにわからなかった部分も多いのだが、ファンならよりいっそう楽しめる隠し味があるらしい。この水準を維持できるなら、今後とてつもないアクションドラマが作れるかもしれない。
ウレロ☆未確認少女 ☆☆☆
ドラマというよりはコメディなのだが、あえて紹介。お笑いに関してはよくわからないのだが、主演に早見あかりを入れることで、今年のももいろクローバ―の物語を作中に取り込もうとしたやり方を面白いとみるか、安売りするなと思うかで少し評価が分かれるかも。役者としての早見あかりは申し分ない存在感を示したと思うので、もっと広い場所に女優として飛び立ってほしい。
怪盗ロワイアル ☆
同じモバゲー原作の『ドラマ わたしのホストちゃん』に較べるとイマイチぱっとしなかった。物語のないモバゲーの世界観に失われた記憶を探すという物語、つまり物語=記憶というアイデア自体は悪くはなかったと思うが、それに見合うドラマがあったかというと頭をひねってしまう。ただ、このドラマの場合はモバゲーと連携しているので、いっしょに楽しんでいた人の評価は違うのかもしれない。
日曜日
僕とスターの99日間 ☆
韓流テイストのライトなコメディをやるという課題はクリアしてたのではないかと思う。ただ、それが凄く面白いかというと別だが。見ている間、それなりに面白いじゃんって思えたのは、裏が『南極大陸』だったからだろう。
南極大陸 ☆
いろんな意味で、今期もっとも残念だった作品。まぁ、中盤に関してはその残念さ自体を楽しんでいたので、これも字幕付き1.5倍で見るとそれなりに見える。テーマ的には震災以降に「がんばろう日本」という熱いメッセージを送ろうとしていたのだが、それ自体が現実が見えていない呑気さの表れとも言える。だから逆説的に南極から帰ってきた木村拓哉が「犬殺し」と罵倒される姿は、視聴者に「このつまんねードラマの責任をとれ」とキムタクが責められてるようでメタな面白さがあった。いっそのこと、中盤は犬視点のドラマにしたらよかったのではないかと思う。太郎と次郎が南極を旅しながらアザラシやペンギンと戦い、台詞は字幕で入れる。そしたら優れた犬ドラマになったかもしれない。
俺の空 刑事編 ☆☆
これもドラマとしてはでたらめで安っぽく現実を無視した展開なのだが、それでも何か最後まで引っかかる謎のドラマだった。個人的には一平が私設警察を作るという超展開は楽しめた。
2011年、秋(10月~12月)のドラマについて(その他)
長さ: 94:29
続いて、2012年 新作ドラマについての視聴前の雑感です。
(☆は期待値です)
テレビ局単位でまとめています。
フジテレビ系列
ラッキーセブン ☆☆☆
7人の探偵が活躍するドラマ。主演は松本潤、瑛太、大泉洋、仲里依紗らで探偵たちの女ボスは松嶋奈々子です。シリーズ構成は『ガンツ』の佐藤信介、脚本は早船歌江子、野木亜紀子。野木亜紀子は去年末に放送された22回ヤングシナリオ大賞作品『さよなら、ロビンソンクルーソー』がすごく面白かったので、期待大。最近のフジは若手中心で役者を固め、脚本はフジテレビヤングシナリオ大賞を受賞した新人が担当するという実験枠になっているので、どっちに転ぶかわからないスリリングさがあるいので、もしかしたらすごく面白い作品になるのではないかと期待している。月曜21時放送。
ストロベリーナイト ☆☆
竹内結子主演の刑事ドラマ、一度スペシャルで放送された作品で、原作は『ジウ』の誉田哲也の同名小説です。フジの火曜21時枠は手堅い原作モノの職業ドラマが多いので、ある程度のクオリティは維持できると思うのだが、逆にいうと無難なものになりやすいのがタマに傷。
ハングリー! ☆☆☆
主演、向井理の料理ドラマ。イケメンでわがままな料理人のコメディというと韓流ドラマっぽいですが、脚本は大森美香。大森美香には『ランチの女王』というイケメンドラマの先駆け的代表作があるので、うまくハマればヒットするのではないかと期待している。最近、異常に面白い役者になっている稲垣吾郎にも注目。火曜日22時放送。
最後から二番目の恋 ☆☆☆☆
主演は小泉京子、中井貴一。脚本は『おひさま』の岡田惠和。ここ数年、ハードなドラマを書いていた岡田惠和が『おひさま』を経由して、久々に書く大人の恋愛ドラマ。小泉今日子の設定が45歳のテレビドラマのプロデューサーということも興味深い。木曜日22時放送。
早海さんと呼ばれる日 ☆
主演。松下奈緒、井ノ原快彦のホームドラマ。世間知らずのお嬢様が、嫁入りした家で翻弄されながら成長する姿を描いた作品らしいです。日曜21時のドラマチックサンデー枠のドラマですが、『マルモのおきて』以降、ホームドラマに焦点を絞ったようですね。うまくいけばヒット作になるかも。
鈴子の恋(昼ドラ) ☆☆☆☆☆
今期最大の問題作。『セカンドバージン』『蜜の味』の大石静が昼ドラに挑戦。物語はミヤコ蝶々の自伝をドラマ化した戦後史モノ。言うなれば下世話な朝ドラで、うまくソーシャルメディアや口コミで話題になれば、大化けするのではないかと期待している。(月~金)13時30分放送。
TBS系列
運命の人 ☆☆
出演:本木雅弘、松たか子。山崎豊子の同名小説をドラマ化。1971年の沖縄返還協定に絡んで起きた機密情報漏洩の事件、通称・西山事件について描かれる。脚本は『華麗なる一族』『官僚たちの夏』の橋本裕志。座組み自体は日曜劇場の必勝パターンなので安定して見ることができると思う。日曜21時放送。
最高の人生の終わり方~エンディングプランナー~ ☆
主演、山下智久、榮倉奈々、前田敦子。葬儀屋を舞台にしたヒューマンドラマ。脚本は『泣かないと決めた日』『名前をなくした女神』の渡辺千穂。『ランナウェイ』の後枠なだけに、正念場。木曜21時放送。
恋愛ニート~忘れた恋のはじめ方~ ☆
主演、仲間由紀恵。脚本:永田優子。なんというか、『私が恋愛できない理由』と同じ女『モテキ』の系譜なんだろうけど、まったく同じ理由で駄目そうな気がする。恋愛ができないことが前提のところからはじめる恋愛ドラマという発想自体はそこまで外してないはずなのに、どうにもパッとしないのは、男に比べて女の方が恋愛における滑稽さや醜態を描きにくいからだろうか。そこら辺に踏み込めれば問題作になるのだろうが。金曜22時放送。
白戸修の事件簿 ☆
主演:千葉雄大。お人良しで気弱な性格の男が探偵役のミステリードラマ。まぁ、深夜ドラマなので、気楽に見れればいいってスタンスなので、あまり文句を言っても仕方がない。ただ、うまくいけば化けるかも。金曜0時20分放送。
ステップファザーステップ ☆☆☆
宮部みゆきの同名小説がドラマ化。宮部みゆき作品はいままで連続ドラマ化されてなかったが、去年は『火車』や『魔術はささやく』など、スペシャルドラマ化されることが多かった。これを期に宮部みゆき原作モノが増えるかが、見どころ。月曜20時放送。
MBS
家族八景 ☆☆☆☆
主演:木南晴夏。演出:堤幸彦、脚本:佐藤二朗、池田鉄洋、前田司郎、江本純子、上田誠。:筒井康隆の名作小説のドラマ化。人の心が読み取れる超能力者の火田七瀬が、様々な家で家政婦として働く中で、家族の騒動に巻き込まれていく物語。深夜ドラマとしてはスタッフが豪華なため、期待大の作品。
日本テレビ系列
ダーティー・ママ ☆☆
主演:永作博美。香里奈 脚本:白木朋子、小林昌 秦建日子の同名小説のドラマ化。事件解決のためなら手段を選ばないシングルマザーの刑事、丸岡高子の活躍を描いた刑事ドラマ。『家政婦のミタ』の後枠ですが、この枠のファンである女性視聴者に向けた手堅い作品になるのではないかと思う。水曜22時放送
理想の息子 ☆☆☆
主演:山田涼介、鈴木京香 脚本:野島伸司。マザコンの息子と、実は母性本能など持ち合わせいないが、息子を母親想いの子供になるようにしつけた母親の物語。脚本が野島伸司だということもあり、今期の話題作だが、あらすじだけ見ていると、どうにも予想がつかない。近年迷走気味の野島伸司、起死回生の一作となるか、注目の作品。土曜21時放送。
ティーンコート ☆☆☆
主演・剛力彩芽、瀬戸康史 10代の少年少女で構成された子どもが子どもを裁く裁判所ティーンコートを舞台とした裁判ドラマ。あらすじは凄く面白そう。深夜ドラマ特有の狭さが出なければいい作品になるような気がする。
数学女子学園 ☆☆☆☆
出演 道重さゆみ、田中れいな。ハロープロジェクトのオールスターユニット「モべキマス」が総出演する学園ドラマ。言うなればハロプロ版『マジすか学園』なのだが、数学バトルという展開が未知数なのと、登場人物に男がいるというボーイミーツガール的な構造が吉と出るか凶と出るか。個人的にはアイドルドラマが好きなのですごく期待している。ドラマとして酷くてもアイドルファンならば必見の作品。水曜0時59分放送。
デカ★黒川鈴木 ☆☆
主演:板尾創路 脚本:大宮エリー 原作は滝田務雄の『田舎の刑事の趣味とお仕事』『田舎の刑事の動物記』。『木下部長とボク』に続く板尾×大宮コンビのドラマ。脱力系サブカルテイストが好きな人におすすめ。木曜23時58分放送。
テレビ朝日系列
聖なる怪物たち ☆☆
主演:岡田翔生、中谷美紀、長谷川博己 河原れんの同名小説のドラマ化。『DOCTERS』に続く医療ドラマ。天才医師と彼をとりまく女たちの姿を描いた医療サスペンス。テレ朝の医療ドラマが定着するのか? 木曜21時放送。
13歳のハローワーク ☆
主演:松岡昌宏、桐谷美玲。 村上龍の同名ベストセラー本を元にしたドラマ。22年前にタイムスリップした刑事が、当時の自分を再教育することで人生をやり直そうとする物語。他ではやらないという意味では意欲的な企画。金曜23時15分放送。
妄想捜査~桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活 ☆☆
主演:佐藤隆太、桜庭ななみ。奥泉光の『桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活』が原作のミステリードラマ。テレビ朝日の日曜ドラマという意味では『ドクター伊良部』みたいな作品になるのではないかと思う。見るからに安っぽいB級感が漂うが、そういうものがと思えば楽しめるかも。日曜11時15分放送。
テレビ東京系列
渡辺麻友のドラマ(タイトル未定) ☆☆
主演が渡辺麻友だということしかまだわかっていない学園ドラマ。『ウレロ☆未確認少女』の後枠ということから、アイドル主演のコメディみたいな作品ではないかと思う。あっと驚く内容というので期待。金曜0時53分放送。
逃亡者 おりん2 ☆
主演:青山倫子。テレビ東京制作の時代劇の続編。セガサミーが一社提供ということもありパチンコ台にもなっている。火曜日25時30分放送。
撮らないで下さい グラビアアイドル裏物語 ☆☆☆
主演:川村ゆきえ、杉原杏璃、小松彩夏 近年、話題作が多いドラマ24枠の新作。グラビアアイドルが主人公のドラマ。オーディション会場を舞台に起こるトラブルを描く。金曜0時12分放送。
NHK系列
平清盛(大河ドラマ) ☆☆☆☆☆
主演:松山ケンイチ 平清盛を主人公にした歴史ドラマ。脚本は『ちりとてちん』の藤本有紀。『龍馬伝』『坂の上の雲』の美術スタッフと演出家が担当するため、他の大河ドラマとは違う映像美が堪能できるはず。ただ松山ケンイチでどれだけ視聴率を獲得できるのかが不安要素。いずれにしても作品の出来は期待できる。日曜20時放送。
タイトロープの女 ☆☆
主演:池脇千鶴、高岡早紀 脚本:金子ありさ。大阪のワイヤー工場を舞台にした工場再生劇。愛人と再婚した父を嫌い、家を出た娘が、父の訃報をきっかけに工場に戻り、愛人だった継母と共に工場を立て直す物語。火曜22時放送。
本日は大安なり ☆☆
主演:優香 結婚式場を舞台にしたサスペンス・コメディ。原作は辻村深月の同名小説。脚本は『SPEC』の西荻弓絵。『ビターシュガー』に続く「よる☆ドラ」第二弾。火曜22時55分放送。
総評
本命 『鈴子の恋』『平清盛』
対抗 『家族八景』『数学女子物語』
秋に較べるとこれ! といった一本が中々難しいところだが、その中で『鈴子の恋』と『平清盛』は期待している。他には大御所という意味では岡田惠和と野島伸司の作品があることも楽しみだが、実は今期のダークホースは深夜ドラマかもしれない。中でも『家族八景』と『数学女子物語』は何が起こるかわからないワクワクがある。演出も脚本も役者の演技もある種のクオリティがあるドラマが多いので(もちろん目も当てられない作品も多いが)『家政婦のミタ』ほどではないにしても、テレビをリアルタイムで見て、みんなで話題を共有することの仕掛けをうまく考えたドラマが一作でも多くでればいいのにだが。
2012年、冬(1月~3月)の新作ドラマについて(視聴前)
長さ: 68:33
以上です。 来期のドラマを見る際に参考にしていただけたらと 思います。
それでは、成馬零一が独断と偏見でもって選ぶ新作ドラマ予想でした。
また次回をお楽しみください。